シネマトゥデイ

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ジョン・ウー監督の新作、「ペイチェック 消された記憶」は消された記憶をたどり、運命を切り開く男の姿をスリリングに描く近未来サスペンス。主演は「パール・ハーバー」のベン・アフレック、「キル・ビル」のユマ・サーマンと豪華なスタッフ、キャストが名を連ねる。去る2月23日ジョン・ウー監督とベン・アフレックが揃って来日をした。モデルで女優としても活躍する川原亜矢子さんも花束贈呈に駆けつけ、華やかな会見となった。


ジョン・ウー(以下J):日本に来ることが出来て、とても興奮しています。また、皆さんのサポートと友情に心から感謝しています。今回の作品『ペイチェック』に関わったベン・アフレック、ユマ・サーマンを含む全てのスタッフが、ベストの仕事をしてくれたことを誇りに思っています。今日は会場にお越しくださった皆様にも、ベストのものをお届けしたいと思います。

ベン・アフレック(以下B):東京に来るのはいつも楽しみにしていて、とても名誉なことだと思っているんだ。特に今回はとても誇りに思っている映画を持ってこられただけでなく、長年大ファンだったジョン・ウー監督作で来日することができて、とてもうれしい。彼と共にこの場所に立つということをとても名誉に感じているよ。


■日本には美しい女性が多いね


(川原亜矢子さんによる花束贈呈)
Q:川原さんの印象はいかがですか?
J:私は背の高い女優さんが好きなんです(笑)。何か特別の雰囲気を持っていらっしゃる、素晴らしい女優さんだと関心しているよ。
B:とても美しくて、素晴らしい人だと思うね。日本の伝統で気に入っていることの1つは、記者会見に来ると、美しい女優さんから花束をもらえることだね。アメリカでは監督と共演者でキャンペーンするだけだからね。
J:日本には本当に美しい女性が多いんだよ。
B:そうだね、綺麗な人ばかりだよ。

Q:監督にお聞きします。ベン・アフレックさんの魅力とは何でしょうか。
J:ベンと仕事が出来てとてもうれしく思っているんだ。彼にはカリスマ的な魅力があるし、とてもチャーミングだ。いつもジョークを言って周りの人を幸せにしようとする、温かい心の持ち主でもあるんだ。演技も非常にリアルで自然に演じることのできる役者だと思うよ。特に今回の主人公のマイケルはスーパーヒーローではなくて、普通のコンピューターエンジニアなんだ。だから血の通った生身の男でなくてはいけないんだ。そういった面でもベンはぴったりだったと思うよ。しかも彼はいい俳優であるだけでなく、素晴らしいフィルム・メーカーでもある。実際に若いフィルム・メーカーにチャンスを与える活動もしているので、尊敬しているんだ。また、彼はケーリー・グラントを思わせるエレガントで人に好かれる雰囲気も持っている。さらに、若者特有の生きることへの情熱のようなものも表現できるので、本当にいいキャスティングができたと思っているよ。



■高倉健さんの大ファンなんだ/ジョン・ウー


Q:日本の俳優で気になる方はいますか?
J:ケン・タカクラ(高倉健さん)ですね。とにかく子供のころから大ファンで、いつか一緒に仕事をしてみたいと思っているよ。あと、アキラ・コバヤシ(小林旭さん)は私のアイドルです。それと、タケシ・キタノ(北野武さん)は素晴らしい監督であり、俳優だと思う。他にも日本には素晴らしい俳優さんが大勢いると思うよ。

Q:本作は記憶の削除がキーポイントになっていますが、ベンさんには個人的に消したい記憶はありますか?
B:ああ、あるよ(笑)。でも、この映画でも言っていることだけど、いい記憶であれ、悪い記憶であれ、全ての記憶がその人の人生を作っていくということなんだ。だからそれを消すなんてことは良くないと思うな。Q:原作者であるフィリップ・K・ディックの小説のテーマでもあるように、テクノロジーの進歩に人間が追いつけなくなるというような不安を感じたことはありますか?

B:テクノロジーの進歩は危険を含んでいると言えるだろうね。この映画はフィクションだかけど、かなり近いところまで人類はきてるんじゃないかな。例えば、遺伝子を操作して生まれる赤ん坊の性別を決めたり、なんてことは実際に起きていることだよね。今まで神の領域だったことを、人間が行なうことに対して、この映画やディックの小説は警告しているんだ。


Q:監督はSFがあまりお好きでないようですが、今回SF作品を監督した理由をお聞かせください。
J:そうだね、正直SF作品はあまり好きじゃないよ(笑)。私が好きなのはストーリーなんだ。『フェイス・オフ』もSFだけど、あの作品はコンセプトが気にいったから撮ったんだ。今回の『ペイチェック』もとてもストーリーが面白いし、なにしろ脚本が巧妙に書かれていたことに惹かれたね。例えば人物が非常に人間味溢れていたし、散りばめられたアイテムもいいアイディアだと思った。また、テーマ的にも「人間は自分の考えによって、生きる道を変えていける」というのは、あらゆる人が勇気づけられるメッセージなんじゃないかな。実は最初の脚本は、もっと特撮っぽいものだったんだ。でもそういったシーンは80パーセントほどカットして、より人間ドラマに焦点を当てた脚本に書きかえたんだよ。その方がスリラーとしても、サスペンスとしても面白いし、より感情的で心に響く作品になると思ったからなんだ。私がSF作品を好きじゃない理由は、何故かいつも暗くて、落ち込むような気分になるものが多いからさ。そしてブルーでグレーでうっとうしくて、悪いことばかり起きるんだ。私はそういったものは好きじゃないので、『ペイチェック』はハッピーな映画にしようと考えたんだ。未来は明るく、人間もいい人が、いるんだという希望を持たせるエンディングにしたかったんだ。主人公のマイケルも決してギブアップせず、前進する前向きな男にしたんだ。


■家に『男たちの挽歌』のポスターを貼ってある/ベン・アフレック


Q:香港映画界の第一人者であるジョン・ウー監督と組まれた感想はいかがですか?
B:香港映画がアメリカに入ってきた90年代頃から見ているよ。ある友人が「素晴らしいからぜひ見てみろ!」と言われて観たのが『新 男たちの挽歌』と『男たちの挽歌/最終章』だったんだ。信じられないような映画の撮り方だったから、何度も何度も繰り返して観たよ。アメリカの映画と比べて、とても新鮮に感じたね。あまりにもファンになったのでポスターまで買って家にあるから、いつか監督にサインをもらわなくっちゃな(笑)。以来香港映画のファンになったけど、中でも一番素晴らしい監督はジョン・ウー監督だと思うな。アメリカに招かれた後の作品ももちろん、素晴らしいと思うよ。ハリウッドのいいところは、海外で活躍している素晴らしい才能の持ち主を見つけ、アメリカでもチャンスを与えるところだね。そして監督は素晴らしい作品を安く、そして早く作ることができるんだ。これは非常に価値あることだと思う。そんな監督と一緒にクレジットに名前が並ぶということは、とても名誉なことだね。


Q:多額の報酬の為に記憶を消す人と消さない人の違いはなんでしょうか。
B:2種類の人間がいると思うんだ。その境目はお金に対する考え方にあると思う。主人公のマイケルは映画の冒頭では、お金第一、仕事第一の人間だったんだ。でも彼は恋をして、生きるということの価値を知る。そのことによりもう一方のグループ、つまり人生はお金のために犠牲にしてはいけないと考えるようになるんだ。できることなら僕自身もそう考える人間でいたいと思うよ。Q:好みの女性についてお聞かせください。また、日本の女性についてどう思いますか。
B:あはは(笑)、そうだなー。これといって好みはないよ。日本にはたくさん美しい女性がいると思うよ。これでいいかな(笑)。
J:私は妻を愛しているからな(笑)。あー、日本には美しい人が多いと思うよ。私は物静かなんだけど、ちゃんと笑うような明るい女性が好きなんだ。あと、私自身が料理好きだから、女性も料理がじょうずな人がいいな(笑)。実は昔から日本のアイドルの司葉子さんのファンなんだ。彼女はとてもエレガントで知性もあるし、たおやかな古典的な美人だと思うね。


■マット・デイモンと今年の夏は何かにとりかかろうと計画してる


Q:親友のマット・デイモンはフィルム・メーカーとしての時間がなかなか取れないとおっしゃっていたんですが、ベンさんはいかがですか?
B:そうなんだ、お互い忙しくて一緒に映画を作ることが出来ないんだよ。去年は『ペイチェック』を撮っていたし、その頃マットは『ボーン・アイデンティティ2』を撮っていたんだ。でも、今年の夏は何か取り掛かろうという計画はあるんだよ。最近思うのは、『グッドウィル・ハンティング』を書いていたときは、他に仕事がないから時間は山ほどあった。でも今となっては、待っていても時間は出来ない。時間は自分たちで作らなくちゃいけないってことを認識したよ。だから今年の夏は2人で時間を作ろうと考えているんだ。


Q:ゲームメーカーのセガと何かゲームの企画あるようですが、そのことについてお聞かせください。
J:セガとコンピューターゲームの企画が2つあるのは事実だけど、それは『ペイチェック』とは関係ないものだよ。でも素材としてはいいかもしれないね。


Q:監督は、日本俳優の高倉健、小林旭、北野武さんらそれぞれをどの作品で注目されたのですか?
J:高倉健さんは『駅』だね。あの映画の舞台である北海道が気に入ってしまって、「いつか北海道に行きたい」と、友だちと話しているんだ。他にマカオで撮られた作品は何だっけ? 丹波哲郎さんの『ならずもの』だったかな? あれも好きだよ。石井輝男監督のスタイルが好きで、感情を表現するのでとても上手だと思う。実はあの作品にインスパイアされて『男たちの挽歌/最終章』を撮ったんだ。小林旭さんは、ギターを抱えて貧しき者や弱き者を助けるというイメージがあるね。とてもチャーミングな俳優だと思うよ。北野武監督の作品は、今特に名前は挙がらないけど、とにかく全部観ているよ。彼の撮る映像は1つ1つが絵のようで、非常に画家としての才能がある人だと思う。あと、彼のブラック・ユーモアも好きだね。彼の演技に関しては、顔をちょっと作っただけで、(顔マネをしてみせるジョン・ウー監督)微妙な表現が出来てしまうからすごいね。


■ユマはセットに来る時必ずいいアイディアを持ってくる


Q:ベンさんはジョン・ウー監督の映画作りから学んだことはありますか?
B:ジョンから学んだことはたくさんあるよ。特に1つ挙げるなら、彼は映画を撮り始める前にすでに頭の中で編集が終わっているという監督だということかな。他の監督だと何が撮りたいのか自分でわかっていない人とかもいるんだ。そういう監督は、不安だから、いろんな角度から撮っておきたがるんだよ。結局は1カットしか使わないのに、無駄だよね。それって俳優にとってはとても辛いことなんだ。その点ジョンはカメラの置く位置、動かし方など、全てのことが前もってわかっているんだ。これは俳優にとって非常に助かるんだ。自分の演技に集中して、そのシーンに全エネルギーを注ぐことができるからね。もし僕も監督のようにあらかじめ頭の中で映画を作っておくことができれば、第2のジョン・ウーになれるだろうね。でも、その才能は彼独特のものだから、僕には無理だな(笑)。


Q:ヒロインのユマ・サーマンの魅力についてお聞かせください。
B:彼女はとても美しくて、頭もいい女性だ。『バロン』のころから仕事をしているから、若いけど経験豊富でプロフェッショナルな仕事をするんだ。つまり今までにたくさんの監督や俳優たちと仕事をしてきているから、ナーヴァスなところが無く自信を持って仕事が出来るんだよ。だから僕としても共演しやすかったよ。また、いつも2人のかわいい子供たちをセットに連れて来ていて、母親としてもとても素晴らしい女性だね。彼女は本当にチャーミングで可愛い女性だと思うよ。
J:彼女は芯が強くて、独立心も旺盛なプロフェッショナルと言えるね。セットに来ると必ずいいアイディアを持って来てくれるし、誰とでも気さくに話すんだ。また演技に関してもいつもきちんと準備されていて、カメラの前に立つと直ぐに撮れるようになっているんだよ。また、女優さんというのはカメラ映りがいいように常に気を使うものだが、彼女は違う。ある時私が彼女の髪が顔にかかっていたので直そうとしたら、「いいの」と手を払いのけられたんだよ(笑)。「自然に映ることが重要だから、少しぐらい乱れていてもいい」って言うんだ。ベンもチャーミングな俳優だから、2人が共演している姿はとても相性が良かったと思う。ロマンチックな面も面白い面も盛り込もれていて、とてもよい仕上がりになっていると思うよ。(文・取材:FLiXムービーサイト)

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