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まほの[子連れ]ハリウッドへの道63

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【原宿でスカウト!】
(まほ日本でついにデビューか?)

【ロスのバーバーでの小さな友情】(オイラのブラザー物語) 】


                             

森田まほ
映画が好き!現場で働きたい!その思いがこうじて単身アメリカ、ハリウッドへ渡り、現場でインターンとして日夜現場を飛び回る日々であったが、ある日アメリカ人の青年と結婚。その後予定外の妊娠をするが、無事出産。現在はグリーンカードを取得すべく待機中。

 私が、ロスにいたときの話をするとき、必ず友達に自慢するのはやっぱりなんといってもエージェントにスカウトされた話。


とある喫茶店にて、「あなた女優になる気ない?」なーんて言われたのは2年前。〔これについては、マホ女優デビューか?の巻参照〕


あの時は、本当にテンションが上がった。日本にいたときはスカウトなんてされたことなかったし。むふふのふ。ふふふのふ。私って、結構いけるんじゃ…。なんて、自惚れたこともあったわよ。


でもね、カムイを産み落としてからは、スカウトどころか、昔は腕をつかまれたりもしたキャッチの兄ちゃんですら見向きもしない。街頭の、エッチ電話系ティッシュもそうさ。どんなに手を出してもくれやしねえ。くそお。カムイのうんち拭きでティッシュの需要は以前よりも上がってるっちゅうのに。


こんな悔しくも惨めな日々が続いたここ2年。
本当につらかったわ。
だけど、先日。そのつらさから、私を解放してくれる事件が起きたのっ。
そう。私。スカウトされちゃったのよ。フフーン。


その日私は、カムイといっしょに原宿にいた。とにかく、めちゃくちゃ暑い日で、しかも金も500円くらいしかなくてお茶しにカフェに入ることすら出来ず。


仕方なく、ローソンでジュースを買ってベンチでマッタリ休んでいるとそこにおばちゃんが。
「すみませーん」


こんな疲れた主婦に声かけてくるおばちゃんっつうのは、大抵「幸せにしてあげます」やら、「アンケートにお答え下さい」か「原宿駅はどこですか」って言うだろうね。


なんて、半分萎えヅラな私におばちゃんってば、

「すみません。あの、とってもおきれいなお顔してらっしゃりますねえ。もしかして、どこかのモデル事務所に所属してらっしゃいますか」


ほーっほっほっ。おきれいですって?ああ、今日化粧してきてよかった。
「いいえ。モデル事務所なんて、入ってませんよ」

というと、おばちゃんはとってもうれしそう。

「是非、うちの事務所に入っていただきたいんですが

ですってよ! あーた聞いた?
もちろん、二つ返事で


「ああ、話だけならいいですよー」
というと、

「じゃあ、お名前と、年齢と、連絡先を教えて下さい」
「森田まほ、二十二歳、ほにゃほにゃほにゃ」


すらすら答えてたんだけど、はっと気付けばおばちゃんがやたら気まずそうな顔してる。ん?と思ったら。
「すみません。お母様じゃなくて…。息子さんの方なんですが」


ぎゃああーーーーーーー!!!!
なんて屈辱なの。あまりのショックにそこから先は記憶にございません。とりあえず、魂が抜けていたことはたしか。
 時代の終焉をひしひしと感じた一件でありました。

次週につづく

 



お知らせ:月刊フリックスでまほちゃんが、「好き勝手クロスレビュー」の連載を始めました。ハリウッドのカリスマビデオ店員マイケルのちょっと辛口レビューも要注目!



ハリウッドへ戻れる日を指折り数えて待ちつつ、子育てに励む22歳の乙女、まほちゃんへ励ましのメールを!

(皆様からいただいたメールから、まほちゃんはパワーをいただいているそうです。メールは編集部で1度受け取ってからまほちゃんへ渡されます。本人へ直接メールされるわけではありませんのでご了承下さい。また、いただいたメールはまほちゃんが必ず読んで出来る限りお返事を書きたいとのことです。)

FLiXムービーサイト内「まほのハリウッド日記」
maho@flix.co.jp

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