シネマトゥデイ

シネマトゥデイ
映画ライター
風邪ひいたら咳が長引いて困ってます。試写で迷惑ってのもあるんだけど、SARS疑惑の視線を感じちゃって外出するのが億劫。自意識過剰かなぁ。でも風邪の菌をまき散らしてるのは間違いないので、マスクと縁が切れない。
ライター
先月の近況で『シティ・オブ・ゴッド』の鶏解体シーンについて佐野氏が言及してましたが、私は彼の逆。子どもの頃、九州の祖母の家に行くと、私のために地鶏を解体してくれ、それを指くわえて見てました。そんな残酷なシーンを見てたからか、スプラッター映画はダメです。ひょっとして地鶏のたたり……。
ライター
阪本順治監督の新作『クラブ進駐軍』に、『マイ・ネーム・イズ・ジョー』のピーター・ムランが出てるっていうので、現場にお邪魔。激シブ・ボイスを生で聞けて感激。でも顔は、スコットランドのブルース・ウィリスと思っていたら、スコットランドの井上順だった。
  マトリックス リローデッド

空前の大ヒットとなり映像革命をも起こした『マトリックス』の第2弾。1つのショットに2年半を費やしたものもあると言われるVFXは、映像の世界にまた新たな歴史を刻みこむ。監督は前作同様ウォシャスキー兄弟、キャストもキアヌ・リーヴスをはじめ前作と同じで、新たに『マレーナ』のモニカ・ベルッチ、『アリ』のジャダ・ピンケット・スミスらが妖艶な魅力を放ち、ニール&エイドリアン・レイメントが謎の双子となるなど、ニュー・キャラクターもスタイリッシュで魅力的。まさに未体験映像となるクライマックスの高速道路でのカー・チェイスは必見!
日本公開:6月7日
(丸の内ルーブル他全国)
上映時間:2時間17分
配給:ワーナー・ブラザース映画



思わせぶりで衒学的な長セリフで語られるSF設定が鼻につく。分かったような分からんような。それがシリーズの興味を引っ張っるんならまだしも、マイナスじゃない?段々イライラしちゃって「陳腐なストーリーを誤魔化すためじゃないか」と思ったよ。だけど、アクション・シーンは確実に前作を超えてます。キアヌのクンフーも上達してるし、なによりキャリー・アン・モスがカッコイイ。3作目は小賢しいSF設定なしの全編ノンストップアクションで90分にしてもらえないかな?


評判のカーチェイス・シーンをはじめ、アクション・シーンについては、ウォシャウスキー兄弟の「真似られるもんなら、真似てみろ」の自信のほどがありあり。個人的にはエージェントがクルマのボンネットを踏み潰すシーンがバカッぽくていい。ワラワラと増殖するエージェント・スミスに、白塗りツインズなど新規参入組もユニーク。主役3人も前作以上に過酷でパワフルなアクション・シーンに遜色のない体だ。で、ヒーロー組VS悪役組、ともにイケてるが、物語は込み入りすぎて、一度じゃ理解不能。そのクセ、ネオとトリニティーの恋愛は気恥ずかしいほどベタ。どんなオチでまとめんのぉ~? 


この映画に関しては、「ストーリーがなっとらん!」とか、「あのシーンの意味が理解できない」とか、そんな細かい事はどうでもいいんです。おたく心をくすぐる壮大な世界観を作り上げ、世界中でこれだけのムーブメントを巻き起こしているそのパワーにアッパレ! 今回、狭い廊下で100人のエージェント・スミスがあたふたしているギャグシーンを緊張感溢れるラストに盛り込んだり、ランバート・ウィルソンにクソ嫌味な仏人を演じさせたり、お笑いセンスもイけるネ。「~レボリューションズ」では100人のランバート登場に期待。

 ブルークラッシュ
巨大で恐ろしい波に挑む女の子たちの姿を活写して全米で大ヒットを記録したサーフィン版スポ根ムービー。主演は『タイタンズを忘れない』のケイト・ボスワース、共演は『ガールファイト』のミシェル・ロドリゲス、『キューティ・ブロンド』のマシュー・デイヴィス。監督には俳優として『トップガン』に出演し、脚本家としても『ロック・スター』を手がけたジョン・ストックウェル。サーフィン・シーンの迫力と美しさに圧倒される。。

日本公開:6月21日
(シネクイント)
上映時間:1時間44分
配給:ギャガ・コミュニケーション


サーフィンをかじったことがあるんだけど、ナンパなイメージとはほど遠く、危険でハードなスポーツなんですよ。高波に呑まれてグルグル回って天地左右が分からなくなってる時ってホントに怖い。おまけにハワイは岩があるから。とはいえサーフィンの経験がなくても、あの息詰まる緊迫感が体感できるほどに見事な映像ですね。定番過ぎる物語が少々物足りないが、ラストの落としどころがリアルで好感持てた。やっぱり夏は映画館だね。この爽快感は日本じゃ味わえないと思うし。


いまだかつて、ハワイに行きたいと思ったことはなかったのに、見終わるやいなや、「行ってみたいな、マウイ島」の気分。サーフィンだってやった事はないけど、ヒロインたちはもちろん、デブのおっさんや果ては犬までが(!?)楽しそうに波を乗りこなすシーンを見てたら、一度はサーフィンやってみたくなったよ、マジで。ま、肝心のサーフィンに青春を賭ける女のコのスポ根物語は他愛もないけど、とにかくサーフィン・シーンのカメラワークは臨場感たっぷりで一見の価値あり。おまけに爽快感にもあふれてる。鬱陶しい梅雨時にはうってつけであります。


若者+サーフィンとくりゃ、偏差値10ぐらいの青春映画かと思っていたら、やるじゃん、サーファー・ガールたち。見せてくれるじゃん、大迫力のサーフィン・シーン。で、目線はついつい、彼女たちの引き締まったボディに。『シカゴ』では主演女優2人の盛り上がった上腕筋を見て彼女たちの本気度が伝わってきたけど、この映画ではケイト・ボスワースたちの腹筋に注目。腹、割れてま~す。夏を前に雑誌『ターザン』を見て体を鍛えるなら、この映画を見た方が余程刺激的よん。

 ムーンライト・マイル
『シティ・オブ・エンジェル』の監督ブラッド・シルバーリングが恋人を亡くした実体験を基に映画化した感動作。主演は『遠い空の向こうに』のジェイク・ギレンホール。共演陣は豪華で『アウトブレイク』のダスティン・ホフマン、『デッドマン・ウォーキング』のスーザン・サランドン、『ピアノ・レッスン』のホリー・ハンター。苦しみながらも立ち直ろうとする人々をユーモラスで温かな視点で捉えている。彼らの笑顔が心に染みる。

日本公開:6月28日
(みゆき座他全国東宝洋画系)
上映時間:2時間8分
配給:ギャガ・ヒューマックス共同配給


「婚約者の死」が大きなモチーフになってるんだけど深刻ぶってない。軽みをうまく出してる。自虐的だったりもしない。痛みは感じていても、生きていれば笑ったり喜ぶのも当然じゃんって自然に思えた。見終わってから、監督の実体験に基づいたお話だと知ったんだけど、ここまで昇華するのに長い時間が必要だったんだろうなぁ、なんてまたもしみじみ。主役のジェイク・ギレンホールの飄逸とした味も得難い魅力。ただ、新しい彼女とのエピソードがちょっと浮ついてるのが惜しい。


婚約者を殺されて、彼女の両親と喪失感を埋めていく青年の話かと思ったら、「彼女が殺される前に、婚約解消してた」と言えずに、うだうだしてる男の話。そんな優柔不断な主人公にジェイク・ギレンホールはハマってるし、スーザン・サランドンとダスティン・ホフマンというキャストには安心して見てられる。そう、役者はいいのだ。しかし、ブラッド・シルバーリング監督の体験を元にした脚本に面白みがない。自分自身がモデルならば、もっと踏み込める部分もあっただろうにもったいない。ま、涙ウルウルにさせた『シティ・オブ・エンジェル』を手掛けた監督と思えば、偽善的なノリも納得ゆくけど。


米国映画やニュースを見ていると、誰かに不幸があると、大して知り合いでもない人がハグして慰めるというシーンがよくある。その度に「嘘くせぇ~」とツッ込んでいただけに、本作品のスーザン・サランドンは痛快。娘を事故で亡くし、葬式で皆から慰めの言葉を投げられても一刀両断。形見の品を取りに来たという自称・友人にも憎まれ口を叩く。ステキです。そーいえば劇中、死んだ彼女が度々、ジョーの夢に登場するけど、私も父親が死んだ時、四九日まで夢に出てきました。脚本も手掛けた監督と気が合いそうです。

 シティ・オブ・ゴッド
リオデジャネイロ郊外のスラム街“シティ・オブ・ゴッド”に生きる人々の、愛と暴力に満ちた物語。監督は“第ニのスコセッシ”と評されるフェルナンド・メイレレス。彼は2000人に及ぶスラム在住の子供たちをオーディションし、キャスティング。6か月の即興演技指導と、4か月に渡るリハーサルの末、9週間のオール・ロケを敢行。社会性の強い作品を3部構成でポップ&スタイリッシュに見せ、2002年カンヌ国際映画祭を熱狂させた。 

日本公開:6月28日
(ヴァージンシネマ六本木ヒルズ)
上映時間:1時間30分
配給:アスミック・エース


実在のスラム街が舞台。貧しい街では、容赦なく盗み、殴り、殺す者が勝者となる。子供同士が殺し合う。しかも笑いながら。凄まじい。監督は元CMディレクター。中産階級出身でスラムを知らない彼が監督したことで本国では批判されたらしい。たしかに彼は未知のコミュニティを面白がってる。だが見下していないし、無闇に同情もしない。だからスラムの少年たちの恋、友情、成長がユーモラスかつリアルに描かれる。野球選手じゃなくても優れた野球映画を撮ることは可能なんだよね。


心を昂揚するサンバのリズムとともに、雑踏の中を逃げ回る雌鶏を追跡する冒頭から一気に引き込まれてしまった。それにしても、年端も行かない子がホンモノの銃を手にして人を撃ち、徒党を組んで、血で血をあがなう戦いを繰り返すのには暗たんたる気持ちになった。そして、辟易もした。が、これがブラジルのスラム街の現実と聞けば、どうにも目が離せない。演じている子どももしたたかに生きぬく様を見せつける。ヘヴィな作なのでいつでもどうぞとは言わないが、平和ボケしてる日本人にはたまにはこんな脳天直撃映画もいい。


最近のブラジル映画と言えば、サウンドトラックが私のお気に入りとして殿堂入りしている『オルフェ』(これもスラム街”シティ・オブ・ゴッド”が舞台だった)ぐらいしか思い浮かばないけど、本作を見て驚いた。ブラジル映画界がこんなに底力があったなんて。侮れまへんなぁ。恐らく、スラム街にカメラが入ったということ事態スゴイと思うが、30年に渡る街の歴史を巧みな構成とユーモアで描いており、“新宿歌舞伎町24時”も真っ青の面白さ。“暴力は暴力を生む”というメッセージを込めたラストも秀逸。胸に響くぜ。

 エデンより彼方に
第75回アカデミー賞4部門ノミネート。50年代の美しい町ハートフォードを舞台に理想的な家庭の模範的主婦の家庭崩壊から自我の目覚めまでを美しい色彩の映像でドラマティックに描く人間ドラマ。監督に『ベルベット・ゴールドマイン』で各方面から賞賛を浴びたトッド・ヘインズ。製作総指揮にはスティーヴン・ソダーバーグやジョージ・クルーニーの名前も連ねられている。主演は『ハンニバル』のジュリアン・ムーア。本作でアカデミー主演女優賞にノミネートされている。夫役にはデニス・クエイド。艶やかな衣裳やロケーションの彩りはファッション誌から抜け出てきたかのように華麗。

日本公開:7月12日
(渋谷シネマライズ)
上映時間:1時間47分
配給:ギャガ・コミュニケーションズ


舞台は50年代のアメリカ。大時代な音楽とカラフル過ぎる色彩。古き良き時代のメロドラマの装いで描かれるのは、黒人差別と同性愛差別。シニカルな視点だけどドラマ自体はマジメで、そのテーマは現代に通じる。公平であろうとする主婦が勇まし過ぎないのがリアルなのだ。人目を気にするし、批判にさらされて保身も図る。多分、彼女のような善意の人って、後世に名を残されないけどたくさん居たんだろうし、現代にもそういう人は居るんだろうって思わせた。優れたフィクションのお仕事ですね。


トッド・ヘインズ監督とジュリアン・ムーアが組んだ『SAFE』とは時代も設定も違うが、ジュリアンを念頭に置いた脚本だけに役柄はお手のもの。50'sファッションの着こなしも見ものだ。個人的にはオヤジ俳優好きなので、昨今いい演技してる夫役のデニス・クエイドが気になり、黒人庭師のデニス・ヘイスバートが気になった。とくにデンゼル・ワシントン風なヘイスバートはいい。黒人差別を受けながらも、自己を明確に持ち、知性もあるキャラで、上品なスーツにソフト帽をかぶった姿もサマになる。ラスト・シーンは、50年代のハリウッド全盛のメロドラマを意識した本作の有終の美を飾ってる。


演技、ストーリー、美術、衣装、音楽、どれを取ってもカンペキです! とりわけ音楽。『風と共に去りぬ』や『ゴッドファーザー』など、名作と言われる映画は、そのテーマソングを聴いただけで鮮やかにシーンが蘇ってくるけれど、本作品がまさにソレ。特にラストの駅のシーン。音楽がジュリアン・ムーア演じるキャシーと庭師レイモンド(デニス・ヘイスバード)の情感を盛り上げ、思わず涙腺が緩んじゃいました。ジュリアンも『めぐりあう時間たち』の方がとかく話題になったけど、こっちの彼女の方が100倍イイ。50年代ファッションが似合うね。 

イラスト:micao
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