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大躍進、19歳の杉咲花は謙虚さと向上心の塊

20歳、大人の女性へ。
20歳、大人の女性へ。 - 写真:尾藤能暢

 元スタジオジブリの米林宏昌監督最新作『メアリと魔女の花』で主人公メアリの声を担当する女優・杉咲花の勢いが止まらない。映画『湯を沸かすほどの熱い愛』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を獲得すると、『無限の住人』ではヒロインを務め、カンヌ国際映画祭で海外映画祭デビュー。さらに本作では主演を務めるなど“大活躍”と言っていいほどの近況だが、本人は至って謙虚かつ冷静に自身を見つめる。そんな今年20歳になる杉咲の原動力を探る。

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 「味の素Cook Do」のCMで回鍋肉を頬張る少女や、テレビドラマ「夜行観覧車」で見せた陰のある娘役など、以前から強い個性を発揮していた杉咲だが、2014年に公開されたアニメーション映画『思い出のマーニー』で大きな眼鏡をかけた謎の女の子・彩香の声を担当すると「表現力が素晴らしい」と関係者を中心に話題になった。そこからは映画を中心に良質な作品にコンスタントに出演し、キャリアを積んできた。

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 杉咲は「規模の大小や、主演かそうじゃないかはあまり問題ではないんです」とあくまで作品の質にこだわる。その言葉通り『トイレのピエタ』や『湯を沸かすほどの熱い愛』など小規模公開ながらも、高い評価を受けた作品で素晴らしい演技を披露している一方、300スクリーン以上で公開された『無限の住人』や、『メアリと魔女の花』でもヒロインの声を担当するなど、幅広い作品に出演している。

 しかし、本人には浮足立つ気配はない。「とにかく出会いに恵まれた3年間でした」と『思い出のマーニー』以降の自身の活動を振り返り、「いろいろな監督さんが役づくりをする上での環境を作ってくださり、相手の俳優さんにお芝居を引き出していただいたからこそ、何とか演じられています」と控え目につぶやく。

 知名度も上がり、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞をはじめ、さまざまな映画賞を受賞するなど、若手実力派女優として高い評価を受けているが、常に課題を持ちストイックに役柄に向き合うことを怠らない。「まだまだ自分自身から出てくるものが少ないので、もっといろいろな経験、例えば舞台などにもチャレンジしたい」と貪欲だ。

 この向上心こそが彼女の原動力となっている。『メアリと魔女の花』では、台本を読んだときにキャラクター造形に一瞬迷いが生じたというが「イラストを見た瞬間、不安が解消してしまうぐらい絵の力があり、メアリという女の子のイメージが膨らみました」とインスピレーションを大切に臨んだ。リハーサルなど、しっかりとした準備によって不安を解消していくタイプという杉咲にとっては新しいアプローチ方法だが、自信を持って対峙したという。謙虚さと新しいものに臆せず挑む向上心を持ち、映画と撮影現場を愛する彼女の今後が楽しみでならない。(取材・文:磯部正和)

映画『メアリと魔女の花』は全国公開中

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