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役所広司は「彼こそが俳優である」ヴィム・ヴェンダース絶賛 カンヌ受賞にコメント

第76回カンヌ国際映画祭

『パーフェクト・デイズ(原題)』でカンヌ映画祭に参加した、ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司、中野有紗、アオイヤマダ、田中泯
『パーフェクト・デイズ(原題)』でカンヌ映画祭に参加した、ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司、中野有紗、アオイヤマダ、田中泯 - (c) Kazuko Wakayama

 第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で、俳優の役所広司が、主演映画『パーフェクト・デイズ(原題) / Perfect Days』で男優賞に輝いたことを受け、役所並びにドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダース監督による喜びの声と、共演した中野有紗アオイヤマダ田中泯からの祝福コメントが寄せられた。

名匠ヴェンダースが撮る東京『パーフェクト・デイズ』フォトギャラリー

 『パリ、テキサス』でカンヌ最高賞パルムドールを手にしているヴェンダース監督が、東京・渋谷のトイレ清掃員・平山(役所)の日々を追った本作。淡々とした日々のなかに小さな歓びを感じながら生きる無口な平山を、表情と佇まいで表現した役所の演技は高い評価を受け、周囲の期待通りに男優賞を受けた。また本作は、コンペ部門とは別に、エキュメニカル審査員賞も受賞している。

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 日本人としては、『誰も知らない』の柳楽優弥以来、19年ぶり2人目の快挙となった役所は「日本の、世界の、映画が少しでも、もっと素晴らしいものになるようにこれからも努力を重ねていきたいと思います」とコメント。また、ヴェンダース監督は「役所広司は、監督をする者にとって最高の俳優である」と最大級の賛辞と共に「彼こそが俳優である。それも最高の俳優だ。彼こそが平山であり、『PERFECT DAYS』というこの映画の心臓であり、魂なのだ」としている。

 ヴェンダース監督、役所、共演者のコメント全文は下記の通り。(編集部・入倉功一)

映画『パーフェクト・デイズ(原題) / Perfect Days』は日本配給予定

役所広司

日々を丁寧に静かに重ねるように生きる。
この平山という男を演じるのは、大きな挑戦でした。
ヴィム・ヴェンダースという偉大な監督には、フィクションの存在であるこの男にとても大きなリスペクトがありました。それが私を導き、平山という男をこの世界に生み出した気がします。
このような賞をいただいてとても光栄です。
日本の、世界の、映画が少しでも、もっと素晴らしいものになるようにこれからも努力を重ねていきたいと思います。日本でもみなさんに、「平山」という男をご紹介できる日が楽しみです。

ヴィム・ヴェンダース

これ以上の言葉を私は見つけることができない。
“役所広司は、監督をする者にとって最高の俳優である”

彼こそが俳優である。それも最高の俳優だ。
彼こそが平山であり、『PERFECT DAYS』というこの映画の心臓であり、魂なのだ。

この映画を通じて私たちはゆっくりと平山の視線や生き方を受け入れていく。
彼の目を通してこの世界をみつめる。

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そうすることで彼が選びとった人のために生きるというその姿に癒しを感じるようになる。
他の俳優でも平山を「演じる」ことはできるだろう。

けれど役所広司は平山そのものになった。
穏やかさ、謙虚さ、大きな心。

同じようなひとに対してだけでなくすべてのひとに対しても。
自然に対してもそれをもつ。
とくに木々には静かで美しい感情を抱いている。

カンヌの劇場から泣いて帰る人がいるとしたら、それはこの偉大な俳優が彼らを旅に連れ出したのだ。彼らの魂に、より良く生きることとは何か。

満たされた生き方はどういうものか。
そういう考えに火をともしたのだ。

こんなことを成し遂げる俳優は世界にそうはいない。
私は彼と一緒に映画をつくれたことをとても幸せに思う。

この賞は、私と、そしてカンヌに集まったチームの全員が待ち望み、
そして夢にみたものである。

中野有紗

受賞、本当におめでとうございます。
役所さんの演技、作品に取り組む姿勢は私の心に強く響きました。役所さんの存在の素晴らしさが更に世界に伝わったような気がして、自分の事のように嬉しく感じています。その様な受賞作品に、私も出演させて頂けた事を心より光栄に思って居ります。本当におめでとうございました。

アオイヤマダ

受賞おめでとうございます。
人それぞれの日常や居場所が主人公であり、それこそが平和ということ。与えられた時間を精一杯生きること。そして、決して一人では生きられないこと。私はこの作品に携わらせて頂き、改めて意識することができました。ヴィムさんがみつめる日本には、私たちが気がつくことができない、新芽のような美しさがあります。素晴らしい機会を下さったこと、本当に感謝しております。

田中泯

嬉しい!  役所さんの受賞が自分のことのように嬉しい。そうして『PERFECT DAYS』を受け入れたフランス、カンヌにヤッホーだ。この作品に関わった全ての人の心の内に秘められていたことがこの結果だった、と僕は信じます。ヴェンダース監督がそんな人々の先頭で喜びに浸っているに違いない。役所さんが体現した平山さんは、自分のテンポとメロディーで生きたい人々の本当の例題となるでしょう。言葉少ない役所さんは、ずっと踊っていた!

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