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『亀は意外と速く泳ぐ』上野樹里 独占インタビュー

取材・文:平野敦子 写真:FLiXムービーサイト

『スウィングガールズ』の大ヒットで一気にブレイクした上野樹里。彼女の最新作はなんだかよくわからないけれど、ついむふふ……と笑ってしまう魅力にあふれた脱力系コメディだ。かなりの美少女である彼女に平凡な主婦を演じさせること自体無理があると思うのだが、本人の持つ天然っぷりがうまく作用し、何とも言えないビミョーに力の抜けた作品に仕上がっているのが楽しい。明るく元気な彼女に作品の魅力について語ってもらった。

■どこかワンテンポずれた彼女

Q:つい出来心で女スパイになってしまう主婦"スズメ"を体当たりで演じた感想は。

とにかく最後までスズメとしての自我を崩されないようがんばりました。自分がスズメになりきることに必死でしたね。私自身の目を通してではなくて、スズメとして周囲の人を見ている感覚を忘れなければこの映画は成立すると思ったんですよ。だって私がスズメになりきってさえいれば、どこかワンテンポずれた彼女のおかしなリアクションをお客さんも一緒に楽しめるじゃないですか。

Q:そうそうたるベテラン俳優さんたちに囲まれて緊張しませんでしたか?

緊張はしなかったですね。とにかくしっかり頑張ろうと思いました。

■不安だけど……

Q:では、今回は自信があったということですね。

いえいえ、自信なんてありませんでしたよ(笑)。監督にも「わたし、不安なんですが大丈夫ですかねぇ……」って言っていたぐらいですから。そうしたら監督が「感じたままに素直にリアクションしてくれているからそのままで大丈夫だよ」と言ってくれたのでほっとしました。終わったときは不安で一杯でしたね。でも出来上がった映画を観てみたらすごく面白くて、自分でもびっくりしちゃいました(笑)。いやぁ、やっぱり監督ってすごい人だなぁ……と本当に感心しました。

Q:撮影は大変でしたか?

はい、それはもう! 階段の上から落ちて来る大量のりんごを転んで全身で受け止めたりして、顔とかにもバンバン当たっていたましたし、いやぁ~、あれは本当に痛かったんですよ~。あとはワイヤーアクションもやったし、川に飛び込むシーンももちろんスタントなしで自分でやりましたから。そのシーンのときは、下に高飛び用のマットを敷いた船が用意されていて本当にそこに飛び込んだんです。一発OKなのは良かったのですが、ひざとあごをガーンってぶつけてしまって……。あれは本当に痛かったですね。でも「大丈夫です、大丈夫です」とか言って普通に撮影を続けていました(笑)。けっこう体力的にこの映画「やるなぁ~」とか思っていましたから。

■平凡な主婦

Q:平凡な主婦の役作りはどうやったのですか?

監督に「私まだ17歳なんですが、なんでこの役を私にしたんですか!?」って聞いたんですよ。そうしたら「スズメというキャラクターを主体に選んでいるので、主婦という部分を描きたいワケではないんです。だからそこらへんは上野さんは考えなくていいです」って言われて開き直りました。共演も年の近い蒼井優さんでしたし、お互いに主婦じゃないですしね。2人が全然違うキャラクターを演じるので、その違いを楽しんでもらえればと思います。

Q:自分は役に入り込むタイプだと思いますか?

あぁ、はい、そうですね。脚本を読んでいるうちにその役に引き込まれるというか、役にひきずられるというか。私不器用なのでふたつのことがいっぺんにできないんですよね。だから一つの作品に集中してやらせていただくと一番うれしいです。

Q:一人でいるときは何をしているんですか?

最近デジカメを買ったばかりなのでよく写真を撮ったりしていますね。朝起きて「朝日の写真撮ろ~う」とか、帰って来て「夕日の写真撮ろう」とか。あとは花とか。人物より風景の写真を撮るのが好きなんです。

■最近人の視線を感じるかも……

Q:最近街で声をかけられたことはありますか?

今まで声をかけられたことなんて全然なかったんですよ。ただTVドラマ「エンジン」に出始めてから徐々に人の視線を感じるようになりました。電車とかでこっちは普通にしているんですが、なんか最近こちらをちらちら窺う人が出始めたなぁ~とか思って。それでつい意識してぎくしゃく歩いてしまうところがスズメみたいだなぁ……とか(笑)。ここのところ電車に乗っても無意識にこう人から見えにくいところに寄ってみたりとか、人が乗って来るとちょっと顔を伏せてみたりとかしているんですよね(笑)。

Q:めちゃくちゃ意識しているじゃないですか(笑)!

あはは、そうですかねぇ~。でも仕事をしているときとか、撮影しているときって普段の自分じゃないんですよ。街を歩いているときとか、自転車をこいでいるときとかは私もその他大勢のうちの一人じゃないですか。だからそういうときはみんなと風景に溶け込んでいるエキストラの気分だったりしますね。絶対に私だってバレない自信があります。街に潜伏して女スパイを実践していますから(笑)! 

Q:では、最後に上野さんのファンの方々に一言お願いします。

はい。今回は『スウィングガールズ』のように巻き込む側ではなくて、巻き込まれる側でコメディをやっているので、最初から最後まで脱力系ギャグの世界にとにかくひたって、観客の方々に満足して帰ってもらえたらうれしいです!

レトロな服装で現れ、「これって亀っぽいですよねぇ~」とにこにこしながら大きな声ではきはきとインタビューに応じてくれた上野樹里。彼女の映画そのままの生まれながらの天然ぶりに、ついこちらも頬がゆるんでしまう。そのもの怖じせず、冷静な判断力と観察力に長けた姿に将来の大物女優の姿が垣間見えた。内側からオーラを放っている彼女の今後の成長と活躍がとても楽しみだ。

『亀は意外と速く泳ぐ』は7月2日よりテアトル新宿にて公開。

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