シネマトゥデイ

大沢たかお&伊東美咲
『Life 天国で君に逢えたら』
気持ちよく仕事ができたので、いい家族が作れました
『Life 天国で君に逢えたら』大沢たかお&伊東美咲 単独インタビュー

取材・文:鴇田崇 写真:田中紀子

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プロウインドサーファーとして日本人で唯一、8年間ワールドカップに出場し続けた飯島夏樹の半生と、彼を最期まで支えた妻・寛子と子どもたちの愛ときずな、生きる意味を描いた『Life 天国で君に逢えたら』が完成した。飯島さんが肝細胞ガンに侵され、その病床でつづった原作本「天国で君に逢えたら」「ガンに生かされて」を映画化した本作で、飯島夏樹を演じた大沢たかおと妻の寛子を演じた伊東美咲に、本作にまつわるさまざまな話を聞いた。

■お互いに、いい影響を与え合えた

Q:完成した映画を観た感想はいかがですか?

大沢:そうですね。自分が想像していた以上にしっかりとした、そしてさわやかな作品になったんじゃないかなと、手前みそですが、そう思いましたね。

伊東:死というものが描かれる作品ではあるんですけど、みんなが本当にきらきらと輝いていて、観終わった後に優しさに包まれるような、すてきなストーリーに仕上がっていました。観終ったあとは、その余韻に浸ってしまいました。

Q:夫婦役で共演された感想はいかがですか?

大沢:伊東さんとの共演は初めてだったんです。こういう言い方をしていいのか分からないんですが、とても素直でピュアな方だと思いました。こんなにいろんなことが響く女優さんも珍しいと思います。仕事をしていてやりやすかったですし、とても気持ち良かったです。学ぶことも多くて、本当にいい時間を過ごさせていただきましたね。いい家族を作れて良かったなぁって。本当に伊東さんの力によるところが大きかったんで、すごく感謝しています。最初に会ったときは“この人、テレビに出ている人だ! CMで見たことあるよ”って思いました(笑)。このことをいつ言おうかなって思っていたんですけど、いう雰囲気ではなかったので、今初めて言いました(笑)。いやぁ、うれしかったですよ(笑)。

伊東:わたしもそうですよ(笑)。学生時代から知っていました! 現場では大沢さんがいらっしゃったから、すべてを乗り越えられましたね。お芝居に対する情熱、家族との向き合い方、子どもたちや妻役のわたしへの接し方もそうですけど、本当に“ついていきたい!”と思える方でした。そこは夏樹さんとリンクする部分でもあって、いつも大沢さんの背中を見ながら、どこまでもついていこうという気持ちで演じていました。

■愛する人を失う恐怖をどう乗り越えていくか

Q:実話ということで気を付けたことなどは?

大沢:“こんなの飯島夏樹さんじゃない”って言われる可能性があるわけですし、夏樹さんは文句を言えないわけですよね。こっちの一方的な行為だから、なるべく一方通行にならないように考えてきたし、夏樹さんのお子さんたちにとってマイナスにならないような作品にしなきゃいけない。そういうところではとても気を使いましたね。

伊東:実際にわたしと大沢さんが子どもたちとちゃんと向き合って、そこに愛の形があれば、ご家族の方が伝えたいメッセージが伝わるんじゃないかなっていう気持ちで演じていました。その思いが伝わればうれしいですね。

伊東:家族の話だけじゃなくて、愛する人を失う恐怖もあるし、残された家族や周りの人たちを支えていかなくてはいけないという難しい役どころでした。それを自分がどう表現するかが、演じる上で大きなテーマでした。寛子さんにお会いしたときにうかがった、「つらいときこそ、2人が歩み寄る力が大きかったんだよ」という言葉を心において演じていました。

Q:飯島寛子さんはハワイの現場にも足を運んでいたそうですが、お2人は寛子さんとどんなお話をされたのですか?

伊東:そうですね。ハワイのロケ中には、毎日のようにお子さんたちと一緒に現場に来てくださったので、お話をする機会はたくさんありましたね。お手紙をいただき、励まして下さいました。

大沢:普段は世間話ばっかりでしたけどね(笑)。

Q:夏樹さん本人に似ていると言われたとか?

大沢:面と向かって「似ていない」とは言えないじゃないですか(笑)。一応「似ている」って言っておかないと、だと思いますよ。いい人ですからね(笑)。

■家族がいるからこそ乗り切れる

Q:劇中では家族の触れ合いを描くシーンが多かったですが、家族に対する考え方は変わりましたか?

伊東:自分の家族や友人、すべての人に対していつも“ありがとう”という気持ちで接したい、そしてきずなや愛情というものを大切にしたいという気持ちが大きくなったので、それがこの映画でわたしがもらったものではないかと思います。

大沢:本当にそう思いますね。家族って素晴らしいし、家族がいるから乗り切れることってたくさんあると思う。普段それを考えているかといえば意外と考えてなくて……。いるのが当たり前なのが家族ですからね。そういうことを改めて感じましたし、夏樹さんやご家族の方に教えられた気がします。

Q:クランクアップの日は寂しかったんじゃないでしょうか?

伊東:全身全霊をかけて演じたので、寂しいというよりは、達成感や喜びの方が強かったです。大沢さんやスタッフのみなさんと、いろいろなシーンのことを語りながら、クランクアップの日を迎えられたことがとてもうれしかったですね。

大沢:伊東さんやスタッフを含めて、緊張の糸が張り続けていた撮影だったんで、本当にクランクアップのときはホッとしました。そのときにみんなでしゃべったり、ご飯を食べたり、お酒を飲んだりしたのが、すごく楽しかったですね。子どもたちは「寂しい」って泣いていましたけどね。

■監督は森の中から……

Q:監督はどんな演出をされたのですか?

大沢:あんまりリクエストはないよね? いつもどこにいるのか分からない監督で、「新城監督どこ?」「森の中にいます!」「ああ、いたいた、あそこでモニター見てるよ!」みたいな(笑)。のびのび芝居ができたし、言いたいこと、やりたいことが全部できました。

伊東:何かあれば自分たちで声を掛けにいくという感じです(笑)。

大沢:撮影が進めば進むほど、どんどん距離をとろうとするんですよ(笑)。クランクアップのときなんか、もうどこにいるか分かんなかったほどです(笑)。

Q:出演されたことでご自身の中で変化はありましたか?

伊東:わたしはまだ未婚なので、結婚して子どもができたときに、この作品をまた違った視点で感じられるときがくると思います。今は撮り終えてすぐなので、無事に終わって良かったっていう達成感でいっぱいですけど。

大沢:死は必ず訪れるわけで、もし自分が同じような立場になったら、きっと自暴自棄になって、一番見せたくない姿を見せて、ダメになっちゃうのが自分なのかなぁって思っていたんです。でも、この作品や飯島夏樹さんに触れたことによって、そういうことがいつか起きたときに、飯島夏樹さんやこの作品を知る前とは違う行動や感情が出てくるのかなと思いました。そこはすごく感謝しています。何かをもらっているんだなって思います。

■家族のあり方やきずなを感じてほしい

Q:映画をどんな人たちに観てほしいですか?

伊東:死というものがありながらも、前向きに生きた家族のあり方ですとか、きずなや愛情というものを感じていただける作品です。なので、世代を問わず、本当にたくさんの方々に観ていただきたいと思っています。

大沢:これから家族を作る人たち、もう家族がいる人たちにも、子どもたちにとってもすごくいい映画だと思います。親の思いもすごく分かるし、いろんな要素がいっぱい込められているんで、本当にいろんな人たちに観てもらいたいと思います。

クランクアップしてから間もないこともあり、インタビュー現場に現われた2人は劇中で演じた飯島夫婦を思わせるほどの仲の良さで、映画同様に飯島夫妻が目の前にいるようなたたずまいだった。2人の表情には厳しい撮影を乗り越えた達成感と、命とは? 家族とは? を問いかける感動作を作り上げた充実感があふれていた。実話の映画化に挑める素質を持った本物の俳優の姿を垣間見た。そのプロ根性をぜひ本編でも確かめてほしい。

『Life 天国で君に逢えたら』8月25日より日劇PLEXほかにて公開。

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