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清木場俊介
『天国は待ってくれる』
女友だちから彼氏の話をされたら、
少し嫉妬(しっと)しますよ!
『天国は待ってくれる』清木場俊介 単独インタビュー

取材・文:平野敦子 写真:亀岡周一

EXILEの元ボーカルとして活躍し、現在は清木場俊介の名前で音楽のみならず、幅広い分野で活動する彼が『天国は待ってくれる』で映画初主演を果たした。幼いころからの親友同士が一人の女性を愛するという男女の微妙な関係を描いた本作で、清木場自身が自分にそっくりだと認める一本気な青年・武志役を好演。同時に井ノ原快彦の歌う「春を待とう」とともにダブル主題歌となる「天国は待ってくれる」も担当する。一見硬派な彼の口からは、次から次へと撮影秘話や恋愛観、友情や家族についてなど、楽しい話が飛び出してきた。

■寝ている演技が一番難しい

Q:まずは映画初出演の感想について聞かせていただけますか。

もともと俳優をやりたいという希望があったわけではないのですが、何度かこのようなお話をいただいて、今回映画に出させていただくことになりました。とても楽しくて勉強になりました。

Q:いくつもお話があった中で、この作品を選ばれた理由について聞かせてください。

まずは台本を読んで感動したんです。まだそのときには自分が武志の役をやるとは聞かされていなかったので、どっちの役なんだろうな……と漠然と考えていました。ただ、武志の武骨な感じがまさに自分そのものだったので、きっと自分がやるのは武志しかないだろうと感じていました。

Q:今回役作りで苦労されたところはありましたか?

3年間意識がないという役どころなので、寝ている演技が一番難しかったです。しゃべるより無言の演技が大変でした。僕は普段おしゃべりなので、周りが笑ったりしているのに黙っていなきゃならないのが大変でした。しかも、「カット!」の声がかかっているのに本当に寝ていることが何回かありました(笑)。暖かい場所で目を閉じてベッドに横たわっていると、ついウトウトしちゃうんですよね。

■歌も芝居も自然体が一番

Q:魚を見るのも食べるのも釣るのもお好きだということですが、築地市場の撮影で思い出に残ったことは何かありますか?

マグロのセリをやらせてもらえたことです。実際に営業中の市場で撮影をしたので、緊張感あふれる雰囲気の中、何度か指の合図も含めたセリのやり方を教えてもらって、必死でやりました。これが一本という意味のピン(と親指を突き出す)で、ピンピンピンピン……とセリをやるんですよ。これが1、2、3、4、5……あれ、違うなぁ~(と指の合図を実演してくれる)。これを一瞬の間にやるわけですから大変ですよ。

Q:歌とお芝居ではどちらが難しいですか?

やはり自分は役者として勉強がまだ足りない分、芝居が難しいですね。どこが一番難しいというのではなくて、セリフの言い回しから始まり、俳優同士のかけ合いや芝居の間の取り方のコツをつかむのが難しかったですね。

Q:いしだあゆみさんや蟹江敬三さんというベテランの俳優さんたちと共演されて、その芝居を見て勉強されたのでしょうか?

僕のレベルでは、勉強できる、できないの話ではないですよね。皆さんはすべてを超越した方々ですから。いしださんには「演技しようとせずに、あなたはそのままでいきなさい」と言われました。たとえば一つのセリフを言う場合、怒っても、棒読みでも、感情を消してもいいだろうし、正解がないんですよね。映画というのは監督がその言い回しを気に入るかどうかにも左右されますし、そのバランスが難しいです。だからいろいろな演技のパターンを持っているのがいい役者さんなんだと思いますね。

■男女の友情は成立しない

Q:これは幼なじみの男女3人の話ですが、自分が武志だったらどうしたと思いますか?

同じように薫に告白したかもしれないですね。昔から武志も宏樹も薫のことを好きだったわけですから、きっとその思いは伝えるんじゃないでしょうか。

Q:清木場さんははっきり思いを伝える方ですか?

言いますね。むしろ言わなくていいことまでつい言い過ぎてしまうので怒られてしまいます(苦笑)。でも「好き?」と聞かれるのはイヤです。「うん、好き」って素直に言えないので、「ん、あぁ……」って言いますね(笑)。そういうのが言えない分、一緒に食事に行ったりしたいタイプです。

Q:では、男女の友情は成立すると思われますか?

友だちを選ぶときに、好きだから友だちになると思うんですけど、それが女性だと僕の場合、気になって仕方がないんですよ。友だちだと言い聞かせれば言い聞かせるほど好きになってしまうんです(笑)。女友だちから彼氏の話をされたら、ちょっとイラっとしますもん。イノッチ(井ノ原快彦さん)にも聞いてみたんですが、彼も男女の友情は成立しないって言っていましたから。女の人はあるって言うんですが、それって絶対ウソだと思います(笑)。後で「結局好きになっちゃった」とか言うんですよね(笑)。

■不器用ってすごいことなんだ!

Q:武志と自分の共通点はありますか?

まっすぐすぎる所ですかね。みんなまっすぐな人のことを"不器用"って言うんですが、それって失礼ですよね!? 僕は「不器用ってすごいことなんだよ」と声を大にして言いたいです。今は、やたらと器用なヤツばかりが増えていますが、僕は自分の信念を貫くべきときは、貫くべきだと思いますね。それはもちろん自分勝手とは違います(笑)。

Q:日本男児という感じでかっこいいですね。

日本男児ぶっているんですよ(笑)。僕は父親にそういう育て方をされましたから。中学生の男の子に普通の親なら「真面目になれ」って言うでしょう? ところがうちの父親は「普通になれ」って言いましたからね。普通になるっていうのはある意味、真面目になるよりも難しいですから。そのとき「何言いよるんやろうか、このおっさんは!?」と思いました。でも今は父親の言った言葉の意味が分かります。それを中学生のときに求められたオレは何なんだろうと思いますよ。一度父親に聞いてみたいんですが、聞いたところで「そんなこと言ったかいのう?」で終わるんですよ、きっと(笑)。

Q:清木場さんはお父様に似ていらっしゃるんですね。

どうかなぁ……。でも周りの状況を一瞬でぱっと判断してしまうところは似ているかもしれません。そこで気を遣ってしゃべったり、明るく振る舞ったりするのは母親似なんですよ。両方の疲れる部分だけを受け継いで生きた結果「不器用だね」って言われるんですから……。すごく周りに気を遣ってるんですけど、誰も気付いてくれないんです(笑)。

Q:では、最後に今後の俳優業について聞かせてください。

俳優一本で命賭けてやっている方もいらっしゃるので、そういう方から見れば僕なんて役者にするのか歌手にするのか、どちらかにしろよと思われるんでしょうね。そんな僕に、もしハマる役があったり、僕を選んでいただけるというのであれば、いくらでもチャレンジしてみたいと思います。

歌手として成功し、今回俳優としてもスタートを切った清木場俊介は、常に周りを楽しませようとするエンターテイナーだった。すべてを紹介できないのが残念だが、彼はこちらがハラハラするぐらい正直に自分を語り、時折子どものように無垢(むく)でチャーミングな笑顔をみせてくれた。人間として不器用なまでにまっすぐに生きる彼の姿はまさにこの映画の武志そのものだ。歌い手として、そしてもちろん俳優としての今後の彼の生き方に注目せずにはいられない。

『天国は待ってくれる』は2月10日より全国ロードショー。

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