シネマトゥデイ

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ライター
『マンハッタン・ラブストーリー』が終わってしまう、さびしい。うちの妹(専業主 婦)曰く、「あんな面白いドラマはいまだかつて見たことない」。彼女は三池崇史監 督の『牛頭』もお気に入り。観たきっかけは「『呪怨』がなかったから」。近所とは 仲よくやっていけてるのだろうか。というか、本当に主婦なのか心配だ、妹。
ライター
ジャンケットでLAに行き、ダスティン・ホフマンを取材。最近、近視矯正手術をしたらしいんで、尋ねたら、逆に「いい医者、紹介しようか」って薦められた。親切です。それにしても、子供心に『卒業』のポスターだけで、ドキドキした覚えがある……。ダスティン66歳。オヤジ俳優偏愛ライターとしては僥倖の瞬間でございました。
ライター
東京国際映画祭もフィルメックス映画祭も終わって一段落。そこで「よっしゃー! 今月は気合いを入れて小津安二郎とアモス・ギタイの特集上映を見に行くぞー!」とスケジュールを立ててチケットを購入したのに、そんな日に限って仕事がバンバン入る。んな、殺生な。今じゃ「師走の忙しい時に上映すな!」と、逆恨み。
 ラスト サムライ

(C) 2003 Warner Bros.Ent All Right Reserved.(C) 2003Village Roadshow(BVI)Limited.

明治維新直後の日本を舞台に最後の侍となった人々の壮絶な戦いを描く歴史超大作。世界的スターであるトム・クルーズと日本の渡辺謙、真田広之らが競演、ハリウッド作品ながら主要キャストはすべて日本人が演じる。監督は『七人の侍』を観て映画の道を志したという『マーシャル・ロー』のエドワード・ズウィックが日本の四季や空気、そして歴史を丁寧に描きだす。また、勝元役である渡辺謙の存在感ある演技には要注目。
日本公開:12月6日(丸の内ピカデリー1他全国松竹・東急系)
上映時間:2時間34分
配給:ワーナー・ブラザース映画



いくらトムが日本びいきでも、どうせ間違ったことになっているに違いないという意味で逆に期待すらしてたが、どうしたこと? 号泣だった。ところどころに間違いはあるものの(ラスト近くの集団土下座以降、何やら急速にあやしいが、この時点ではもうマジックにやられてる)、全編に古の日本への憧れがぎっしり。日本人からしてみれば、「そんないいものじゃ……」と謙遜したくなるほど、まさに全編が「リスペクト日本」だった。渡辺謙はトムと出会うシーンからいきなりかっこよく、真田広之も剣の稽古シーンとか、めちゃめちゃ美しい。トムが小柄なおかげで、日本の出演者たちと対等な感じが出ているのもうれしい限り。強いて難点をいえば、小雪のメイクが濃すぎということぐらいか。


『キル・ビル』に続いて、ハリウッド発トンデモ日本が世界に配信されるかと思っていただけに、意外なまでにマトモなところに好感。ある意味、今年のNHK大河よりはるかに時代劇っぽいぞ。外人が撮った日本の図なのに、四季折々の景色などに思わずディスカバー・ジャパンな気分になっちゃったよ。しかし、小雪がトム・クルに向かって「ケモノ臭い」とのたまったのにはアゼン。このセリフ、彼はどう理解してるのか、とっても気になる。それにしても、トム様映画なのに、結果的には渡辺謙にスポットが当たり、オスカーにノミネートの話題まで‥…とは、トムは今ごろ、何を思う? ま、時代劇好きとしては生涯・斬られ役の福本清三さん(サイレント・ボブ)に拍手喝采。いつまでも現役で頑張って欲しい。


もうぉ~泣けました。涙、ちょちょギレちゃいました。サムライたちの生き様はもちろん、日本文化がこんなに尊敬の念を持ってきちんと描かれているということに。少なくとも最後の、官軍がサムライたちに土下座したシーン以外は、“へんてこニッポン”は感じられなかった。個人的には、ずっと追っかけている俳優・真田広之&渡辺謙がハリウッド映画に出ているということだけで感動。それまで記者会見で並んでいる写真は見ているが、ラストでトムと謙さん、真田氏が馬に跨り、3ショットで戦いに向かうシーンでやっと「2人ともトムと共演している! すごいよぉ」と実感。「私の男を見る目は間違ってなかったのね」と自信を持てました、ハイ。

 ミスティック・リバー

(C)2003 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.(C)2003 Village Roadshow Films(BVI)Limited.

3人の立場の違う男たちが少年時代、心に負った傷のために悲劇に巻き込まれていくサスペンス・タッチの人間ドラマ。『許されざる者』などで監督として評価の高いクリント・イーストウッドの最新作。原作は全米でベストセラーとなったデニス・ルヘインの同名小説。主演の3人にショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケヴィン・ベーコンを迎え、タイプの違う役を熱演。ローレンス・フィッシュバーンやマーシャ・ゲイ・ハーデンらが脇固める。それぞれに子供の頃に負った心の傷が、25年の時を経てからどのように影響しているか、3人の冴えた演技を要チェック。

日本公開: 1月10日
(丸の内プラゼール他、全国松竹・東急系)
上映時間: 2時間18分
配給: ワーナー・ブラザース映画



『I am Sam アイ・アム・サム』での演技には正直、鼻白んでしまったのだが、今回ばかりはショーン・ペンにやられた。少年時代にトラウマを受けた大人という役柄のティム・ロビンスは玄人ウケするだろうが、ペンの演技はストレート、全身全霊でなりきってる。たぶん、警官に取り押さえられるシーンなどは本気で暴れてるはず。ここは泣けたなぁ。妻役ローラ・リニーも素晴らしい。「あなたはキングなの。あなたのすることは間違いないの」という極妻らしい持論をぶちかまし、ダンナのペンを励ますリニー。人道的には間違いでも、母の強さを感じさせてド迫力。頭と気の弱そうなマーシャ・ゲイ・ハーデンもよろしい。あまりに役者が揃いすぎて、ケヴィン・ベーコンの影が薄かったのが気の毒だ。


クリント・イーストウッド監督作。今回も手堅く撮ってます。とくに今回はショーン・ペンはじめ、主要な役者が芸達者。子どもの頃の悲惨な体験を引きずったまま、大人になった男を演ずるティム・ロビンスの演技には痛ましさを感じるし、ケヴィン・ベーコンの刑事役も娘を殺された父に扮するショーン・ペンもいい。ま、殺人事件の犯人は早々察しがついてしまい、正直、推理劇として見ると、面白さは今ひとつ。と思っていたら、最後の最後にこの物語のコワさが突きつけられる。ローラ・リニーとマーシャ・ゲイ・ハーデンという派手ではないけど、演技の上手い女優を使っている理由がよーくわかる。人間の業の深さを感じる作で、脚本が上手いなぁとしみじみ……。


共和党を代表するハリウッドスターのイーストウッド監督、民主党代表のティム・ロビンス、そして無党派を公言しているショーン・ペン(ケヴィン・ベーコンは何党支持者か知らん)。こと政治に関しては全く考え方が異なるメンバーだけど、スクリーンでの相性はバッチリ。正直言って物語は、不条理過ぎる不条理劇だし、後味も相当悪くて見る者をどん底まで落とし入れるのだが、油のノった3男優の競演は見るべし。それぞれの個性がいかんなく発揮されていて、シビれましたわ、おばちゃんは。なのに、なのに、ワーナーは、またもイーストウッド作品に大した宣伝期間も金もかけず、急遽公開なんてことをするのか! ダーティハリーをナメるな。

 ブルース・オールマイティ


全米で初登場第1位に輝いた大ヒット・ヒューマンコメディ。自分の不運を神様のせいにしてばかりの青年が、1週間だけ神様の代わりを務めることになる様をコミカルに描く。監督のトム・シャドヤックと主演のジム・キャリーは『エース・ベンチュラ』『ライアー ライアー』を贈り出している名コンビ。共演には、TVドラマ『フレンズ』の人気者ジェニファー・アニストン、『ショーシャンクの空に』の名優モーガン・フリーマンらがあたっている。

日本公開: 12月20日
(日劇3他全国)
上映時間: 1時間41分
配給: UIP




人によっては敬遠されがちなジム・キャリーのやり過ぎ演技だが、私は大好き。『マジェスティック』みたいな感動作に出なくていいから、もっともっとバカな役をやってほしい。まぁ、今作は感動とギャグがいいバランスで配合されていて、よかったね。キャリーといえば、顔芸。ハーポ・マルクスの次くらいにキャリーの顔芸が好きと思っていた私だが、ここにきてダークホースが急浮上登場。ライバルキャスターを演じたスティーブ・キャレル。この荒井注風のオッサンにはキャリー以上に笑わしてもらい、マスカラがじみまくって大変だった。力入りまくりのキャリーを際立たせる脇の役者の涼しい演技がまた、笑わせるのだ。元は野良犬だったとは信じられない、飼い犬役のサムくんもキュート。


別にジム・キャリー嫌いではないけど、最近の彼を見ると、どこか痛々しいというか、ギャグが過去の栄光にすがってる感。つまり、ゴムのように自由自在に動く表情筋や、長身なのにしなやかな動きの体を使って繰り出す笑いに瞬間、頬は緩みそうになる。でも、心底笑えない。この物語だって、大人が神様を呼び出す話だから、ファンタジックとはいえ、どこか世知辛い。願いもちょっとエロっぽかったり……。そんな話の一方で、キャリー扮する主人公と、ジェニファー・アニストンのラブストーリーだけはやけに少女漫画チック。バランスが悪いです。モーガン・フリーマンの神様は面白いが、何で出たんだ……。ともかく、キャリーよ、それこそ神通力があるうちにゆっくり休んで、今後の路線を検討したら。


ジム・キャリーを見ると、“空元気”という言葉を思い出す。どんなギャグをかましても、目が笑っておらず、物哀しさすら感じさせてくれる。『マスク』公開前に会った時から、「スターらしからぬ、エライ人に気を遣う人やなぁ」と思ったけど、その全うな神経が自分を追いつめちゃっているのでは? 「この映画を当てなきゃね。皆の期待に応えなきゃね」というやる気が空回りしちゃっているようで、ちょいと笑いが寒ッ。本作品のテイスト的には、笑わせながらも“調子に乗ると痛い目に遭うぜ”という人間の愚かさを描いた『トゥルーマン・ショー』と同様のライン。再び役者としての評価を得るために奮闘したけど、悪ふざけが過ぎるギャグが満載。次に期待。

 イン・アメリカ 三つの小さな願いごと

(c) 2002 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
『マイ・レフトフット』『父の祈りを』のアカデミー賞監督ジム・シェリダンの最新作。10歳の少女の目を通して、家族の再生を感動的に描いた感動作。本作はアメリカに移住した際の監督自身の実体験がベースになっており、貧困や癒されぬ過去と向き合いながらも希望を失わない家族の絆の大切さが込められている。キャストは 『マイノリティ・リポート』や『モーヴァン』での活躍が目覚しいサマンサ・モートンや『グラディエーター』のジャイモン・フンスー。
日本公開: 12月13日
(シャンテ・シネ他)
上映時間: 1時間46分
配給: 20世紀フォックス映画




ドラァグ・クイーンにも平気であいさつする素直な妹と、ビデオカメラにしか自分の秘密を明かさない地味な性格なのに歌ったら天使の声を持つ姉。この映画の魅力は、この姉妹のかわいさに尽きる。姉役のサラ・ブルジャーの歌声が完璧で、彼女が歌う「デスペラード」を始め、選曲センスがまた抜群。気になったのは、小顔なのに脱いだらすごいことになってるサマンサ・モートン。いくら暑いといって、ノーブラにキャミソール、短パンでアパートを歩き回るのはどうか。「ジャンキーと女装オカマしか住んでないアパート」で、子どもたちがハロウィンのいたずらをするより、そのカッコの方が心配だ。ブラジャーのストラップがよじれていたのは、役作りなんだろうか。気になるんですけど。


子役が出る作で、泣かされそう……と聞いただけでほとんどパスしたくなる。が、これは別。移民の一家がNYに不法入国して、貧しいながらも毎日を頑張る。幼い少女たちが初めて光きらめく摩天楼を見たときのウキウキした表情には、見てるこちらがうれしくなるほどだ。この家族にとって、NYに来たことは大事な家族を亡くした悲しみから立ち直るためだけど、個人的に似たような経験した身としては共感。ま、物語としてはちとキレイすぎる向きはあるけれど、子役たちの天使のようなかわいさ、純真さには救われて、心洗われた気分になれる。イーグルスの「デスペラート」や、映画『E.T.』の使い方も心憎いほどうまい。年末年始、ホッと一息つくにはこーゆー映画が観たい。


どうしてこうも画一的なんだろ。愛する人を亡くした者が、何かによって癒され、再生していく“喪の仕事”の物語というのは。大体、狂乱して、泣くじゃくって、一人大騒ぎ(東京国際映画祭で上映された『フェザーズ・イン・マイ・ヘッド』もそうでした)。確かに、そういう人もいるかもしれない。でも本作品のサラ(サマンサ・モートン)の場合はどうよ。息子を亡くしたとはいえ、彼女にはまだ2人のカワイイ娘がいる。売れない俳優とはいえ、家族を大切に思ってくれている夫もいるのだ。あまりにも母親として、妻としての自覚がなさ過ぎ。夫と散々エッチした後「あの子(息子)の目と一緒」と言い放ち、背中を向けるなんて最低だ。「こんな女にゃなりたくないな」と、反面教師にさせて頂きます。

  息子のまなざし

『ロゼッタ』でカンヌ国際映画祭のパルムドールを受賞したダルデンヌ兄弟の最新作で、最高傑作との呼び声が高い。近年、世界的に多発する少年犯罪をテーマに、最も憎い人間と向き合うこと、そしてそれを受け入れることを問う問題作だ。音楽を一切使わず、主人公と同じ目線で撮られた手持ちカメラによる映像はあまりにもリアルで、ドキュメンタリーのような錯覚を生む。主演のオリヴィエ・グルメは、カンヌ映画祭で史上最少の台詞による主演男優賞を受賞した。

日本公開: 12月13日
(ユーロスペース)
上映時間: 1時間43分
配給: ビターズ・エンド




普通だったら、誰も好んで観に行かないようなビジュアル。サエないオッサンと悪そうなガキが主役だ。実際の役柄もそのまんま。で、カメラは延々オッサンの姿を追ってゆく。ところが、これがめちゃめちゃスリリングな話であった。このコンビが思いもよらない行動に出るからだ。理由あって距離を置きたいオッサンとその距離感に気を許して、どんどんオッサンに近づいてく子ども。やっとオッサンが心を決めて彼に近寄れば、子どもは逃げ出していく。その微妙なやりとりにも、いちいち心痛めずにはいられない。少年犯罪が横行する世の中だが、果たして彼らに与えられる刑はそれに見合っているのか。こんなサエないビジュアルなのに、いろんなことを考えさせられる。かなりパンクな一作。


見終わってからも、いろいろと考えさせられた作。主人公は風采の上がらない中年オヤジ。多くを語らず、かなり度の強いメガネをかけた彼の眼は一体どこを見ているのかわからない。そんな主人公が、一人の少年の出現以来、激しく動揺する。カメラはそんな彼を背中越しに捕らえながら、彼と少年の関係を小出しに見せるのだが、この映画の中身を知らないと、挙動不審な彼こそが少年を脅かす犯罪者のように思えてしまう。それほど彼の前に現れた少年が子どもなだけに、彼らの関係があらわになると、余計にその後の成り行きがサスペンスフル。コワい。未成年による犯罪というか蛮行が増加する現在、ラストシーンの後まで、罪をどう贖い、罪をどう許すのかを観客に問う作だと思う。


「愛する人を殺したヤツを受け入れることが出来るか」。もの凄く奥が深く、自分の 内面を見つめさせられる作品である。怨念深い自分は絶対無理。“目には目を”とま ではいかないまでも、とても同じ職場で働くことなんて出来ない。ましてこの映画に 出てくる加害者の青年の態度ったら、ちーっとも反省しているように見えず、余計に 腹が立つ。この少年にこそ、“三軒茶屋駅裁判”で話題になった、さだまさしの名曲 「償い」を聞かせてやりたい。ところで全然関係ないけど、主演のオリヴィエ・グル メって、水木しげるの漫画に出てくるサラリーマンにソックリ。くたびれた親父を演 じさせたらピカイチだね。

イラスト:micao
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曲目リスト
1.ウェイ・オブ・ライフ
2.スペクターズ・イン・ザ・フォグ
3.テイクン
4.ハード・ティーチャー
5.トゥ・ノウ・マイ・エネミー
6.アイデルズ・エンド
7.セイフ・パッセージ
8.ローニン
9.レッド・ウォリアー
10.ウェイ・オブ・ザ・ソード
11.スモール・メジャー・オブ・ピース


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プライベートライフ
●苦境を乗り越え、トップスターに
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コラム
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ゲイル・ハーマン
橘高 弓枝

 

 

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