シネマトゥデイ

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ザ・トライブ
(C) GARMATA FILM PRODUCTION LLC, 2014 (C) UKRAINIAN STATE FILM AGENCY, 2014
英題:
THE TRIBE
製作年:
2014年
製作国:
ウクライナ
日本公開:
2015年4月18日
(ユーロスペースほか)
上映時間:
提供・配給:
ミモザフィルムズ / 彩プロ
後援:
ウクライナ大使館
カラー/HD/1:2.39/5.1ch

チェック:第67回カンヌ国際映画祭で批評家週間グランプリなどを受賞したほか、世界各国の映画祭で話題となった全編手話によるウクライナ発の衝撃作。全員ろうあ者の登場人物たちが、愛と憎しみが渦巻く寄宿学校での驚がくの物語を全身を使って語り尽くす。ウクライナの新人監督ミロスラヴ・スラボシュピツキーが脚本も手掛け、新星のグリゴリー・フェセンコとヤナ・ノヴィコヴァが主人公を熱演。かつてないインパクトを与える構成に魅了される。

ストーリー:セルゲイは、族(トライブ)による悪の組織が支配する序列の厳しいろうあ者のみが通う寄宿学校に入学。そこは犯罪や売春の温床となっていた。セルゲイは、何度か犯罪に手を貸すうちに組織内での地位を確立していく。次第に彼は族のリーダーの愛人の一人で、売春をしているアナに夢中になり始め……。

ザ・トライブ
(C) GARMATA FILM PRODUCTION LLC, 2014 (C) UKRAINIAN STATE FILM AGENCY, 2014

映画短評

  • 中山 治美
    障害者の聖人幻想を打ち砕く
    ★★★★
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     聴覚障害者を主人公にした映画は、決して珍しいことではない。北野武監督『あの夏、いちばん静かな海。』や、イラン映画『嘆き』もある。いずれも秀作だが前者はセリフの排除、後者は、少年が親族の手話で両親の事故死の真相を知るという、演出家の意図が前面に出ていた。
     しかし字幕ナシの本作は、観客を彼らの世界へと放り込む。そこは私たちが抱きがちな障害者=聖人を打ち砕く変わらぬ若者たちの姿であり、ウクライナの殺伐とした社会だ。
     本作を見ながら、脳性麻痺である主人公が殺人を犯す柴田剛監督『おそいひと』(2007)を思い出した。同作もまた障害者の置かれた現実を広く提示した野心作であったことを付け加えたい。

  • くれい響
    エロティックなヴィジュアルにダマされるな!
    ★★★★
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    TOKYOやEXIEに比べれば、派手さはないが“族”としての衝撃度は想像以上。セリフもなく、劇判も流れないため、重いパンチの音、トラックのエンジン音、そしてロッカーが破損する音…生活音が鮮明に耳に飛び込んでくる。さらに、身体言語としての手話が力強く、まるで「ローザス」など舞踊を見るような美しさと緊張感に包みこまれる。確かに深刻なウクライナ情勢も描かれているが、小難しいアート系作品としてみるのはあまりにもったいない。ヒエラルキーが形成された“族”を舞台に、一人の少年が暴力を通して生と性に目覚め、サバイブする日常を描いた“音のない『クローズ』”。エロティック寄りなヴィジュアルにダマされるな!

  • 相馬 学
    ざわつきを禁じ得ない“族”という名のリアル
    ★★★★★
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     声がなくても訴えることができる。音楽がなくても伝えることができる。映像の可能性を追求した長廻多用の静謐な映像を、まず評価したい。

     物理的には静謐だが描かれるのは悪意に支配されたコミュニティ。暴力と犯罪、怒りと憎悪に彩られたドラマは悲劇ではあるが、一方で主人公の暴走に衝撃的なカタルシスを覚えるのも事実だ。ざわつきを禁じ得ない世界がそこにある。

     悪漢である主人公の心理にフォーカスした物語はそれでも共感を引き付、なおかつ時限爆弾のようにピリピリした緊張を膨らませたまま、目を離す隙をあたえない。これは聾唖の特殊なコミュニティの話ではない。人間の、ひいては社会の物語だ。

  • 森 直人
    ガチな東欧の闇と、クールな映画的試み
    ★★★★
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    現実の活写と映画の実験が高度に両立した秀作。ブレッソン、ダルデンヌ兄弟といった先例が容易に浮かぶ作風ではあるが、形式に回収されないリアルな痛みに本作の卓越がある。

    ウクライナのキエフ郊外――といえばチェルノブイリ原発跡も近いエリアだが、同地での聾唖者の寄宿学校が舞台。同様のモチーフでサイレント映画に接近したものには『名もなく貧しく美しく』や『あの夏、いちばん静かな海。』等があるが、こちらは犯罪が横行する“ヤンキー学園もの”のハードコアVer.だ。

    寒々とした風景の中、暴力と性の闇に絡め取られていく男子生徒。美的に統制された演出ながら、アンダークラスの壮絶な青春模様がひりひりと伝わってくる。

動画

映画『ザ・トライブ』特報

ポスター/チラシ

  • 映画『ザ・トライブ』ポスター
    ポスター
  • 映画『ザ・トライブ』チラシ
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  • 映画『ザ・トライブ』チラシ
    チラシ

前売券特典

  • 映画『ザ・トライブ』オリジナルポストカード
    オリジナルポストカード

※数量や販売期間が限定されていたり、劇場によっては取扱が無い場合があります。


スタッフ

撮影・編集・プロデューサー: ヴァレンチヌ・ヴァシャノヴィチ
プロダクションデザイン: ヴォラド・オドゥデンコ
サウンドデザイン: セルギー・ステパンスキー
コスチュームデザイン: アリョナ・グレス
クリエイティブプロデューサー: エレナ・スラボシュピツキー
プロデューサー: イヤ・ミスリツカ

キャスト

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    (英題:The Tribe )アイデア倒れの映画であり、観ていて馬鹿らしくなる。褒めている評論家もいるようだが、小手先のギミックに目がくらんで作品自体の論評を放棄したような粗忽者と言うべきだろう。聞けば第67回カンヌ国際映画祭の批評家週間で賞を獲得したらしい... ...[外部サイトの続きを読む]
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    障碍者はすべてよきひと なのが日本のこないだまでの前提 だとしたら、ウクライナは現実的なのですかね。 手話で字幕無し。音楽も流れず。 予測しながら観ると映画は集中するもので。 ネタバレになりますが、堕胎を初めて見ました。 「主婦マリーがしたこと」でも隠していたのに。 ■ シアターキノにて(札幌公開2日目) ...[外部サイトの続きを読む]
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  • ザ・トライブ from 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評 (2015年5月4日 0時50分)
    聴覚障害者の主人公が悪の道と恋を知る異色の青春ドラマ「ザ・トライブ」。これは新感覚のサイレント・アクション・ムービーだ。ウクライナのキエフ郊外。セルゲイは聾唖者専門の ... ...[外部サイトの続きを読む]
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