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夏の大作に飽きたら、ミニシアターへ行こう!

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メディア・アクティビスト 池松江美


 チアーリーダー映画と聞いてまず思い出されるのは、私の父がチアーリーディングが好きで、よく居間で一人でチアーリーディング大会の録画ビデオを観ていたことです。その時は、見てはいけないものを見てしまったようで(ミニスカ女子がボンボンを持って飛び跳ねるビデオを好んで見るなんて、いやらしいわ……)と眉をひそめていたのです。

 しかし、この映画を観て、私のチアリーディングに対する先入観は間違っていたことが分かりました。チアリーディングは素晴らしく健全で、若者の心身発達に最適なスポーツです!!  精神的な成長に不可欠な心の糧です!!  ここに悔い改め、謹んでレビューを書かせていただきます。

  ストーリーを簡単に説明しますと、西海岸にある高校のチアリーディング・チームの新キャプテンに選ばれた、トーランスという金髪のキュートな女の子が様々な難関、チームメイトの骨折や振り付けの盗作事件などを乗り越え、チームをまとめあげて全国大会で青春を燃焼させ、小さな恋の物語も生まれる、という内容です。普通アメリカの学園もの映画というと、性的シーンが不可欠でCまではいかなくてもBくらいまでは進んだり、ドラッグ、銃などが出てきて悪い刺激を与えるものですが、『チアーズ!』はそのどれも出てこなくて、とても健全な映画です。かといって刺激不足ということもなく、最初から最後まで一秒も目を離すことのできない、めくるめく面白さ!!  

 あとでパンフレットの監督のプロフィールを見たら、ドキュメント映画出身と書かれていて、このテンポの良さに納得しました。チアリーディング大会のシーンなどは、リアルで本当にその場にいるような臨場感です。鳥肌が立ちっぱなしでした。

 また、コメディタッチの部分とシリアスな場面のメリハリが効いていて、観ている側は(心で)泣いたり笑ったりと、こんなに感情を支配された映画は久しぶりです。主役のキルスティン・ダンストは、『ヴァージン・スーサイズ』の気だるい美少女役とは別人のようで、叫んだり飛び跳ねたり肩を怒らせて早足で歩いたり、喜怒哀楽露わな顔面百面相ぶりに釘付けでした。これまで、アメリカ人は生まれつき感情表現が豊かな国民なのだと思っていましたが、「アメリカ人も並大抵ではない努力をしている」ということがよく分かりました。驚かなければいけないシーンでは、全身で驚きを表わし、喜ぶときは悲鳴を上げて飛び跳ね、皮肉なことを考えている時は唇を歪める……。

 アメリカ人から見た日本人が、何を考えているのか全く分からないと言われるのも当然です。『チアーズ!』で、心をオープンにすることの大切さも学び、アドレナリンを静脈注射されたように元気になりました。ありがとうございます!

 

『チアーズ』
チェック: チアリーダーというとキュートな女の子達の花形集団を連想しがちだが、実際は男性も活躍する体力の必要なスポーツ競技。カリフォルニアの高校を舞台にした本作は、ライバル関係にある2つのチアリーディング・チームが、全国選手権大会の王座を狙って争う青春コメディだ。主演は『ヴァージン・スーサイズ』で一躍有名になったキルステン・ダンスト。ミニスカート姿のチアリーダーを、溌剌と元気いっぱいに演じていて魅力的だ。

ストーリー: 高校のチアリーディング・チーム“トロス”は、ここ数年全国大会で無敵の強さを誇っていた。しかし、連続優勝を狙うキャプテンのトーランス(キルステン・ダンスト)は、チーム伝統の振付が盗作だと聞かされ驚く。

英題: BRING IT ON 製作年: 2000年 製作国: アメリカ 日本公開: 8月4日 (シネマライズ) 上映時間: 1時間40分 配給: 東宝東和 カラー/ヴィスタ/ドルビーSRD、SDDS?

■スタッフ■ 監督: ペイトン・リード 製作: マーク・エイブラハム / トーマス・A・ブリス / ジョン・ケッチャム 脚本: ジェシカ・ベンディンジャー 撮影: ショーン・モーラー 美術: シャロン・ロモフォスキー 音楽: クリストフ・ベック
■キャスト■ キルステン・ダンスト エリーザ・ヂュシュク ジェシー・ブラットフォード ガブリエル・ユニオン クレア・クレイマー ニコール・ビルダーバック 他

 


 

 

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