シネマトゥデイ

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オール上海ロケで描かれた『最後の恋、初めての恋』は、心に傷を持って上海に赴任してきた自動車メーカーの駐在員・早瀬と美しい姉妹ミンとリンの三角関係を描いた美しいラブストーリーだ。今作は中国でも公開される、上海撮映画影所設立以来の日中合作作品でもある。主役の早瀬を演じた渡部篤郎氏に上海の魅力、日本映画との製作の違い、などを語ってもらった。

■上海の人は声が大きいよね
Q:上海の現場の雰囲気はいかがでした?
うーん、人が多いって言う印象は大きかったよね。だって、単純に(人口が)13倍な訳だからさ(笑)。メイン・スタッフが日本人で30人ほどいたんだけど、アシスタントみたいな形で、中国側のスタッフがそれぞれに付いていたから、総勢で100人くらいはいたんじゃないかな。

きちんと分担制が出来てるから、仕事をする上でのスピードは早いんだけど、僕ら日本人スタッフが、きちっと把握して進めていかないとうまくいかないんだよね。あとは、それだけ人が多い分、うるさかったと言うか、ガヤガヤしてた。

Q:活気があるってことですか?
うん、そうだね。すごくよくしゃべるし、声も大きい(笑)。それから、電話が大好きで、本番中とかでも大きな声で話してたりする。でもそれは、日本と中国のスタイルの違いなんだなって分かって、単純にギャップは感じましたけどね。

中国から日本に入ってきてる映画は、世界出資だったりするから違うものも多いだろうけど、(音と画の撮りを)シンクロでやっていない映画も少なくないみたいで。日本では、丁寧にシンクロさせて撮るから、本番中に話すなんて大変なことだけど、中国のドラマなんかは、アフレコとかが多いらしくって、あまり撮影に音が関係ないんだよね。もうそれは、ほんとにスタイルの違いだよね。


Q:コミュニケーションは?
僕もふたりもまったく英語はダメだったから、通訳を通してのコミュニケーションでしたね。ただ、日本では割と、演技を固めてから本番を演じる役者さんが多いんだけど、徐静蕾はとにかく本番で演じようというスタイルの人で、リハーサルも確認程度で済ませから、演技上でのコミュニケーションって言うのは、あまり必要ではなかったね。

そりゃもちろん、日常会話でのコミュニケーションはあるけど、その程度ですんじゃう。“上海ロケ”なんて聞くと、一瞬楽しそうじゃない? だけど、役者って言うのは、それがどこであろうと同じで、芝居を作り上げることが仕事な訳で、それがいちばん難しくって、大変なことなんですよ。だから、反対にコミュニケーションが余計に感じてしまうこともあったりするし。最後の方はふたりとも慣れてきたみたいで、話す機会も増えたりはしたけど、だからと言って、それが芝居に影響すると言うことはなかったな。そういうことで、芝居は左右されないんだよね。違うところで、作りあげて行こうと言う意識があるから。

共演のふたりは真面目な人
Q:ふたりの印象は?
ふたりともシャイ。おとなしくて、すごく真面目だった。日本のスタッフでの撮影だからということじゃなくて、きっとどの現場に行っても真面目なんだと思うよ。
 
Q:英語のセリフが多くて大変だったのでは?
ネイティブの役ではないから、発音が悪くても、ニュアンスが違ってても、それはしょうがないと思ってはいたけど、それでも、大変だったね。 

「ここはそういう言い方はしない」とか、「この単語はそう発音しない」とか言われちゃうと、そういう細かな決まりごとと気持ちとどっちが大切なんだろうって思っちゃうよね。だからと言って、伝わらないと言われればそれまでだし……。そこのへんが非常に難しかったね。

でも、僕らは、まだ英語に多少なじみがあるけど、董潔の日本語のセリフなんて、相当大変だったと思うよ。でもさ、いいんだよ。言葉の意味を知らないと絶対に、その言葉の意味を聞いて、それを伝えようとするじゃない? だから、普通のセリフよりも、伝わりやすいはず。一生懸命に言おうとしてるからね(笑)。この映画はそういう人たちの集まりだね。
(取材・文:高山亜紀)

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