シネマトゥデイ

シネマトゥデイ
ダラス・バイヤーズクラブ
(C) 2013 Dallas Buyers Club, LLC. All Rights Reserved.
英題:
DALLAS BUYERS CLUB
製作年:
2013年
製作国:
アメリカ
日本公開:
2014年2月22日
(新宿シネマカリテ ほか)
上映時間:
配給:
ファインフィルムズ
カラー

チェック:1980年代当時無認可だったHIV代替治療薬を密輸販売し、アメリカのHIV患者が特効薬を手にできるよう奔走した実在のカウボーイの半生を映画化した人間ドラマ。HIV陽性と診断されたカウボーイを『マジック・マイク』などのマシュー・マコノヒーが演じ、21キロも減量しエイズ患者という難役に挑んだ。『チャプター27』などのジャレッド・レトー、『JUNO/ジュノ』などのジェニファー・ガーナーが共演。監督を『ヴィクトリア女王 世紀の愛』のジャン=マルク・ヴァレが務める。

ストーリー:1985年、電気工でロデオカウボーイのロン・ウッドルーフ(マシュー・マコノヒー)は、HIV陽性と診断され余命が30日だと言い渡される。アメリカには認可治療薬が少ないことを知った彼は代替薬を探すためメキシコへ向かい、本国への密輸を試みる。偶然出会った性同一性障害でエイズを患うレイヨン(ジャレッド・レトー)と一緒に、国内未承認の薬を販売する「ダラス・バイヤーズクラブ」を設立するが……。

ダラス・バイヤーズクラブ
(C) 2013 Dallas Buyers Club, LLC. All Rights Reserved.

映画短評

  • なかざわひでゆき
    体制が国民より利権を重んじるのは世の東西を問わず?
    ★★★★
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     酒と博打と女に目のない粗暴な男が、エイズに冒されたことで思いがけず体制に反旗を翻す。より安全で確実な治療を求めて、製薬会社とズブズブな政府が禁じた未承認薬の入手に奔走したのだ。
     死んでたまるか!という生存本能に駆られた結果、それがいつしか社会運動へ繋がっていく過程は、まさに必要は発明の母。設定こそエイズが猛威を振るった’80年代のアメリカだが、原発利権が国民の生命と健康を脅かす現代日本に住む者として他人事とは思えない点も多いだろう。
     差別される側になって初めて社会的弱者に理解を示すようになる心境の変化を含め、主人公の行動を決して美化したり英雄視することなく描いている点も素晴らしい。

  • 中山 治美
    役者バカ、極めたり
    ★★★★
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     最近のマシュー・マコノヒーの暴走ぶりに弱冠の暑苦しさを感じていたが、ここまでくると脱帽だ。同じくHIV感染者を演じたジャレット・レトを含め、ドMという役者の性をまざまざと見せつける。
     彼らをここまで本気にさせたのも、社会のはみ出し者が、政府や製薬会社といった組織に歯向かって無承認薬の特効性を証明した痛快さにある。製薬会社と医者の癒着ぶりはS・ソダーバーグ監督が『サイド・エフェクト』でつまびらかにしたばかりだが、その問題は`80年代から一向に改善していないことも露見させる。
     そして、思いっきり権力者にケンカを売っている作品が、米アカデミー賞にノミネートされている皮肉さ。腐ってもハリウッド。

  • 清水 節
    体重の増減によるダイナミズムがVFX万能の世に実に映画的
    ★★★★
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     難病映画の概念を覆す実話だ。酒と薬と女に生きる典型的なレイシストがエイズに罹っても、悲壮な展開に陥らない。生き延びる力が漲っている。抗エイズ薬の密輸組織を興し、治療薬を認可しない80年代米国の権力を向こうに回して闘う反骨精神の行方がスリリング。マシュー・マコノヒーとジャレッド・レトが体重の増減で表す肉体的ダイナミズムは、VFX万能の世にあってデ・ニーロ全盛の時代以上の意味を持ち、実に映画的だ。
     
     今年のオスカー主要候補作は、身体性を強烈に意識させる。宇宙を漂う女性飛行士、奴隷生活に耐える黒人男性…。身体に訪れる危機を体を張って表現した本作の男優2人こそが、最もオスカー級の演技である。

  • 相馬 学
    伝記ドラマはかくあるべし
    ★★★★★
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     俺流で生きてきた山師風情の男が余命30日を宣告されたら、どうするだろうか? その答から決して軸がブレない物語がイイ。治療薬を求める必死の姿勢や、薬の売買で金を稼ぐ生活力。伝記ドラマが備えるべき人間のバイタリティが宿る。

     クリーンではない主人公が成長する、ターニングポイントのエピソードの配置がまた絶妙。ゲイ嫌い、拝金主義といった負の部分が自然に剥げ落ちる。それに説得力をあたえたマシュー・マコノヒーの演技は、体重の減量以上に評価されるべきだ。

     決して愛すべき人物ではないが、こういう正直なキャラクターは信用できる。感動を押し売りしなくても、“泣き”は後からついてくる。

  • 森 直人
    我々の大好きな反骨の“アメリカン・ヒーロー”像
    ★★★★★
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    荒馬と女を愛するカウボーイが「生きる」ために体制を敵に回す――。絶好調のマシュー・マコノヒーを観て思い出すのは『カッコーの巣の上で』のJ・ニコルソンや『ラリー・フリント』のW・ハレルソンだ。期せずして「制度への闘い」を仕掛けてしまう、根っから自由を宿命づけられたアウトローの魅力。

    そして同性愛者の青年に扮するジャレッド・レト。ボーイ・ジョージの時代=80年代でも、亡きマーク・ボランを崇める彼のために流れるT・レックス「ライフ・イズ・ストレンジ」が切ない。

    役者を際立たせる裏方に徹した監督はアカデミー賞で無視されたが、『カッコー』&『ラリー』のミロス・フォアマンに匹敵する仕事を成したと思う。

動画

映画『ダラス・バイヤーズクラブ』予告編

写真ギャラリー

Focus Features / Photofest / ゲッティ イメージズ

ポスター/チラシ

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  • ダラス・バイヤーズクラブ from 映画のメモ帳+α (2016年1月8日 0時13分)
    ダラス・バイヤーズクラブ(2013 アメリカ) 原題   DALLAS BUYERS CLUB 監督   ジャン=マルク・ヴァレ 脚本   クレイグ・ボーテン メリッサ・ウォーラック 撮影   イヴ・ベランジェ 出演   マシュー・マコノヒー ジャレッド・レトー ジェニファー・ガーナー       デニス・オヘア スティーヴ・ザーン グリフィン・ダン       マイケル・オニール ダラス・ロバーツ ケヴィン・ランキン       ドナ・デュプランティエ デニーン・タイラー J・D・エヴ ...[外部サイトの続きを読む]
  • ダラス・バイヤーズクラブ (2013) ▲ from どんくらの映画わくわくどきどき (2014年10月31日 2時46分)
    「MUDマッド(2012)」などでおなじみのマシュー・マコノヒーがげっそりと痩せこけて登場する。途中調子がいい頃はいいが最後の方は皮をかぶった骸骨みたいになっている。本作でマシュー・マコノヒーはオスカー主演男優賞、ジャレッド・レトーが助演男優賞を受賞した。  ロン・ウッドルーフの実話を元にした映画。余命30日と宣告されたロンは7年間生きた。  FDAは自分たちが承認した薬以外は使わせない... ...[外部サイトの続きを読む]
  • 『ダラス・バイヤーズクラブ』を見た【映画】マシュー・マコノヒーとジャレッド・レトがアカデミー賞を受賞した感動の実話 from カフェビショップ (2014年9月16日 7時12分)
    いやー、これは役作りの凄さの勝利かなあ。 映画の最初のほうでマシュー・マコノヒーが出てきた時点で もうかなりやばいんすよ。 ガリガリで咳をゴホゴホしてて これはやばいことになってる人だと一目でわかる。 痩せすぎてて、 マシュー・マコノヒーだと言われない… ...[外部サイトの続きを読む]
  • Blu-ray:ダラス・バイヤーズクラブ Dallas Buyers Club 命を賭けた闘いの男儀ぶりに降参! from 日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~ (2014年9月8日 22時6分)
    評判は聞いていたが、エイズ物ということで つい尻込みしてしまい、Blu-rayで。 エイズになってしまった主人公は、余命30日との宣告を受ける。 フツーだったら、そのまま落ち込んで、棺桶までまっしぐらに? ところが主人公はロデオ乗り。 男の中の男、が売りで... ...[外部サイトの続きを読む]
  • 「ダラス・バイヤーズクラブ」 from ここなつ映画レビュー (2014年5月26日 14時52分)
    マシュー・マコノヒーが圧倒的な存在感で第86回アカデミー賞主演男優賞を獲得したこの作品であるが、賞獲得が決定する前に見た劇場予告編で既に鑑賞意欲は高まっていた。だから、ダメ~な感じを最後まで貫いてのマシュー・マコノヒーかと思っていたら、そんな事は全然なくて、むしろ社会問題を提起するような作品。こちらの勝手だけれど、ダメ~う~んダメダメ~(チャラいという意味ではないよ)、というのを期待していたのでその点は肩透かし。でも、アメリカのクスリ社会、医療、同性愛の問題点を、鋭くえぐった作品として観れば、たいした佳作で ...[外部サイトの続きを読む]
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