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「光る君へ」井浦新が道隆役で貫いた、ただ一つのこと

第17回「うつろい」より井浦新演じる藤原道隆
第17回「うつろい」より井浦新演じる藤原道隆 - (C)NHK

 吉高由里子主演の大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)で藤原道長(柄本佑)の兄・道隆を演じた井浦新が、本作で常に大事にしてきたというただ一つのことを明かした。放送後にドラマの公式Xなどで公開されたキャストのインタビュー動画「君かたり」内で語った。

【画像】御簾を越える道隆に一条天皇戦慄!第17回場面写真

 井浦にとって大河ドラマへの出演は2012年放送の「平清盛」(崇徳上皇役)以来、12年ぶりであったこと、また紫式部(まひろ)役で主演を務める吉高とは映画『蛇にピアス』(2008)やドラマ「最愛」(2021)などで共演したこともあって放送前から注目を浴びていた。

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 井浦が演じた道隆は、右大臣・藤原兼家(段田安則)の嫡男で、才色ともに優れた申し分のない跡継ぎ。兼家が世を去るまではよくも悪くも穏やかで心優しい人物として描かれてきたが、亡き父に代わって自身が関白となり権力を手にしてから豹変。強引に娘の定子(高畑充希)を中宮にし、妹である皇太后・詮子(吉田羊)を内裏の外へと追いやり、息子・伊周(三浦翔平)を露骨に昇進させるなど独裁状態に。民のことは眼中になく、都で蔓延する疫病に頭を悩ませる道長の意見にも耳を貸さず、酒に溺れていった。

 井浦は本作で描かれる道隆を、「撮影に入る前にイメージしていた道隆よりも大石(静)さんがつくっていく道隆っていうのはそれ以上に豊かな人物像を描いていて、最初は文学や武道、芸事とかそっちの方の引き出しをどんどんどんどん使っていくような役になっていくかと思いきや、終わってみたら自分の中でイメージできていなかった不器用さというか、政に対して得意じゃないっていうところをしっかりと描いてくださっている。道隆の人間臭さだったり、文化芸術に造詣のある道隆以外の顔がしっかりと描けたっていう。実際はどうかということではなく「光る君へ」の世界の中での藤原道隆という人物を豊かに描くことができたなとは思いました」と述懐。いわゆる優等生的な道隆像とは異なる側面も掘り下げた大石脚本の魅力に触れる。

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 自身が病に倒れてからは何としてでも息子の伊周に跡を継がせたい一心で、28日放送・第17回「うつろい」では一条天皇(塩野瑛久)に「伊周を関白に!」と御簾を越えて取りすがる暴挙に。そして愛妻・貴子(板谷由夏)に看取られ43歳の若さで世を去った。

 井浦は、道隆の生涯に「「光る君へ」の世界の中で道隆を演じてきて感じていたのは一点ですね。やっぱり一族、家族への思いであり呪縛であり、その家族というものを道隆を演じるうえでは常に大事にしていました」と思いを巡らせる。道隆にとっては父・兼家が絶対的な存在であり、ひたすら父の教えを貫こうとした彼の生涯をこう振り返る。

 「お酒に溺れても、権力に溺れたとしても道隆の根底にあるのは家族であって、父上(兼家)から学び、教えられて手本にしてきた父上のような政、道隆の中では教科書は父上なので、やっぱりそこも親子という関係からなっているので父上から教えられたことは一族をいかに続けていくか、栄華を続けていくということが道隆にとっては一番大事なことなんですよね。だから自分が家族を持ったら今度はそれを息子、今度はその孫へいかに渡していけるか、本当にそこだけを大事にしていた。だから本当に政は不得意な道隆ですけれども家族、一族というものが道隆のすべてだったんだろうなというふうに感じます」

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 井浦は現在、ドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」(カンテレ・フジテレビ系)が放送中。同作では主人公(杉咲花)の恩人であり植物をこよなく愛する、大学病院の脳外科医教授を好演している。6月にはアメリカ映画デビューを果たした主演映画『東京カウボーイ』が、8月にはドラマ「アンナチュラル」で当たり役となった毒舌の法医解剖医・中堂系役として出演する映画『ラストマイル』などが待機中だ。(編集部・石井百合子)

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