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ジュード・ロウ インタビュー

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ジュード・ロウ 
 
 
 

  おかげで今じゃ、自分で仕事が選べるようになったんだ
- あなたはご自身を、映画スターそれとも俳優のどちらだとお考えですか?

ジュード・ロウ(以下L) もちろん俳優だよ。

- 『リプリー』で脚光を浴び一躍有名になったことは、確かにちゃんとキャリ アを積んできた俳優であるあなたの感覚に、合わなかったのでは?

そんなことはなかったよ。『リプリー』は、この業界の人も含め、多くの観 客が観る映画になるだろうなって、わかってたからね。おかげで今じゃ、自分で 仕事が選べるようになったんだ。突然、国家のヒーローに仕立て上げられたヴァ シリと、似てるって言われるけど、それは大衆が僕だと思いこんで作った姿であ って、本当の僕じゃない。そういうところは時々うんざりするけど、最近は、そ れも俳優であることの一部だって思うようになったよ。

- 『スターリングラード』は、2人の男の対決ということで、ジャン=ジャッ ク・アノー監督から用意されたものの他に、何か研究してわかったことはありま すか?

その成果が、たくさん映画の中に出てると思うよ。ケーニッヒに対するヴァ シリの恐れがどんなものだったのか、僕にはわからない。自分を殺すために、は るばるドイツから誰かがやってきたことを知る。それがどんなに恐ろしいこと か、見せるのに毎回苦労したよ。ドイツ軍がソ連に暗殺者を送り続けて、彼の身 には同じ事が何度もふりかかったからね。彼等はヴァシリの首に賞金を懸けてた んじゃないかな。もちろんドイツ人はみんな、これを否定するけどね。でもきっ とそうだったんだ。

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  あの戦闘シーンは、とても恐かった
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軍人になるために、どれくらいのことをしましたか?

僕は未だに軍人じゃないよ。2、3ヵ月、トレーニングしたんだ。射撃の全 行程もね。それはもう、自分が軍人じゃないかと思えるくらい、とても厳しいも のだった。何しろ僕はそれまで、銃なんて撃ったことがなかったからね。ゼロか ら始めなきゃならなかったんだ。インストラクターは僕に、銃を家に持って帰っ て一緒に食事をしろって言うんだ。さすがに一緒には寝られないけど、でもそう やってあちこち持ち歩いていたら、そのうち3本めの腕みたいになるよって。ジ ャン=ジャック・アノー監督は、僕にああしろこうしろとは決して言わないん だ。そのかわり「OK、どうやってスナイパーはここに近づくんだ? どこに隠れ るんだ? いったい何を使うんだ?」って言うんだよ。つまり僕に一つ一つこだ わらせ、ドラマの部分としての信憑性を駆使させる。実はそれが、僕が本当に楽 しんだ、もう一つの映画の要素なんだ。狙撃の芸術性とか瞑想のようなものを知 ってる人は少ないからね。息を殺してじっと潜み、たった一瞬のチャンスで確実 に相手を仕留めなければならない。そこには想像を絶するようなプレッシャーと 緊迫感があるんだ。とりわけヴァシリは、そうすることを自分が選択したわけじ ゃなかったからね。自分が殺した人々の顔の記憶と共に、生きていかなくちゃな らないんだ。
- 河を渡るオープニングシーンには驚かされましたが、撮影中は本物の戦争の ような感覚を覚えませんでしたか?
あの戦闘シーンは、とても恐かったし、心底疲れ切ってしまったよ。生涯忘 れないだろうね。散乱する死体と叫び声に囲まれて、気分は全然よくない。ああ いう類のものは好きじゃないな。ほんとに恐怖を感じたのは、何百人ものエキス トラたちと一緒に、泥々の河岸を駆け下りるシーンだね。彼等は僕のことなんて 知らないし、僕も一人の兵士に過ぎない。ロングショットだから、押し倒しても 何をしてもわからないんだ。誰もがみんな、ちょっとだけ(笑)自分の命の心配 をした瞬間があったんじゃないかな。彼等はほとんどがロシア人やドイツ人で、 英語を話さないんだ。だから、「help」がわからなかった。「help」が何を意味 してるのか知らないんだよ。「悪いけど、僕、俳優なんだ。そんなに押さないで くれ」なんて言ったって、わかるわけないよね(笑)。
  冗談は抜きにして、ほんと変な一日だった
- あなたはヴァシリという人をどうやって研究しましたか?
膨大な量の資料を読んだよ。僕にとって大切なことは、まず彼の人間性や単 純な本質を知ることだった。真のロシア人らしさっていうか、皮肉で異質な計り 知れない痛み、とりわけあの専制的な政権下で自信やプライドを無くした人々の 痛みのようなものをね。
- レイチェル・ワイズとのラヴシーンは、普通なら、たじろいでしまうような 状況で行われましたね。大変でしたか?
確かにね。僕たちのまわりで多くの兵士たちが眠っているんだから。でもそ ういう状況や雰囲気は、必要なことだったと思うんだ。あの時の事情の全てがそ こにあって、それが現実でもあったんだ。レイチェルとは友達だったから、とて もやりやすかったよ。
- じゃ、2人が愛し合ってる最中に、いきなり仲間の頭がすぐそばになんてこ とに気づいたりするわけですね。それって、どんな感じですか?
普通は笑うよね。ほんとに寝ちゃってたり、いびきかいてるヤツまでいたん だよ。あの時点で、もう既に一日中そこにいたわけだから、仕方ないよ。ものす ごく変な気分だったな。みんな、いびきはかくしブツブツ言うし、おまけにうめ き声だろ、おならだろ、もう何でもありだったよ。冗談は抜きにして、ほんと変 な一日だったし、セットは凍りつくほど寒くて、ちっとも快適じゃなかったね。
  銃がこんなに簡単に撃てるものだと知った時はゾッとしたね
- レイチェルは、トレーニングをやってみて、自分が生まれながらの射撃の名 手だということに気づいたと言ってましたが、あなたはどうでしたか?
僕も結構うまい方だとは思うよ。でも生まれながらのとは、言えないな。銃 がこんなに簡単に撃てるものだと知った時はゾッとしたね。何かを殺すために、 とても上手く造られていて、何だか恐ろしいよ。射撃の技術は呼吸法でもあるん だ。それをとにかく練習した。僕がトレーニングに終始することを、ジャン=ジ ャック・アノー監督は望まなかったんだ。だから、「全然やってません」って顔 をしなければならなかった。筋肉をつけるためにも、こっそりバスルームで血の 滲むような時間を過ごしたんだよ。だから(笑)、どう考えても、生まれながら なんかじゃないよね。何か一つのために、これだけのことをしなきゃならないな んて。
- ロデュースまでするのは、なぜですか?
映画を企画する過程がね、とてもエキサイティングなんだ。その一員になり たいというのと、俳優としても、組織に組み込まれた一員であることを本当に楽 しみたいんだ。 
- ロバート・アルトマン監督の作品に出演するというのは本当ですか?
まだ、はっきりしてないんだ。次の映画が、サム・メンデス監督の『ロー ド・トゥ・パーディション』。トム・ハンクスとポール・ニューマンの主演で、 シカゴで撮るんだ。
- あなたはどんな役ですか?
犯罪シーンの写真家なんだよ。それに暗殺者でもあるんだ。完璧な暗殺をす ることでいつも頭がいっぱいのね。
  (マリオン・ロス/翻訳 丹羽美加)
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