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下野紘、声優20周年を前に「鬼滅の刃」善逸役に特別な思い

我妻善逸役の声優・下野紘
我妻善逸役の声優・下野紘

 幅広い世代から注目されるアニメ「鬼滅の刃」でメインキャラクターの1人、我妻善逸を演じているのは、来年に声優活動20周年を迎える下野紘。ヘタレでビビリのギャグ担当でありながら、決めるときは最高にかっこいい表情豊かな善逸は「この仕事を20年続けてきたからこそ演じられた役。声優としてここまで成長できたんだなと実感できたキャラクター」と特別な思いを明かす。『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の公開を前に、下野が“千葉繁さんをイメージした”という役づくりの秘密や、善逸に感じている魅力を語った。

劇場版「鬼滅の刃」キャラ一覧【画像】

善逸の人気に「親戚のおじさん気分」

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』より - (C) 吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 原作は、家族を鬼に殺された少年・炭治郎が、鬼に変貌した妹を人間に戻すために鬼殺隊に入り、“鬼狩り”の道を進む姿を描く吾峠呼世晴の大人気漫画。『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、2019年4月よりスタートしたテレビアニメから続く物語となり、蝶屋敷での修業を終えた炭治郎たちが、次なる任務地<無限列車>で繰り広げる死闘をつづる。「アフレコではそのキャラクターの魅力をどうしたら引き出せるのかと、誰もが全力で作品にぶつかりました。個人的にも早く観たいです」と下野も公開が楽しみで仕方ない様子。

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 子供から大人まで幅広い世代の心をつかみ、ヒットを遂げた本シリーズ。善逸は炭治郎と同期の鬼殺隊士で、彼らが絆を育んでいく姿も見どころとなっている。下野自身、「鬼滅の刃すごい人気ですね」「善逸も大人気ですね」など声をかけられることも多くなったというが、「ファンのみなさんがここまで大きくしてくださった。僕としては俯瞰で見ているというか、『すばらしい作品の一部になれたんだな』という感覚です。『ありがとうございます』と思うのと同時に、なんだかちょっと気恥ずかしいんです」と照れ笑い。「『善逸すごいね』と親戚の子がほめられているよう。おじさん気分です」と目尻を下げる。

役づくりのイメージは千葉繁さん!

 善逸は高音で叫びまくるなど、フルパワーが必要となる役どころだが、下野は「やりたくてたまらなかった役」と語る。

 「まずパッと見ただけでも、ものすごく魅力的だと思いました。そして善逸は、物語が進む中でいろいろな表情を見せてくれる。やっぱり役者としては、喜怒哀楽のすべてを表現できる役というのは、やってみたいと思うもの。善逸は『それはもう化け物だよ』という顔もしますので。本当に表情豊かですよね」とニッコリ。いざ演じると、「プレッシャー以上に喜びが大きかった。原作を読みながら『ここでもすごい顔をしている、どういう芝居をしよう』と考えたり、善逸はとにかくずっと叫びまくっているので、『いかにして叫び続けられるか』を考えたり。もっともっと深めて、“善逸常中”をできるように頑張らなければと、ものすごく前のめりになっていました」と並々ならぬ意気込みで立ち向かった。

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 善逸の特徴となるのが、彼の必死さを表す高音の叫び。役づくりの秘訣を聞いてみると、「オーディションで『どのような感じのキャラクターにすべきなんだろう』と考えて、イメージとして思い浮かんだのがある作品で千葉繁さんがやられていた次週予告なんです。声が裏返ろうがなんだろうが、全力でやる。善逸っぽいなと思いました」と告白。「その後、善逸の師範であるじいちゃん役を千葉さんが演じられるということを知って、まさか! と驚きました。あまりにもうれしすぎて、千葉さんにもそのお話をさせていただいたんです」とうれしい偶然も起きた。

善逸との出会いは「ものすごく大きなこと」

 演じていく中で、善逸の大きな魅力と感じているのが「人を守りたいという思いがブレないところ」だという。「炭治郎が背負っている箱を守ろうとしたシーンでもわかりますが、とにかくいろいろな人を守りたいと思っているのが善逸。うずくまったり、立ち止まったり、気絶もしますが(笑)、善逸は逃げることはしない。逃げ回ったとしても、逃げ切ることはしないんです。臆病でビビリでヘタレで、どうしようもない部分もあるけれど、“大切なものを守りたい”という信念を貫き通すんです」

 そんな善逸の姿に共鳴するところもあるそうで、「僕も声優として『ここはどうしたらいいんだろう』『どうしたらうまくできるんだろう』と悩むこともたくさんあります。もし演じるキャラクターが嫌なヤツだったとしても、僕だけは愛してやらなければと思うし、そのキャラクターから逃げては絶対にダメだと思っています。そういう信念を貫き通すところは、善逸の魂と一致するのかなと思っています」と心を寄せる。

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 これまでも、数々の作品で存在感を発揮してきた下野。今年の4月で40歳となり、来年は声優活動20周年という節目を迎える。そういったタイミングで善逸と出会えたことは、「僕にとって、ものすごく大きなこと」としみじみ。

 「今まで経験してきたことを、フルに活用して演じています。声優としてここまで成長できたんだなと実感できたキャラクターで、ここまで続けてきたからこそ出会えた役であり、作品なんだなと思っています。この作品では、普段はなかなか出会えないようなベテランの方とお話しさせていただく機会もあります。じいちゃんと善逸のやり取りがある回では、善逸があまりにもずっと叫んでいるので、千葉さんが『大変だね』と肩を揉んでくださったんです(笑)。頑張って、ここまでたどり着いたからこそ、こんな素敵な瞬間があるんだろうなと実感しました」と喜びをあふれさせる。

 どんな言葉からも善逸、そして声優業への大きな愛が伝わる。ポジティブなオーラと共に前へと進む原動力は、一体なんだろうか? すると「やっぱりこの仕事が好きなんですよ」とほほ笑んだ下野。「つらいと思うこともありますし、いろいろと悩む中では何度かこの仕事をやめようと思ったこともありました」と道のりを振り返り、「でもなんだかんだ言って、演じているのがとても楽しくて。たくさんの出会いをもたらしてくれる仕事ですし、『自分ってこんなこともできたんだ』と気づかせてくれる瞬間もある。好きだからこそ、『もっといろいろなことができるようになりたい』と前を向けるんだと思っています」と語っていた。(取材・文:成田おり枝)

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は10月16日公開

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