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佑子の韓流日記

わたしのヨン様をもとめて? それとも仕事で新境地を開くため? はっきりした理由は本人にも謎のまま、直感だけを信じ、いきなり韓国へ留学した安田佑子のエッセイです!

~韓流日記20~ 韓国の年明けキーワードは王の男にスクリーン・クウォーター
今韓国では映画界から発信された2つのキーワードが社会現象にまでなっています。一つは“王の男”。もう1つは“スクリーン・クウォーター”です。『王の男』(仮題)は韓国で大ヒットした映画のタイトル。「スクリーン・クウォーター」は韓国映画を守るために韓国政府が定めた法的処置で、一年間に上映しなくてはならない韓国映画の日数の事を言います。政府が上映義務日数を現行の半分に減らす改正案を発表した事から、ソウルは連日のようにそれに反対する映画スターたちがデモをしています。スクリーン・クウォーターについては次回またお話するとして、今回は『王の男』(仮題)を紹介いたします。
観客動員が1000万人突破!これぞテーハミングの力。  
韓国でも誰もが驚いた『王の男』(仮題)の観客1000万人突破。
映画の中の劇中芸も見どころの1つです。
『王の男』(仮題)で登場する王、燕山君と韓国のノ・ムヒョン大統領とを比較した企画がニュースで流されました。
綱渡りの演技をするため、自宅の庭にも綱を張り練習したというカム・ウソン。
この作品とドラマ「マイ・ガール」でスターの仲間入りをしたイ・ジュンギ。次回は金城一紀原作で日本でも映画になった『フライ,ダディ,フライ』韓国版に出演します。

『王の男』(仮題)については、韓流日記18の冒頭でも少し触れていますが、2005年の年末に封切になった時代劇映画です。時代劇、しかも同時期に公開された『キング・コング』や『タイフーン TYHOON』と比べれば低予算作品の上に、チャン・ドンゴン級の国民的大スターが出ているわけでもない。

それなのにそれなのに、なんと観客動員数が1000万人を超え、韓国映画史上現在3位。1位の『ブラザー・フッド(1174万人)』、2位の『SILMIDO/シルミド(1108万人)を追いかけています。

ちなみに今まで韓国映画で1000万人の動員を超えたのは上記2本と『王の男』(仮題)の3本だけです。
 
『王の男』(仮題)評判はクチコミでどんどんうわさが広がって、400万人を突破したあたりから、「わ、そんなにすごいなら観に行ってみようかな」という人だけでなく「よっしゃー。記録に挑戦だー」という国民が続出! ちょうどタイミングよく、この『王の男』(仮題)に主演しているイ・ジュンギが、準主役で出演したドラマ「マイ・ガール」が高視聴率で終わり、『王の男』(仮題)を何度も観に行くジュンギのコアなリピーターも登場。さらには、面白くないと2週間くらいで打ち切ってしまう韓国の映画館までが、年末からの継続ロングラン(お正月映画で2月中旬の段階で大規模上映しているのは『王の男』(仮題)だけ)。

そして追い討ちをかけるように、スクリーン・クウォーターの改正を政府が打ち出し、それに反対する一人デモを行ったチャン・ドンゴンが「韓国映画の義務上映日が減ったら『王の男』のような実験的な映画は上映されなくなるのでは?」と発言するなどしてまた大きな話題に。

そうして国民をあげて1000万人突破を果たしたのでした。

 
「王の男」(仮題)はどんな映画かと言いますと・・・・  
『王の男』(仮題)は朝鮮時代の宮廷芸人の物語。風刺のきいた芸で大衆の人気をつかんだ芸人のジャンセンとコンギル。

王を侮辱する芸をしたとして捕まるが、王までを笑わせる事に成功し、宮廷づきの芸人になる。しかし、男でありながらも女性的で美しいコンギルに目を留めた王はコンギルを呼び出し……。当時の権力社会を風刺するとともに、王と後宮、ジャンセンとコンギルの4人の間に繰り広げられる嫉妬のドラマです。ジャンセンを演じるのは『結婚は狂気の沙汰だ』のカム・ウソン。男臭く、不器用でありながらも信念を貫くジャンセンの微妙な感情が見ていて切ないです。

コンギルにはこの作品で時の人となったイ・ジュンギ。なんとジュンギは『ホテル・ビーナス』に出ていたんですよ。おーー! 言われてみれば^^。『王の男』(仮題)では劇中芸で女形を演じるジュンギ。俳優が合わないとこっけいでさむーく感じる女形をしっくり演じていて、きゃしゃで中性的な美少年系のジュンギが、まさにコンギルのハマリ役だったというのがわかります。
 
「王の男」(仮題)の人気の秘密とは?  
『王の男』(仮題)はもともと2000年に数々の演劇賞をさらった韓国の戯曲「爾」を映画化したものです。

舞台では官能シーンも大胆と聞いていますが、映画ではそんな目が飛び出るようなシーンはないのでご安心を(え。残念?)。

朝鮮戦争を背景した兄弟愛の『ブラザーフッド』、実際に起こった悲劇的な事件をベースにした『SILMIDO/シルミド』。確かに『王の男』も、暴君として知られた朝鮮時代の王・燕山君(ヨンサングン/1467-1506)時代の背景、衣装、大衆芸、民衆や貴族の暮らしを見ることができ、低予算ではありながらも韓国ヒット・ムービーの条件「韓国人だからこそ理解できる歴史的背景」という点ではクリアしています。

でも、恋愛部分はほとんど重視されていない2作品に対し、やっぱり『王の男』(仮題)は少し色が違います。

ぶっちゃけ、「同性愛」という言葉のイメージだけでは老若男女1000万人は見に行きませんよね。
でも作品を実際見てみると、男同士の愛情という刺激も与えてくれながら、全体の映画自体を誰もが共感できるようにうまく大衆化したところにヒットの秘密があると思います。

ある韓国の議員が「映画がシンドロームを作るということはその時代と今がオーバーラップしていることが多い」 として、燕山君とノ・ムヒョン大統領を比較するブログを書いたことで、またさらに韓国社会の話題になり、『王の男』(仮題)は動員記録を更新中です。

面白いのは、今ハリウッドでもカウボーイ同士の愛情を描く『ブロークバック・マウンテン』が人気を博し、アカデミー賞で今回最多8部門にノミネートされていましたよね。むー……やっぱり2006年は普遍の愛ブームかも。
 
 


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