シネマトゥデイ

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サイモン・ウエルズ
『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』プロデューサー/リック・マッカラム来日インタビュー
ロボットのアイディアを出すたびに、スピルバーグが「それは『A.I.』で使ったよ」って言うんだよ。『A.I.』ではあらゆるロボットが登場するから、きっと飽きてたんじゃないかな(笑)。
SF小説の最高傑作といわれるH・G・ウェルズの「タイムマシン」。これまで100年以上に渡って、世界中のファンから愛されてきた不朽の名作が、ついに映画化された。主演は『メメント』のガイ・ピアース。共演は『仮面の男』のジェレミー・アイアンズ、『エボリューション』のオーランド・ジョーンズ。そして、監督はウェルズのひ孫に当たるサイモン・ウェルズ。『プリンス・オブ・エジプト』などのアニメーションを手がけ、本作で実写映画デビュー作を飾ったウェルズにインタビューを行なった。


(C)2002 Warner Bros. & Dreamworks, LLC

『タイムマシン』
1899年、若き科学者アレクサンダー(ガイ・ピアース)は最愛の女性を失い、とりつかれたように研究に没頭する。彼は最愛の女性を取り戻すために時空を移動する機械“タイムマシン”を開発しようとしていたのだ。
英題: THE TIME MACHINE
製作年: 2002年
製作国: アメリカ
日本公開: 7月20日
(丸の内ピカデリー1他全国松竹・東急系)
上映時間: 1時間36分
配給: ワーナー・ブラザース映画
カラー/シネマスコープサイズ/SRD、DTS、SDDS

Q アニメーションを主に手がけていますが、この世界に入るきっかけは?
W まず、学生時代はイギリスのアートスクールでグラフィック・デザインを学んでいた。最初は、イラストレーターになろうと考えていたんだ。ところが、先生と折り合いがあまり上手く行かなくてね(笑)。途中で、オーディオビジュアルのコースへ変更したんだ。そこでアニメーションを学び始めた。
そうこうしているうちに、イギリスで一番有名なアニメーターのリチャード・ウィリアムズのところでアルバイトをすることになった。CM等を手伝っていたが、ある時、スティーブン・スピルバーグとロバート・ゼメキスが、『ロジャー・ラビット』のためにウィリアムズをヘッドハンティングしたんだ。それで、僕もスピルバーグらと知り合いになり、そこからアニメーションの世界へ入っていった。


Q ご出身はイギリスですが、アメリカへ住むようになったのはその頃からですか?

W 『ロジャー~』の時はストーリーボードを担当したので、かなりロサンゼルスに足を運んだけど、まだその時はロンドンに住んでいた。その後、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の2&3に関わることになったので、ロスに行くことにしたんだ。そうしたら、今度はスピルバーグからロンドンでアニメーション・スタジオを作らないかと言われて、またロンドンに逆戻り。創設から6年ぐらいの間、そのスタジオで働いた。そして、94年にスピルバーグとカッツェンバーグ、ゲフィンがドリーム・ワークスを作ったんだけど、その時に120人ぐらいアニメーターを引き入れたんだ。その時からロスに住むようになった。


Q 映画には昔から興味があったんですか?
W いや、僕は美術の方に興味があったので、実は映画を見始めたのは85年ぐらいからなんだ(笑)。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観て、「なるほど、僕はこういうものをやりたいんだ!」って思った。僕は子供の頃に漫画を描いていたが、漫画の素晴らしいところは、イメージで、ビジュアルでストーリーを語っていくという点だ。だが、『バック~』を観た時に、映画も同じ素晴らしさがあるということに気づいたんだよ。セリフやアングル、ストーリーの構成によって、いろいろなことを感じられる、伝えられるんだってね。


Q ジャンルとしては、やはりSFが一番好きですか?
W そうだね。子供の時からずっとSFものが好きだった。環境的にももちろん、H・G・ウェルズのひ孫ということで、SF作品に触れる機会も多かった。彼はSFの生みの親と言われるほどの人物だからね。それに偶然なんだけど、僕のイニシャルはS・F・ウェルズなんだよ(笑)。


Q それでは『タイムマシン』はあなたにとって、願ってもない題材だったんですね。
W 『タイムマシン』は、私自身が最も観たいと思うジャンルの作品だ。すごく大掛かりで、スペクタクルでビジュアル的な映画で、アクションやアドベンチャーも満載だ。だけど、僕は主人公の考え方や、哲学的な信念が描かれている物語だという点にも、とても惹かれた。


Q 撮影は大変でしたか?
W 体力的にも精神的にもかなりつらい部分もあった。実際、最後の方は披露困憊してしまって、ゴア・バービンスキー監督が撮っているパートも一部だがある。撮影帰還は大体、80日間ぐらいだったと思うが、ちょっと定かじゃないな。セカンド・ユニットはまた別の監督が撮ったりしていたので、そういう部分も含めるとかなりの日数がかかっているはずだ。


Q 主なロケーションは?
W 映画の最初の方は19世紀のニューヨークという設定なので、ニューヨークで撮った。映画で降っている雪は、本物だよ。もう、本当に寒かった! 後は、ほとんどはロサンゼルスで撮った。後半のイロイの村は、ロサンゼルスの北部の牧場に大掛かりなセットを組んで撮った。

Q なんと言っても素晴らしいのが、タイム・トラベルで行く未来のシーンです。現在は技術が進歩してSF映画も沢山作られているので、未来のビジョンのイマジネーションを膨らませていくという作業は、かなり困難なものだっと思いますが。
W いろいろなアーティストたちの意見に助けられたよ。特に、プロダクション・デザイナーのオリバー・ショールによるところが大きい。彼は『インデペンデンス・デイ』や『GOZZILA』などを手がけていて、かなりSFのマニアなんだ。僕らは、とにかく新しく、これまでに見たことのないような映像を作ろうということで始めた。タイムマシンの機械自体も、彼のアイディアなんだ。観客の皆さんが見た時に、まるで見たことがないんだけど、どこか信じられるようなものになっていると思う。

一番大変だったのは、80万年後の未来のイロイの村。僕は、始めはとてもきれいなイメージのスケッチを起こしていた。それをスピルバーグが見た時に、「これ、前にも見たことあるよ」って言うんだ。彼は「この村の人たちは、実は檻のようなものに入っているんだけど、自分たちはそれを認識していない。地面から離れた高い所に住んでいる。崖に住んでいるアリゾナのインディアンのようなイメージはどうだろう?」と、僕に自分のイメージを話してくれた。それを聞いた時は、正直言ってあまりにも奇抜だと思ったけど、オリバーがそのアイディアを生かして、ツバメの巣のような家に住んでいるというアイディアをスケッチして見せてくれたんだ。僕はそれを見た瞬間に、これは取り入れようと思った。


Q スピルバーグとは、かなりそうした意見の交換をしたんですか?

W そうだよ。例えば、ボックスというホログラムのキャラクターが出てくるんだけど、始めは彼をロボットのようなものにしようと考えていたんだ。ところが、ロボットのアイディアを出すたびに、スピルバーグが「それは『A.I.』で使ったよ」って言うんだよ。『A.I.』ではあらゆるロボットが登場するから、きっと飽きてたんじゃないかな(笑)。いろいろ考えた挙句、ホログラムにしたんだ。結果的にその方が面白いものになったと思うよ。


Q タイム・トラベルの論理というのは、一度理解したと思ってもすぐにまた混乱してしまったりするんですが、あなた自身はそういった理論についてはかなり勉強されたんですか?
W 本当にいろんな理論、推論があるからね。メカニズムとか結果的に過去や未来が変えることができるのか、などの論文や文献はたくさんあって、それを網羅するのは大変なことだ。だけど、僕は手に入るものはほとんど全て読んだよ。


Q 今度もまたタイム・トラベルものの映画を撮ってみたいと考えていますか?
W タイム・トラベルものの脚本も、既にいろいろ送られてきているよ。だけど、今度は違うものをやりたいと思っている。そうしないと、彼はタイム・トラベル専門だって思われる恐れがあるからね(笑)。昔、テリー・ギリアム監督が聖杯ものを2本続けてやったら、聖杯ものはギリアムってレッテルを貼られていたことがあったしね。


Q 実際に現場で俳優に演技指導をすることについては?
W 現場で俳優を指導するというのは初めてだった。だが、アニメーションでも俳優が声優をやっているので、以前にもヴァル・キルマーやジェフ・ゴールドブラムなど、そういうスターたちに演技指導をするという機会はあった。ただ、現場でカメラが入って指導するというのは、自分にとっても学ぶことがたくさんあったし、とてもいい経験になったよ。


Q インターネットはよく使用されますか?
W インターネットはしょっちゅう使っているよ。だけど、びっくりすることも沢山ある。以前に僕に関するHPに、ある映画に子役として出演していたという記述があったんだけど、それは僕じゃないんだよ! ネットで検索してみたら、同姓同名の別の俳優がいたから、そのHPを作った人が、僕のことだと間違えて書いちゃったんだろうね。そういうことが起こるのも、インターネットが発達したからこそなんだよね。面白いなと思うよ。


Q 日本の観客へ向けてメッセージを。

W 若い人たちには、原作は読んでいなくても全く新しい作品だと思って観てもらえたら嬉しいし、ぜひ楽しんで欲しいと思う。そして、機会があったら原作もぜひ読んでもらいたい。映画とどいういう風に違うのかを、ちょっと考えてもらえればより映画が面白くなるはずだ。また、100年以上も前にこんな題材を扱った本があったんだってこともわかって、とても刺激を受けると思うよ。

(今 祥枝)

 

 

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