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『60セカンズ』特集

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【ジャケットやウォッチのプレゼントもある!】
アンジェリーナ・ジョリー
インタビュー

ブレンダ・ベッカー
Brenda Becker


 名優ジョン・ヴォイトを父親に持ち、その並外れた才能が早くから注目されていたアンジェリーナ・ジョリー。『狂っちゃいないぜ!』『マイ・ハート,マイ・ラブ』『ボーン・コレクター』『17歳のカルテ』、そしてイタリア車窃盗のエキスパートに扮した『60セカンズ』と、今年立て続けに5本の主演作が公開された。心に深い傷を負った少女を熱演した『17歳のカルテ』では見事オスカーに輝き、一気にトップスターへ。今年5月には個性派俳優ビリー・ボブ・ソーントンと再婚し、まさに人生最良の時を迎えている彼女。正直すぎる言動が時には誤解され、エキセントリックなイメージばかりが先行しがちだが、その「飾らない自分らしさ」こそ、彼女の最大の魅力だろう。

 

 自分らしく生きる奔放な女神


オスカーはいい仕事をしたんだっていう
証しのようなもの。素敵な勲章ね。
でも、私の人生が変わったわけじゃない

 アンジェリーナ・ジョリーは盛りのついた雌ネコのように、しなやかにそのナイスバディをくねらせていた。あのヌルヌルとした感じの分厚い唇から白い歯を見せながら、ハイな気分で一杯なのと言わんばかりの笑い声を部屋中に響かせている。

「愛する人と結ばれるって素敵なことよ。夫と一緒にベッドにいる時が一番幸せだわ。ずっとずっと、このままでいたいって感じになるの。お願いだから終らないでっていう気持ちになってしまうのよ」

 彼女の夫とは『狂っちゃいないぜ!』で共演したビリー・ボブ・ソーントンのことである。俳優・脚本・監督の3役をこなす多才なビリーにメロメロで首ったけの様子を隠そうともしない新妻は、ビリーの子供との同居生活もうまくこなしているようだ。充実しているのは結婚生活だけじゃない。『17歳のカルテ』の名演技でオスカーさえもらっているのだから、今が人生で一番いい時なのかもしれない……。もちろん、若くて美しいだけでオスカーを手にすることなどできない。

「オスカーを取ったって、私の人生が変わったわけじゃないわ。こうしてまたいつものように女優っていう仕事に戻って忙しく働いているし。でも確かに素敵な勲章にはなるわね。自分がいい仕事をしたんだっていう証しのようなものじゃないかしら。でも今は自分の家庭を大事にしたいの。自分の家と家族が私の人生にとって、とても重要なものになっているから。私の人生が変わったとしたら、それはアカデミーの助演女優賞をもらったからではなくて、ビりーと結婚したからだわ。私が彼の妻になったことで大きな変化があったってことなのよ」

 世界中の人々を感動させた『17歳のカルテ』で、心に深い傷を負った暗い女の子を演じた彼女が、なぜエンターテインメント性の強いカー・アクション映画『60セカンズ』の出演を承諾したのか、是非とも本音を聞きたいところだ。

  「この映画に出演するって決めた時は、アカデミー授賞式のずっと前だったし。『17歳のカルテ』ではとても内省的な女性の役だったから、今度は大声を張り上げて駆けずり回る役がやりたいなって、ちょうど思っていたところだったの」

ドレッドロックのブロンドを風になびかせながら男まさりに次々と車を盗んでいくジョリーの姿は、文句なしにカッコいい。主演のニコラス・ケイジとは初共演だが、その息はピッタリと合っている。スタントマンなしで車を運転したというニコラス・ケイジ。運動神経が抜群にいいと言われるジョリーと身体の機敏な動かし方がよく似ているのだ。

 「ニコラス・ケイジと共演できるっていうのは、とても嬉しいことだったわ。昔から彼と一緒にお仕事ができればなって思っていたから。彼の出演作ってお世辞抜きで全部大好きなの。彼のことは前から素敵な人だなって思っていたし。よく言うじゃない、こっちがずっと思い続けているとその気持ちは相手にも通 じることがあるって。私もずっと彼とは共演したいって思い続けていたから、実現したんだと思うの。彼ってすごく面 白い人なのよ。撮影中、私はニコラスに笑わされっぱなしだったわ。だから彼との共演では一つとして困難なことはなかったのよ。こんなに楽しくお仕事できたなんて、本当にラッキーだったんだと思っているわ」

ブランド名で車を衝動買いすることはない。
今欲しいと思う車は、 みんながびっくり仰天するような珍車

 ベンツ、ポルシェ、ムスタング、フェラーリ、ジャガーといった車のコレクター・マニアから見れば、この映画のキャラクターたちのように、つい盗みたくなるようなレアな高級車が次々と登場するが、ジョリーは一体どんな車を愛用しているのだろうか。真っ赤なフェラーリなんていうのが彼女の官能的な顔とボディにマッチする感じがするが、本当のところはどうなのだろう。

「ニコラスは以前かなり車に凝っていたそうよ。でも自分の車に女の名前なんてつけてないって言ってたわ。私はそういう高級車には全く興味がないから、ブランド名で車を衝動買いしたくなることなんてないわ。今欲しいと思う車? みんながあれ何ってびっくり仰天するような珍車が欲しいなあ。内装がすごく派手で下びていて、後ろに怪獣のおもちゃかなんかをつけて走り回れたら最高に楽しいのにね。ブランド名で車に乗るより、そういうユニークな車に乗る方がずっとずっと面 白いはずよ。ねぇ、そう思わない?」

   ジョリーの個性の強い外見とこういう言葉を照らし合わせると、かなり趣味の変わったヘンな女の子に見えてくるかもしれない。しかし不思議なことに、こうした言動が彼女の生まれた時から持ち合わせている品性を損なうことは決してないのだ。彼女の育ちの良さはどんなにドぎつい化粧をしても隠しきれない。マスコミが取り上げて大騒ぎする大胆な発言も聞かれたことに対して嘘や取り繕いができない彼女が、正直に自分の意見を言ってしまうことから生まれてくるからだ。「女の 人を好きになったことがある」と言えば、「アンジェリーナ、ついにレスビアン宣言 」という見出しになるし、兄のジェイムズと熱いキッスを交わせば、「アンジェリーナ、実兄と近親相姦の愛に燃える」なんていうスキャンダルにデッチあげられてしまうのだ。父親である大御所俳優のジョン・ヴォイトが愛娘のジョリーのプレミア試写 会に熱心に顔を出して応援していることを曲解して、「あの父娘はあやしい」と勘ぐるジャーナリストさえいる。

 ジョリーのとても偉大なところはどんなにマスコミが彼女のことを書き立てようと、全く動じないことである。「ホモだ」とか「タネなし」などと書かれ、一流の弁護士をたてて告訴してくる小心者のハリウッドの男優スターたちとはスケールが違うのである。

 しかし、一見クールに見える彼女でも、もちろん深く傷つくことはある。イアン・ソフトリー監督の『サイバーネット』で共演したイギリス人男優のジョニー・リー・ミラーと恋に落ち電撃結婚した彼女だが、その結婚生活は2人の性格の不一致から不協和音をたて始めた。父親と兄からいつも優しくいたわられてきた彼女にとって、自分をしっかりと腕の中で受け止めてくれないミラーの愛がとても物足りなく、自分をうまくコントロールできない夫のことがとても幼く見えてきたのだ。2人の結婚生活が破局を迎えるに連れて、ジョリーの女優としての才能が開花していったことも皮肉な話だ。結婚当初、ミラーのほうがネームヴァリューが高かったのに、2人が離婚する頃にはジョリーへの注目度のほうがずっと上がっていた。

男だって女だって自分らしくなくちゃ、
ちっとも魅力的じゃないと思うの。 これが私の正直な考え方ね

 一方、兄のジェイムズに対して、ジョリーは健気な愛情を示している。「兄さんとなら、一緒に住みたいわ」と言うほど、兄のことを慕っている彼女だが、 マスコミのちょっとした気配りのなさに心を傷めたことがある。 「『ボーン・コレクター』のプレミア試写 会の時、私が父と兄の3人でカメラの前でポーズを取っていた時、突然ジェイミーだけはずれて欲しいと言われたの。有名なのは父と私だけだからってことなのかしら。とても悲しかったわ」

 おそらくこんな馬鹿げたお願いをしたのはジェイミーが彼女の兄だということを知らなかったカメラマンだろうが、兄のことをマスコミにアピールしようとする彼女には、「兄さんを盛り立てたい」という気持ちが強くあるようだ。

  「ジェイミーのことをとても愛しているから、大事にしてあげたいのよ。みんな驚くんだけど、マスコミが私のことを取り上げた記事を読んでショックを受けるのは、いつも兄のほうなのよね」  父親のヴォイトは、ジョリーの自分を防御しない開けっ広げな言動にとても気を使っているらしい。どんなに忙しい時でも彼女とは電話でよく近況を話し合うし、グチの相手にもなってくれる。

  「父から、私の口は軽すぎるってよく言われるわ。結婚生活や性のこととかをそんなにマスコミに話しちゃいけないよってね。でも何が悪いわけ? 自分が経験したことってすごいことだと思うし、人に言えないほどひどいことをしたなんて全然思わないもの」

 男も女もこの奔放な妖婦いや女神とも言えるアンジェリーナ・ジョリーの毒気にすっかり吸い寄せられてしまうのはなぜなのか。何が彼女をこんなにも官能的に光り輝かせているのだろうか。エステに特殊なダイエットやフィットネス。それともやっぱりたくさんのいい男たちとベッドを共にすることが彼女の魅力を引き出す最大の秘訣なのか。残念ながらそのすべてがはずれだった。

  「完全に自分自身でいることだと思うわ。勇気を出して、正直になって言いたいことをはっきりと主張すること。これがすべてなんじゃないかしら。男だって女だって自分らしくなくちゃ、ちっとも魅力的じゃないと思うの。これが私の正直な考え方ね」

 ある雑誌のインタヴューで、ローリングストーン誌の表紙のためにポーズを取らされた時、自分がまるで売春婦のような気持ちになってとてもみじめだったと告白していたジョリーだが、一体どんな写 真だったのか見ようと思って取り寄せてみたら、セクシーな黒いレースの下着をまとって爪を噛んでいるというポーズだった。そんなに過激な感じはしないのだが、気持ちの上で「やらせ」をさせられている自分というのがあったらしい。自分がセクシーな気分になれないのに、セクシーであるかのように装うことこそ、売春行為に最も近いというのが彼女の持論である。『17歳のカルテ』『60セカンズ』と2作で見せてくれたブロンドの髪を、ダークなブラウンに染め直したジョリーには今後話題の大作が控えている。

  「アントニオ・バンデラスとは時代劇で共演したので、黒に近いダークなブラウンに染めてみたの。今、撮影の準備中なのが"Tomb Raider"。世界的に大ヒットしたコンピュータ・ゲームのヒーロー(と言っても女性だが)、ララ・クロフトの役を演じるために、さらに黒く髪を染めてエクステンションをつけるつもりよ。ララって筋肉質の素晴らしいボディをしているから、役になりきるために毎日厳しい筋肉トレーニングを受けているところなの。撮影が始まる頃には引き締まった美しい肉体に変身していると思うわ」

 ジョリーの演じるララ・クロフトは、きっと夜中にうなされるくらいセクシーなニンフになって登場することだろう。

 

 

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