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アメリカのテレビドラマ事情!今最もHOTな作品を一挙ご紹介

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世界の映画産業の中心・アメリカの最新映画情報を現地在住ライターが紹介する「最新!全米HOTムービー」。今回はちょっと趣向を変えて、アメリカのテレビドラマ事情と現在最もHOTなアメリカのドラマを特集します。(取材・文:明美・トスト/Akemi Tosto)

弱肉強食!アメリカのテレビドラマ事情

 アメリカの新ドラマシーズンは基本的には春と秋なのだが、最近は1年を通してポコポコと新しいドラマが顔を出すようになってきた。視聴率が悪いとシーズンど真ん中でも容赦なく打ち切りになるアメリカでは、そんなときに備えていつでも次が控えているようになったからだ。こうした弱肉強食な環境が、映画も真っ青のハイクオリティーなドラマを次々と生み出す土壌となっている。

エージェント・オブ・シールド
「エージェント・オブ・シールド」シーズン1DVDは発売中 発売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン ©2014 Marvel & ABC Studios.

 アメリカの視聴率は、何千万人という人数で表されていることもあるが、1.0や2.4いう小数点付きの1桁の数で示されていることもある。これは、ニールセンが推定した「全米テレビ視聴世帯数」の中で、何パーセントがその番組を見ているかという数字だ。この数字がそれぞれの時間帯で番組ごとにはじき出されランキングとして発表されるのだが、ザックリ言って、視聴率の数字が1以下になったら危険信号と思ってよい。

 ではどんなドラマが最近のトレンドなのか? これは映画にもいえることだが、聞いたことのない企画よりは、すでに人気を確立しているキャラクターを使った作品が多く作られる傾向がある。「エージェント・オブ・シールド」や「ARROW/アロー」といったマーベルやDCコミックスのスーパーヒーロー物はもとより、最近出せば当たる感があるのがヴァンパイア物とゾンビ物。CWの「ヴァンパイア・ダイアリーズ」やそのスピンオフ「オリジナルズ」、AMCの「ウォーキング・デッド」やCWの新コメディードラマ「iゾンビ(原題) / iZombie」(こちらはDCコミックスのキャラでもある)などとにかく人気がある。

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ウォーキング・デッド
「ウォーキング・デッド」など大人気のゾンビ物! - AMC / Photofest / ゲッティ イメージズ

 また、確固たる人気を築き上げたCSIシリーズもさまざまなスピンオフを展開して成功を収めており、後でご紹介する新シリーズ「CSI:サイバー(原題) / CSI: Cyber」も好調なスタートを切っている。

エクスタント
「エクスタント」は4月4日よりWOWOWプライムにて放送開始(第1話無料放送)- ©2014 CBS Broadcasting Inc. All Rights Reserved.

 また映画スターをはじめ、有名映画監督・脚本家たちのテレビドラマへの進出が依然として目立つ。スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮「エクスタント」、ギレルモ・デル・トロ原作・製作総指揮「ストレイン 沈黙のエクリプス」に始まり、映画『それでも夜は明ける』でアカデミー賞脚色賞に輝いたジョン・リドリーが製作総指揮に回った新ドラマ「アメリカン・クライム(原題) / American Crime」など引きも切らない。

ゲーム・オブ・スローンズ
HBOの「ゲーム・オブ・スローンズ」 - HBO / Photofest / ゲッティ イメージズ

 シーズンごとに視聴者の好みをキャッチして絶えず視聴率の取れるドラマをそろえるのは容易なことではない。「ゲーム・オブ・スローンズ」や「ハウス・オブ・カード 野望の階段」などの大ヒットでHBOやNetflixなど主要ネットワーク以外の媒体が台頭し、ABCやNBCといった俗にいう「ネットワーク局」のドラマはもう古いといわれ始めている。しかしその中で頑張っているのがCBSで、週間トップ20の視聴率チャートの約半数を同局の番組が占め、日本でもおなじみの「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」「NCIS ~ネイビー犯罪捜査班」などはトップ10の常連となっている。

 し烈なアメリカテレビドラマ市場で、現在大ヒット中のドラマにはどんなものがあるのか? 一挙ご紹介します。

FOX「Empire 成功の代償」

Empire 成功の代償
日本でもFOXチャンネルで放送中 - via Getty Images

【見どころ】「24 TWENTY FOUR」の製作総指揮ブライアン・グレイザー、そして『プレシャス』でアカデミー賞監督賞候補となった精鋭監督リー・ダニエルズがタッグを組み、爆発的ヒットとなっている愛憎ドラマ。ウィリアム・シェイクスピアの名作「リア王」をモチーフに、ヒップポップ界を牛耳るライオン家の愛憎、欲望をこれまでのテレビドラマに類を見ないギラつきと斬新さで描く。本作オリジナルの楽曲、そして有名アーティストのゲスト出演なども大きな話題となっているが、一番の魅力は、超個性的な各キャラクター。音楽に全く興味がない人でもハマること請け合いだ。

【ストーリー】貧困街のギャングから成り上がり、いまやヒップポップ界の帝王的存在となったルシウス。レコード会社“エンパイア社”が大成功を収める中、自分の余命がいくばくもないことを知り苦悩する。やがて3人いる息子の中から自分の後継ぎ1人を選ぶと公表。利害関係を帯び兄弟の関係が複雑になり始めた矢先、ルシウスの成功のために17年間服役してきた元妻クッキーが出所してくる。薬物売買の罪を一手に引き受けて人生を犠牲にしたにもかかわらず、ルシウスは若い女と婚約、揚げ句にエンパイア社からの報酬が微々たるものだと知ったとき、クッキーの怒りがさく裂する。優秀な音楽センスがあるにもかかわらず、ゲイであるがために父ルシウスから疎んじられているまな息子で次男のジャマルを利用して、エンパイア社奪回を狙うクッキーの画策が幕を開ける。

CBS 「CSI:サイバー(原題) / CSI: Cyber」

CSI:サイバー(原題) / CSI: Cyber
CBS / Photofest / ゲッティ イメージズ

【見どころ】世界中で最も利益を上げているテレビシリーズといわれる「CSI」シリーズが、近年増加の一途をたどるサイバー犯罪に焦点を絞ったドラマ。『6才のボクが、大人になるまで。』で第87回アカデミー賞助演女優賞を獲得したパトリシア・アークエットがサイバー犯罪専門のFBI捜査官を演じている。製作者メリー・アイケンは、新世代のテクノロジーや情報科学が心理に及ぼす影響を研究する“サイバー心理学者”の肩書を持っており、ドラマで取り上げられるサイバー犯罪の内容がかなりリアル。地味な印象を受けがちなサイバー犯罪だが、パトリシアはもちろん助演陣のソリッドな演技と気の利いた演出で観る者を十二分に惹(ひ)き付ける。

【ストーリー】著名な心理カウンセラーだったエイヴリー・ライアンは、ある日ハッカー攻撃に遭ったことで自分の患者たちのデータを流出させてしまう。そのために患者の一人が自殺、彼女もカウンセラーの資格を剥奪されてしまったことから人生が一転。これ以上サイバー犯罪の犠牲者を増やすまいと、自身の知識を生かして、FBIサイバー犯罪部門に参入。心理学者としての英知と情報科学の知識を駆使して、悪質サイバー犯罪に立ち向かう。

CBS「ジェーン・ザ・ヴァージン(原題) / Jane the Virgin」

ジェーン・ザ・ヴァージン(原題) / Jane the Virgin
CW Television Network / Photofest / ゲッティ イメージズ

【見どころ】今年のゴールデン・グローブ賞ではコメディー・ミュージカルシリーズの作品賞にノミネートされ、ジーナ・ロドリゲスが女優賞を受賞した大人気コメディードラマ。主人公ジェーンのダサかわいさは、海外ドラマにありがちなスタイル抜群のド派手なヒロインとは一線を画していて、万人に好感を持たれている。毎回大いに泣いて笑って観た後は気分が晴れるという、近年まれな作品だ。

【ストーリー】ジェーンは、ママが16歳のときに生まれ母子家庭で育てられてきた働き者で優しい娘。自由奔放なママと違って保守的なおばあちゃんからは「純潔を守りなさい」と言われ育てられてきた。そんなわけで23歳になっても、付き合って2年の彼氏と何もないままのジェーン。でもある日、定期検診に訪れた婦人科で検診の代わりに間違って人工授精を施され(!!)、なんと聖母マリアも驚きの処女降誕に……! 平穏無事だったジェーンの世界は音を立てて崩れ、ジェーンが大好きなロマンスノベルも真っ青の波瀾(はらん)万丈のドラマがスタートする。

WB「ザ・フラッシュ(原題) / The Flash」

ザ・フラッシュ(原題) / The Flash
CW Television Network / Photofest / ゲッティ イメージズ

【見どころ】ディズニーがマーベルなら、ワーナー・ブラザースも負けじとDCコミックスのヒーローを繰り出してくる。本作は、すでにヒット中の「ARROW/アロー」のコア製作チームが全面的に参加しており、主役フラッシュ/バリーを演じるグラント・ガスティンは、日本でも人気の「Glee」にもゲスト出演していたイケメン新人。ハンサムさとフレンドリーさが共存する顔立ちに加え、彼の演技のうまさが本作をハートのあるスーパーヒーロードラマにしている。毎週フラッシュが立ち向かう異なるスーパーパワーを持った悪者たちの暴れぶりも楽しい。

【ストーリー】主人公バリーは、幼いときに不思議な閃光に母親が殺されるのを目撃してしまう。無実の父親に罪がかぶせられ逮捕された後、幼いバリーはウエスト刑事の家に引き取られて暮らすことになる。究極のオク手青年に成長したバリーは、ある日原子研究所の事故に遭った直後、特殊な稲妻にうたれ昏睡(こんすい)状態に。数か月後に意識を取り戻すと超人的な治癒力を持ち、閃光(=フラッシュ)がごとく超高速で走れるという体になっていた。困惑しつつもそんなパワーを利用して悪に立ち向かうとともに、母親を殺した真犯人を見つけ、父親の汚名をすすぐためのバリーの戦いが始まる。

ABC 「アメリカン・クライム(原題) / American Crime」

アメリカン・クライム(原題) / American Crime
ABC / Photofest / ゲッティ イメージズ

【見どころ】全米で大きな社会問題となっているメキシコ系移民問題。アメリカ市民とのあつれき、そしてそこから生じる偏見や憎しみといった、本来なら目を背けたくなるようなテーマをあえて主軸にしたのが本作の見どころ。製作総指揮に黒人奴隷制の醜さを赤裸々につづった伝記ドラマ映画『それでも夜は明ける』でアカデミー賞脚色賞を受賞したジョン・リドリーを迎えており、パワフルでハイテンションなタッチを駆使して、愚かで醜い人間の深淵を視聴者の目の前にさらけ出している。

【ストーリー】優等生だと思っていた息子がメキシコ人が関わった殺人事件に巻き込まれたとの知らせに、現地に駆け付ける白人の父とその元妻。息子が麻薬犯罪に関わっていた可能性があるという捜査報告を聞いてもなお、メキシコ人に非があるという態度を崩さない。片や、男手一つで厳格に育てたティーンの息子が殺人事件に関わっているという知らせを受け、がくぜんとするメキシコ移民の父親。いくら努力しても周囲の偏見と貧困から抜け出せず、結局はそんな状況の“餌食”となってしまう現実に対して怒りを募らせている。知らない者への不安が差別を生み、差別が憎しみとなって不正義を生み、主人公たちをガンのように侵していく。

CBS「マダム・セクレタリー(原題) / Madam Secretary」

マダム・セクレタリー(原題) / Madam Secretary
CBS / Photofest / ゲッティ イメージズ

【見どころ】最近ご無沙汰だったティア・レオーニが主人公ベス・マッコード国務長官を演じる政治サスペンス。モーガン・フリーマンが製作総指揮に名を連ねており、それもちょっとした話題になっている。ちなみに“マダム・セクレタリー”というのは、女性国務長官に対する敬意を表した呼び名。ホワイトハウス内の陰謀という大きなテーマが軸になっているが、基本的にエピソードごとに勃発する国際問題をベスの知力で回避していくという1話完結型になっており、視聴者は途中からでも入っていきやすい。

【ストーリー】飛行機事故で突然他界した国務長官に代わり、突如後任に抜てきされた元CIAのベス・マッコード。家族との平穏な暮らしを望んでいたのに、昔からの恩人である現役大統領直々のオファーとあっては断るわけにいかない。政治家の悪癖がついていない点を買われたベスだったが、それゆえにベテランスタッフや大統領補佐官とは火花を散らすことになって前途多難。そんな折、CIA時代の友人が突然ベスの自宅を訪れ、「前国務長官の死は事故ではない」と言い残して去っていく。翌日、彼が事故死したとの知らせが届きがくぜんとするベス。さまざまな国際問題に加えて、ホワイトハウスで彼女を待ち受けるものは一体何か!? 

【今月のHOTライター】
明美・トスト / Akemi Tosto
高校よりロサンゼルス在住、CMや映画の製作助手を経て現在に至る。全米映画協会(MPAA)公認ライターとしてだけでなく、監督としても活躍中。短編作品『ボクが人間だったとき/When I Was a Human』がアカデミー賞公認配給会社ショーツ・インターナショナルより配給され、iTunesとAmazonで日本版発売中。ツイッターもよろしく!→@akemi_k_tosto

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