シネマトゥデイ

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地獄でなぜ悪い
(C) 2012「地獄でなぜ悪い」製作委員会
製作年:
2013年
製作国:
日本
日本公開:
2013年9月28日
(新宿バルト9 ほか)
上映時間:
配給:
キングレコード / ティ・ジョイ
カラー

チェック:『冷たい熱帯魚』などの園子温が、十数年前から温めてきた企画を実写化した異色作。まな娘の映画デビューをかなえようと奔走する男が、彼と激しく憎み合うヤクザ、映画監督に間違えられた青年、彼に代わってメガホンを取る映画マニアといった者たちと共に騒動を巻き起こす。名バイプレーヤーの國村隼、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの堤真一、『鈴木先生』シリーズの長谷川博己ら、実力派俳優が結集してクセのあるキャラを怪演。ハイテンションな語り口に加え、全編にちりばめられた35ミリ映画への愛も作品の大きな魅力もなっている。

ストーリー:とある事情から、激しく対立する武藤(國村隼)と池上(堤真一)。そんな中、武藤は娘であるミツコ(二階堂ふみ)の映画デビューを実現させるべく、自らプロデューサーとなってミツコ主演作の製作に乗り出すことに。あるきっかけで映画監督に間違えられた公次(星野源)のもとで撮影が始まるが、困り果てた彼は映画マニアの平田(長谷川博己)に演出の代理を頼み込む。そこへライバルである武藤の娘だと知りつつもミツコのことが気になっている池上が絡んできたことで、思いも寄らぬ事件が起きてしまう。

地獄でなぜ悪い
(C) 2012「地獄でなぜ悪い」製作委員会

映画短評

  • 清水 節
    邦画の現状へ放り込まれた爆弾
    ★★★★
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     『ヒミズ』と『希望の国』。震災や原発をモチーフに社会や内面に鋭く斬り込む過激な映画を撮った反動は、あらゆるジャンルを詰め込んだ痛快娯楽活劇へ、半端じゃない振り切れ方で発露した。ここでは誰もが皆、主人公。一世一代の傑作映画を撮りたい青二才がいる。矜恃に生きるはぐれ者がいる。彼らにとって現実と虚構の境界は曖昧で、立派な映画バカとヤクザに成り果てた執念深き者どもの10年史が、笑いと血糊を満載に描かれていく。
     
     映画監督の立志伝であり、35ミリフィルム讃歌であり、ヤクザ映画やカンフー映画へのリスペクトでもある。しかし、ただ単に愛するものを寄せ集めてサンプリングしたオマージュの集積では終わらない。「ヤクザな金で愛すべきバカが映画を撮る!」。作り手は死ぬ気で臨み、出資者は本当に死ぬかもしれない。それは、比喩でもあり事実でもあった。製作委員会システムに志高き映画が骨抜きされる以前の、映画製作の一面的な真理だった。園子温の半自叙伝的エンターテインメントは、邦画の現状へ放り込まれた爆弾である。

  • くれい響
    やたら鼻につく「面白いだろ?」の押し売り
    ★★★★★
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     堤真一を始め、キャスト全員が心から楽しんで演じているのが手に取るように分かるし、血まみれなクライマックスには惹きつけられる。そういう意味でも、「唐獅子株式会社」の進化系といえる設定の好き嫌いに関わらず、映画ファンなら観るべき今年の一本だろう。

     だが、そこに至るまでの展開が長すぎてダレるうえ、CMソングやキャスティングなど、これまでの作品以上に「どうだ面白いだろ?」の押し売りが、やたら鼻につく。そんな欠点を『愛のむきだし』の前半パートのように力技で押し切るパワーにも欠けている。また、園監督の分身でもある監督志望の平田が語る“映画愛”が、どこか空回りしているのも気になる。そして、なにより、あのような展開に持っていきながら、坂口拓が『ドラゴン怒りの鉄拳』のラストを再現せずに、どこが“ブルース・リー愛”なのか? 
     ちなみに、本作の脚本が一次審査で落選した「つんくタウン」プロジェクトで選出された『GO-CON!』は、個人的にはその年のベストだったりするのである。

  • 中山 治美
    バカで最高!
    ★★★★★
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     この映画を観て、どれだけ嫉妬した映画関係者がいるだろう。映画少年の夢をそのまま具現化した物語は、自主映画で見られがちなレベル。それをパワーと豪華キャストで見せきってしまう大胆さ。しかしこれは、誰もが挑めることではない。長年、大きな組織に巻かれることなく自分の作りたい映画を作り続け、かつ国際映画祭での実績を武器に、国内での地位を強引に高めてきた園子温監督がようやく手にした自由。そして、前作『希望の国』で実録路線から一区切りした開放感が全編を通して伝わってくる。その、園監督の手の平で転がされている俳優陣、とりわけ長谷川博己と堤真一が生き生きとアホになりきっているのが楽しい。
     過剰な暴力と大音量の音楽は相変わらずだが、それをも甘受出来るのは、園監督をはじめとするスタッフ・キャストのほとばしる映画愛を感じるから。長谷川ら映画青年らが夢を語るのは、昨年1月に閉館した木更津セントラルシネマ。フィルムのみならず消えゆく劇場にもオマージュを捧げようとする心意気に嬉し泣き。

  • 森 直人
    園子温はタランティーノより年上・先輩だから!
    ★★★★
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    園子温監督の自主映画時代を知る者、あるいは自伝『非道に生きる』(朝日出版社)を読んだ人なら、これが彼の半生の映画化みたいなもんだってわかるだろう。深作欣二サンプリングや、ブルース・リー流のトラックスーツのせいで『キル・ビル』と比較する評が多く出たが、そもそもタランティーノ(1963年生まれ)より、80年代デビューの園子温(61年生まれ)の方が先輩だし年上だからね!

    それに一見作風が似ているぶん、余計に園とタランティーノの資質の違いがくっきり際立っている。後者があくまで個々の役者を映画のパーツとして機能させるのに対し、園は“映画なんか壊れてもかまわない”といった具合に、役者のリミッターを外して全力の芝居を引き出す。それは映画的というより、演劇的なテンションだ。

    内容は単純に楽しい。まさに「地獄」という名の「祝祭」。『みんな!エスパーだよ!』(テレビ東京)の第10話で、真野恵里菜が「俺」ならぬ「私」と書かれた旗を持って疾走するという『自転車吐息』(90年)のセルフパロディを目にした時も思ったが、今年はぐるっと時代が一周し、園子温がメジャーに躍り出た感慨深さを噛みしめる年なのかも。

動画

映画『地獄でなぜ悪い』特報
映画『地獄でなぜ悪い』予告編

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  • 「地獄でなぜ悪い」 園子温監督新作 from ジョニー・タピア Cinemas ~たぴあの映画レビューと子育て (2014年3月23日 0時30分)
    『ヒミズ』などの園子温が、十数年前から温めてきた企画を実写化した異色作[E:si ...[外部サイトの続きを読む]
  • 地獄でなぜ悪い from 晴れたらいいね~ (2014年3月13日 1時45分)
    ♪全力歯ぎしり レッツゴー突然始まる歯磨きのCM。この唄が、なんか頭に残る。まだ、「愛のむきだし」が観られてない私ですが、園子温監督作って、なんつうか湿り気を感じる部分が ... ...[外部サイトの続きを読む]
  • 「地獄でなぜ悪い」 from 元・副会長のCinema Days (2013年11月9日 7時19分)
    クライマックスの討ち入りシーンこそ段取りが悪くてあまり盛り上がらないが、園子温監督らしい狂騒的で強引なドラマ運びと、映画に対する強烈な思い入れが充満し、結果としてパワフルなブラック・コメディに仕上がった。  新興ヤクザの北川会のヒットマン達が、敵対... ...[外部サイトの続きを読む]
  • 地獄でなぜ悪い ★★☆☆☆ from センタのダイアリー (2013年10月20日 20時25分)
    園子温監督の最新作。 しかも、カナダのトロント国際映画祭で受賞した観客賞を引っ提げての公開だ。 なんだけれど、残念ながら自分はこの映画にはノれませんでした。 見る前の期待も大きかっただけでにひじょーに残念!!! 映画製作に対する、どこかありがちな夢に取りつかれたヤツら・・・たぶんこの映画に関わった人間が多かれ少なからこういう資質をもっているんだろうと感じる。 で... ...[外部サイトの続きを読む]
  • 【地獄でなぜ悪い】全力歯ぎしりレッツ・ゴー! from 映画@見取り八段 (2013年10月9日 5時5分)
    地獄でなぜ悪い     監督: 園子温    出演: 國村隼、二階堂ふみ、友近、長谷川博己、堤真一、星野源、坂口拓、原菜乃華、中山龍也、神楽坂恵 公開: 2013年9月28日 2013年10月1日。劇場観賞。 全力歯ぎしりレッツ・ゴ~♪ギリギリ歯ぎしりレッツ・フライ~♪… ...[外部サイトの続きを読む]
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