シネマトゥデイ

映画ライター
ヨーグルト、マスク、ステッパーで運動、眠くならない抗アレルギー薬、汗をダラダラかくほどの長風呂、とアレルギーに効くと言われてる療法を片っ端から試したら今年は花粉症が楽だった。さて何が効いたのやら……?
ライター
新宿・東映パラスで『人斬り銀次』を見た。舞台挨拶で竹内力が出てくるなり、黄色い声が飛びまくってました。力ファンって、すんごいんのねと改めて思った私。それにしても、これが遺作になってしまった古尾谷雅人。なんでだよぉ~、哀しすぎるぞ、合掌。
ライター
今回の戦争で、取材陣たちの宿泊ホテルが攻撃を受けた。その映像を見て以来、気分はすんごいブルー。筆者は元スポーツ紙出身。一応、記者の端くれ。同業者の死はやりきれない。5月に開催されるカンヌ映画祭もテロの標的になっているらしい。イヤな渡世やの。
  めぐりあう時間たち

第60回ゴールデン・グローブ賞作品賞、第75回アカデミー賞でニコール・キッドマンが最優秀主演女優賞を受賞。『リトル・ダンサー』のスティーヴン・ダルドリー監督が世界的ベストセラーをモチーフに描く、驚きと感動のドラマ。主演は『ムーラン・ルージュ』のニコール・キッドマンと『ハンニバル』のジュリアン・ムーアそして『マディソン郡の橋』 のメリル・ストリープという豪華な顔ぶれ。人生に潜むミステリアスを描くエンターテインメント・ロマンの決定版。

日本公開:5月17日
(丸の内ピカデリー2他全国松竹・東急系)
上映時間:1時間55分
配給:アスミック・エース エンタテインメント



歴史ロマン、文芸大作、なんて謳ってる映画が苦手です。アンソニー・ミンゲラ監督の『イングリッシュ・ペイシェント』がその代表例。構えは大きいんだけど、中身が薄っぺらなメロドラマで退屈するんです。でもこの作品は違った。三世代の人々のドラマは深いし、展開もありきたりなところがない。編集の手腕も冴えててテンポが凄くイイ。『リトル・ダンサー』のスティーブン・ダルドリー監督は、ミンゲラと格が違ってた。それとキッドマンは思い詰めた人物演じるとウマイね。


ヴァージニア・ウルフと、彼女の著書に感化された女たちの物語を名女優3人が演じる。見る前からケチつけたらいかんという暗黙の圧力を感じてしまうのは、私だけ? いや、上手いし見応えはある。とくに、オスカーをゲットしたニコールは素晴らしい。正気と狂気の世界をギリギリのところで保ち、執筆にかけるウルフという人間の一面を丹念に演じてる。で、ジュリアンもメリルもいいし、男優陣も悪くない。花もキレイ……。でも、重いんです。人生、人それぞれ悩みはあるけど、女3人がとても優等生すぎて、劣等生な私は誰にも共感できず、どっと疲れが。


キッドマン、ムーア、そしてオスカー常連女優ストリープ。この3人がこぞって出た作品ということで、「竹」ぐらいの映画が「上寿司」ランクに見えるようだ。誤魔化されちゃいけない。確かに、異なる時代に生きる3女性の物語として、構成は上手いかもしれない。が、3女性の苦悩も痛みも、全く理解できず。神経衰弱ギリギリの女たちに、ずっと硝子を爪でひっかかれているような不快感があり、「悩み事は即、解決」をモットーとしている者としては、非常にイラつく話だ。まっ、キッドマンがオスカーを受賞したから良しとするが。

 アバウト・シュミット
定年退職を迎えた直後、妻の死と娘の結婚を同時期に迎え、自分の孤独に気が付いた男が、第2の人生の目的を見つけようともがき苦しむ。ジャック・ニコルソン主演のコメディタッチで描く人間ドラマ。ゴールデン・グローブ賞2部門受賞した傑作。監督は『ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ』で様々な脚本賞を受賞したアレクサンダー・ペイン。本作も脚本を兼任した。ジャック・ニコルソンの抑えた演技とキャシー・ベイツのパワフルな演技のコントラストも絶妙。

日本公開:5月17日
(みゆき座他全国東宝洋画系)
上映時間:2時間5分
配給:アスミック・エース エンタテインメント



ニコルソンの大仰な演技が大好きなので、普通のオヤジ(オジイサン?)を演じているとなんとも違和感があるのです。それに改めて思ったんだけど、彼は普通の人を演じるのが上手じゃないんだな。だから主人公に感情移入できなかったんです。それに他の登場人物たちも、いかにも物語のために作られた人たちでちょっと嘘くさい。エピソードもそこそこ面白いし、物語もありきたりじゃないんだけどね。ラストのオチも含めて全体的に“心”がないって感じがしてしまったのでした。


人生に予定外のことはないと思い込んでいる人間に、予定外のことが起き、人生ままならないってことをしみじみ感じる。前作の『ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ』(トホホな邦題だが、中身は傑作!)と同様、アレクサンダー・ペイン監督は平凡な人間が人生の転機とどう向かい、折り合いをつけるか……という話がお好きらしい。それにしても、こんなフツーな顔のニコルソンは見たことない! ってなぐらいにフツーで、キャラもフツー。代わりに爆乳披露のキャシー・ベイツに、すっとぼけた男を演じるダーモット・マルロニーの頭髪に驚きながら、我にかえって、人生は楽しい! としみじみ思った私です。


アカデミー会員ってどこを見ているんや。作品賞に『ギャング・オブ・ニューヨーク』をノミネートするくらいやったら、この映画を入れんかい! 不幸とおめでたいことが同時にやってきて、人生の機微を痛感する作品は、日本でも『お日柄もよくご愁傷様』があったけど、ジャック・ニコルソンという無二の名優を主演に添えたことで、味わい深い人間ドラマに仕上がった。淡々とした笑いが絶妙でツボにハマった。何より、キャシー・ベイツとニコルソンの混浴という、おぞましいシーンが目に焼きついて……。怖いモノ見たさで、あなたもどうや?

 きみの帰る場所 アントワン・フィッシャー
『グローリー』『トレーニング・デイ』のオスカー俳優デンゼル・ワシントンが初監督を務めた感動ドラマ。過去に傷を負った黒人青年アントワン・フィッシャーの心の旅を、てらいのない素直な演出と共に描き上げる。脚本を手掛けたのは、実在のアントワン・フィッシャー本人。作中のアントワン役は、長編映画初出演となる新星デレク・ルークが熱演する。監督であるワシントンが、主人公を導く精神科医役で脇を固めているのもポイント。

日本公開:4月26日
(スカラ座他)
上映時間:2時間0分
配給:20世紀フォックス映画


デンゼル・ワシントンてハンサムだし、演技は上手だし、頭もイイしで大好きです。彼の初監督作品なので大期待。幸福感に溢れた幻想的なオープニングからして、いきなりワシントンの監督の手腕を確信した。だけど以降はビックリするほどの冴えはないものの、概して手堅い演出。さすがに秀才です。でも本来は脇役であるはずの精神科医を演じるワシントンが主役の青年よりも目立っちゃってるし、より見せ場も多いんです。ワシントンのファンとしてはそれでいいけど……。


名実共にハリウッドで黒人を代表する俳優となったデンゼル・ワシントン。そうなると、やっぱ監督したくなっちゃうもんなの? で、初監督作として選んだのが、虐待されて育った黒人青年の自分探しの物語……。んー、俺がやらなきゃ誰がやるという使命感を感じたんだろーか。物語は興味深い。実話に基づいているし。ところが、演出が平板。デンゼルの生真面目な人柄を表わしているというのか、出来上がりは模範例的な感動作となっていて、デンゼルに監督としての才能は残念ながら感じない。よそ見しないで、俳優一筋で行って欲しい……。


予想通り。デンゼルらしい、クソ真面目で手堅い感動作。それにしてもずっと疑問だったのが、米国海軍は入隊の際、体の健康はチェックするが、心が健全か否かは重視しないのか? 主人公のアントワンは実母の顔も知らず、養父母に育てられた不幸な生い立ちをお持ち。その際に受けた虐待が原因で、大人になった今、キレやすく暴力沙汰を起こしてしまう設定だ。そんな奴が実戦に出たら……。「僕、ムカつく」と、爆弾のスイッチを押されたら、危ない、危ない。でもコレ、実話。イラク攻撃で誤爆があったのも、この映画を見て納得。

 アイ・スパイ
最新ハイテク機器を駆使してのスパイ・アクションにコメディとロマンスの味付けが加わった娯楽作。主演には『ドクター・ドリトル』のエディ・マーフィーに『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『ズーランダー』のオーウェン・ウィルソン。共演は『X-メン』のファムケ・ヤンセンと『時計じかけのオレンジ』の名優マルコム・マクダウェル。攻撃型コミカル演技のマーフィーと“受け”でとぼけた味を出すウィルソンの相性が抜群。 

日本公開:4月26日
(日比谷みゆき座他全国東宝洋画系)
上映時間:1時間36分
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


おふざけスパイモノとしてはなかなか面白かったです。ギャグもスパイアイテムもキャラクターもイイ線だと思います。ただ“おふざけ”とはいえアクションはしっかり押さえないと。そこのメリハリがこの作品には欠けてます。アクション・シーンがダラダラしてて迫力なし。火薬は結構使ってるのにねぇ。でもエディ・マーフィーが久しぶりに面白かった。動きもしゃべりも往年の姿を取り戻したようで。ボクシング・シーンなんか、ちゃんとボクサーの動きでカッコ良かったです。


最近のエディ・マーフィーは忙しい。大御所R・デ・ニーロと組んでみたり、ハリウッド・サバイバル作戦を模索中。で、今流行りのスパイ・ヒーローものにも挑戦したワケだけど、ファミリー層に大ウケした『ドクター・ドリトル』の監督だからか、お子さまにもわかるようなゆる~いギャグばかり。アクション・シーンにもキレがなく、事件の根幹となっているステルス戦闘機の凄さは最後までわからない……。ファムケ・ヤンセンと、オーウェン・ウィルソンとの共演シーンが面白いだけに、エディの独演シーンがサム~く見える。


webサイト「Rotten Tomatoes」の「Worst films of 2002」で、堂々11位にランキングされていたこの作品(ちなみに1位は『ローラー・ボール』ネ)。期待を裏切りません。あのブッシュから直々に指令を受けて、スパイ活動に乗り出すエディ&オーウェン。その設定だけで、すでにぬる~い空気感が漂っているのに、繰り返されるギャグも不発弾だらけ。コメディなのに、「痛い」。それにしてもオーウェンは、ジャッキー・チェンといいエディといい、落ち目俳優とばかり共演。「彼らと組んでヒットを飛ばしたら、映画を撮らせてやる」という密約を、映画会社のお偉いさんと交わしているのか? そろそろ作品を選べ。

 メイド・イン・マンハッタン
ひとつの嘘から始まったホテルのメイドと未来の大統領候補との恋を描くラブ・ロマンス。主演は『ウェディング・プランナー』のジェニファー・ロペスと『レッド・ドラゴン』のレイフ・ファインズ。ロペスの恋敵を演じる『ネル』のナターシャ・リチャードソンの熱演が光る。監督は『スモーク』で絶賛されたウェイン・ワン。夢物語ながらも、人種問題や政治とマスコミの関わりなど社会的視点も取り入れており、甘すぎず奥行きのある作品。

日本公開:5月10日
(日比谷映画他)
上映時間:1時間45分
配給:UIP


ホテルのメイドと未来の大統領候補が恋に落ちて……。あまりにベタな粗筋を聞いてげんなりしてたけど、『スモーク』が面白かったウェイン・ワン監督だから、と少々期待していた。だが善くも悪くもウエルメイドな作品で、破綻はないが平板で意外性もない。メイドと結婚しようとする政治家ってその宣伝効果を狙ってると思う。でもそこに触れないんだよね。むしろそこを主題にしたら深みのあるラブストーリーになったと思うけど。そういう恋物語は小難しくなっちゃうのかな。


ジェニロペは好きではない。ないけど、ドルチェ&ガッパーナの服よりメイド服が似合う彼女は好きだ。で、夢も希望もない現実に生きてるだけに、気づいたらシンデレラストーリーにハマってた。個人的にはサイモン&ガーファンクルやブレッドなど使われている音楽も好きなもんで。おまけにスーツが似合うレイフ・ファインズに、オヤジ俳優偏愛な私は目が釘付け! しかーし、6月公開の『ブルー・クラッシュ』もそうだけど、メイドって宿泊客の洋服を勝手に着ちゃったりしてんの? なんてホテルの裏側にがく然とする作でもあります。


今や歌姫としても大活躍のジェニ・ロペなのに、主演映画はウケず。本作品が、彼女の過去最高のヒット作らしい。なんでや? 『アウト・オブ・サイト』でジョージ・クルーニーと渡り合った実績もある、なかなかの演技派なのに。今回も、日頃のゴージャスなイメージをかなぐり捨て、高級ホテルのメイド役に見事、成りきっている。いや、あんた、メイドの服似合い過ぎ。そういえば『エンジェル・アイズ』では警官、『イナフ』ではウェイトレス姿もハマっていた。どうせ当たらないのなら、今後はコスプレ重視の映画を作っては? 次は看護婦か?

イラスト:micao
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