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ヴィゴ・モーテンセン来日インタビュー『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』

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文・取材:高山亜紀

いよいよあの大ヒットシリーズが最終章の幕を開ける。果たして、指輪はどうなる? 旅の仲間たちの行方は? 大注目の話題作「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」とともに、アラゴルン役のヴィゴ・モーテンセンが前作に続き、またまた来日してくれた。映画では、1作ごとに王としての自信とオーラを徐々にまとっていった彼。素顔も同じように変化を遂げた。前回の来日時は長髪にカウボーイハット、とワイルドな印象だったが、今回はスーツ姿で髪もバッサリとカット。王としての風格すら感じさせる、 ダンディーな男に変化していたのだ。

Q:いよいよ第三部、公開ですね。旅の仲間たちにこれでもう、会えないかと思うと残念で……ヴィゴさんはどんな気持ちですか?
ヴィゴ(以下V):僕もちょっと残念だよ。予定が変わって、再撮もしたけど、なかなか仕事を終わらせたくなくてね。まあ、でもこれで終わりじゃないよ。知ってのとおり、エクステンデッド・バージョンもきっと公開されるはずだし、それでまた新しい場面もいっぱい観られるはずだからね。大丈夫、期待してほしい。

↑ヴィゴに日本のおみやげとして松尾芭蕉の「奥の細道」(英語訳付き)をプレゼントしました。芭蕉は読んだことがあったそうですが、この本は初めて手にしたとよろこんでくれました。

それにトールキンの原作にも「物語は永遠に続いていく」と書いてあるだろう。映画も物語のエンディングと同じように、結論は出しているけれど、あそこはまだ通過点なんだ。旅の仲間たちもこれからまだまだいろんなことを経験していくんだろう。それに僕も物語、映画から学んだことがいっぱいある。それを活(い)かして生きていきたいと思うよ。「もっと頑張ろう」「他人を理解しよう」「この考えで本当にいいのか。ときには変える必要もあるんじゃないか」とか、自分の行動に責任があると意識するようになった。僕の演じたアラゴルンは指導者になるわけだから、自然体でいるだけじゃなくて、ふさわしくなれるよう意識的な努力も必要だったからね。

もし、君がバイオリン奏者で、最高の演奏を今夜できたとしよう。賞をもらったり、周りの人から称賛されたりするかもしれない。でも、それで終わりじゃないだろう? 常に練習していかなければならないよね。絶対とはいわないけど、努力しなければ、すぐに下降線をたどってしまうよ。人生とはそういうもの。だから物語は続くんだ。
トールキンの原作で得た素晴らしい教訓を胸に、生きていけばいい。僕もこの作品で学んだことを大事にして生きていくから、みんなにもそうしてほしいんだ。そうすれば、僕らの心に旅の仲間たちはずっと生き続ける。そうそう、3月にも僕の主演映画「オーシャン・オブ・ファイヤー」のプロモーションで来日するんだ。だから、またきっと会えるよ。

Q:エルロンド(ヒューゴ・ウィービング)が鍛え直したアンドゥリル(北方の王国に伝わる宝剣)は普通の剣よりもとても長くて、アクションシーンは大変だったのではないですか


V:しばらくしたら、慣れたよ。もちろん、それだけ練習したんだけど。実は刀を持ってじ~っとしているよりは、振り回すほうがちょっとだけ楽なんだ。それに、本当に刀を振り回したら疲れるものなんだから、映画でも疲労感が出せた方がリアルでしょう。本当に頑張ってるって、わかってもらえると思うな。映画がヒットしたのも、画面に真実がにじみ出てるからだと思うんだ。メークや動き、細かいことをいえば、きりがないけどね。本当に研究したし、頑張ったよ。

↑芭蕉を読みふけるヴィゴ

Q:撮影で使った馬を買い取ったって聞いたんですけど、本当ですか

V:そうなんだ。僕らはすごくいい関係になれたんだよ。撮影には2頭の馬を使っているんだけど、そのうちの1頭が彼。他の馬の代わりで、僕と同じように、最後の最後になって、出演が決まったんだよ(ヴィゴは降板したスチュアート・タウンゼントの代わりに撮影が始まってから、キャスティングされた)。
彼が現れたときは、立場的にも僕と似てることもあって、すごくシンパシーを感じたね。知的で、力強い馬なんだけど、実は映画には出たことがなかったんだ。

撮影初日はバトルシーンだったから、彼も苦痛だったみたいで、どうしていいかわからず、いきなり暴れるわ、ほかの馬を蹴(け)るわ……「こんな馬と何か月もやっていけるのかなぁ。まいったなぁ」なんて思ってたくらい。

だけど、ある日、撮影が終わって、疲れ果てた自分がふと見ると、彼も疲れ果てていて、何となく話しかけてみたりして……。そうやって徐々に距離を縮めてつきあっていくうちに、彼もだんだん忍耐力もついてきたっていうか、安心してくれてね。カメラの動きも認識できるようになって、ついには素晴らしい演技をしてくれた。

2作目で僕をピックアップしてくれる馬、あれは彼なんだよ。最初、頑固だった彼が、結局、僕に気を許してくれるようになった。そこまでいい友だちになると離れがたいものだよね。

対訳 おくのほそ道
松尾芭蕉:著/ ドナルド・キーン:原著/宮田雅之:翻訳
¥2,000

このシリーズで一気に世界的な人気者になってしまった彼。けれど、決して奢(おご)らないその姿勢はアラゴルンそのまま。分刻みのスケジュールなのに、決して、いいかげんではなく、むしろ丁寧過ぎるほど、じっくり話をしてくれた。旅の仲間たちが現場以外でも、彼をリーダーのように慕っていたという。3月に来日するときにはいったいどんなキャラクターになっているのだろう。

(『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』は2月14日より丸の内ピカデリー1他にて公開)

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