シネマトゥデイ

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リアリティのダンス
(C) “LE SOLEIL FILMS” CHILE・“CAMERA ONE” FRANCE 2013
英題:
THE DANCE OF REALITY
製作年:
2013年
製作国:
チリ・フランス
日本公開:
2014年7月12日
(新宿シネマカリテ ほか)
上映時間:
配給:
アップリンク / パルコ

チェック:『ホーリー・マウンテン』などの鬼才、アレハンドロ・ホドロフスキーがおよそ23年ぶりにメガホンを取り、チリで育った自身の少年時代をモチーフにした幻想的なドラマ。1920年代、軍事政権下にあったチリの少年が、父親からの抑圧や学校でのいじめに遭いながらも家族と共に生きる日々を映し出す。『エル・トポ』に出演していた監督の息子、ブロンティス・ホドロフスキーが家族の長である父親役で主演。サーカスなど不思議な登場人物など、現実と空想の交錯する物語と調和するホドロフスキー監督らしい世界観が印象深い。

ストーリー:1920年代、軍事政権がはびこるチリの小さな村トコピージャ。アレハンドロ(イェレミアス・ハースコヴィッツ)は高圧的な父ハイメ(ブロンティス・ホドロフスキー)と、息子を自分の父親の生まれ変わりだと信じる母サラ(パメラ・フローレス)と一緒に生活していた。一方学校では、ロシア系ユダヤ人であることからいじめられていた。

リアリティのダンス
(C) “LE SOLEIL FILMS” CHILE・“CAMERA ONE” FRANCE 2013

映画短評

  • なかざわひでゆき
    稀代の異端児が己の魂のルーツを辿る
    ★★★★
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     過去のホドロフスキー作品に比べると、口当たりが優しくなった、丸くなった、分かりやすくなった。そんな印象を受ける映画だ。
     しかし、そこは腐ってもホドロフスキー。自らの少年時代を脳内イメージ的なリアリズムで再構築していくわけだが、母親のセリフが全部オペラ調だったり、宗教的なシンボリズムが散りばめられていたり。グロテスクなエロティシズムやフリークスへの偏愛など、フェリーニ的なイメージの洪水にもニンマリさせられる。
     老境に達した稀代の異端児が己の魂のルーツを辿る物語。なので、全ての映画ファンにオススメとは言えないものの、自らの異形性を少なからず自覚している者ならば琴線に触れる点も多いはずだ。

  • ミルクマン斉藤
    ホドロフスキー初心者はコレを最初に観るべし。
    ★★★★★
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    もはや幻同然な70数年前の家族の記憶を、現地に帰って自分の息子らと再現し、映画という幻のメディアで物語る。ファンタジーとリアリティが一体となって輪舞する、まさにタイトルどおりの作品。強権的で無神論者の父親が遍歴を繰り広げたり(本作自体が彼の魂の“治療”でもある)、母親の台詞が全部アリア調だったり(実際オペラ歌手を夢見ていたらしい)…同名の自伝が基だが、使われたのは500頁中、最初の50頁だけ。ぜひ観てから読むべし、監督にとってのリアリティとは如何なるものか、よ~く判って大笑い! その語り口は以前より柔らかで判りやすく楽しいが、過去作すべてにも繋がるイメージの奔流とその速度はやはり他に類がない。

  • 相馬 学
    20年以上を経ても揺るぎないホドロフスキー・ワールド
    ★★★★★
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     バイオレンスと鮮血、エロスとセックス、フリークスと狂気。23年のブランクを経てもホドロフスキーはホドロフスキー。ファンとしてはそんなエッセンスの健在が、まず嬉しい。

     自身の少年時代に正面から向かい合う作家的な姿勢も頼もしく映る。社会の変貌や両親の変容といった大人のグロテスクな世界に直面する際の恐怖や勇気。寓話のような物語は純度の高いキッズ・ムービーにして衝撃のホラーという奇跡のバランスを保つ。コレは凄い。

     “辛い年月の重さに耐えても、心の中にはまだ少年がいる”と語るホドロフスキー。84歳になってもそう言える精神と、それを反映した壮絶なイメージの連続に圧倒される。

  • 平沢 薫
    ホドロフスキーによるホドロフスキー
    ★★★★★
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    「ホドロフスキーのDUNE」を見たなら、この映画を見ないわけにはいかないだろう。あちらは、ひとりの監督が描くホドロフスキーだが、こちらはホドロフスキー自身が描くホドロフスキー。本人自身が本人役で登場するのは2作とも同じだが、そのキャラクターの何と異なることか。本作は彼自身の解釈による彼の少年時代なのだが、その中に現在の彼が何度も登場し、少年時代の彼の背後に立って、彼には聞こえない言葉を語りかける。

    彼の父親を演じるのが「エル・トポ」に出演した長男で、彼が出会う行者が「サンタ・サングレ」に出演した次男。五男がアナキスト役を演じて音楽も担当。これは家族たちによる家族の物語でもある。

  • 森 直人
    これぞサイコマジック! ホドロフスキー版『アマルコルド』
    ★★★★★
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    『サンタ・サングレ』のエッジ&メロウな家族劇から明るく突き抜け、ホドロフスキー監督作の中で最もマイルド。激動の政治を背景にした自伝的内容は明らかにフェリーニの『アマルコルド』を踏まえたものだが(サーカス的なフリーク趣味など資質の共通点も)、破格のマジック・リアリズムによる詩的昇華はまさに独特の芸風。

    「将来の君は既に君自身だ。探しものは自分の中にある」と現在のホドロフスキーが少年時代の自分を抱きしめるシーンの甘美な抒情がたまらない。一方、ずっとオペラ調に歌ってるお母さんの大らかかつ狂った下ネタなど爆笑。アヴァンギャルドとギャグが密着している点でシュヴァンクマイエルや鈴木清順のファンにも推薦!

動画

映画『リアリティのダンス』予告編

ポスター/チラシ

  • 映画『リアリティのダンス』ポスター
    ポスター
  • 映画『リアリティのダンス』チラシ
    チラシ
  • 映画『リアリティのダンス』チラシ
    チラシ

前売券特典

  • 映画『リアリティのダンス』オリジナルポストカード(デザイン:河村康輔)
    オリジナルポストカード(デザイン:河村康輔)
  • 映画『リアリティのダンス』(『ホドロフスキーのDUNE』のチケットも一緒に購入された方対象)ホドロフスキー自画像トートバッグ
    (『ホドロフスキーのDUNE』のチケットも一緒に購入された方対象)ホドロフスキー自画像トートバッグ

※数量や販売期間が限定されていたり、劇場によっては取扱が無い場合があります。


スタッフ

監督・脚本・原作・プロデューサー:
ラインプロデューサー: グザヴィエ・ゲレロ・ヤマモト
音楽スーパーバイザー: ジョン・ハンデルスマン

キャスト

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