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今週のクローズアップ レニー・ゼルウィガー

週末に公開される話題の映画の中から、気になる人物をご紹介します。今週は、9月15日公開『ミス・ポター』のレニー・ゼルウィガーをクローズアップします。『ブリジット・ジョーンズの日記』での体当たり演技も記憶に新しいレニー。体重の増減は自由自在、コメディからシリアスまで何でもござれ、キュートなド根性アクトレスの来し方を振り返ってみましょう。

遅咲きの元テキサス・チア・ガール

 リンゴ色のホッペをプーっと膨らませ、お口をすぼめた見返り美人のキメポーズ。レニー・ゼルウィガーといったらまずこの様子を思い浮かべる人は多いはず。シャープなのか、柔和なのか、幼いのかアダルトなのかよく分からない、玉虫色のような多面性が魅力の顔立ちは、スイス人の父とノルウェー人の母からの授かり物です。1969年4月25日テキサス生まれテキサス育ち、テキサス大学在学中はチア・リーディングに熱中するという、明るく健やかな青春を過ごしていたであろうレニー。そんな彼女が演技に目覚め女優を志すようになったのは、大学で演劇の授業を受講したことがきっかけだったそうです。


 大学卒業後、舞台やCMなどで経験を積んだ後、1993年ついにレニーは映画デビューを果たします。その作品とは、青春映画の大傑作として名高い、リチャード・リンクレイター監督の『バッド・チューニング』です。若き日のミラ・ジョヴォヴィッチ、ベン・アフレックなどなど、後のスターの坩堝(るつぼ)であったこの映画。このときはセリフなしの端役だったレニーですが、後のスターといえばもちろん、彼女だって例にもれず。それどころか、ほかのどの出演者よりもビッグネームに昇り詰めることになるなんて、一体誰が想像したでしょう!

 
Albert L. Ortega/WireImage.com
おなじみのキメポーズ!
『ザ・エージェント』

 1996年に公開されたキャメロン・クロウ監督、トム・クルーズ主演の『ザ・エージェント』で、トムの相手役を演じ、一躍注目の的となったレニー。オーディションで彼女を見いだしたクロウ監督の慧眼(けいがん)はさすがです。この映画の主人公は、スポーツエージェンシーのやり手エージェント、トムふんするジェリー・マグワイア。ある出来事をきっかけに良心に目覚め、会社のアコギなやり方に疑問を抱くようになった彼は、その思いを提案書として書き上げ提出します。しかし案の定会社を解雇され、担当していた多くの選手を会社にとられてしまい、切羽詰まってしまいます。そんな彼に付いてきてくれたのは、彼の提案書に感動し、心を動かされた会計係、レニーふんするドロシーだけ。そして、たった1人残ったクライアントであるアメフト選手のロッド(キューバ・グッディング・Jr)とともに、ジェリーの奮闘が始まる……という筋のこの作品は、1人の人間が突然良心に目覚めるというドラマティックなテンションの高さで幕を開け、そこから先、いばらの道を突き進むことになってからの試行錯誤を通して再びドラマが高揚していく波が心地よい、一歩踏み込んだサクセス・ストーリーです。


 レニーが演じるのは、ジェリーの心意気にほれ込み、ビジネスパートナーとして一緒に過ごしていくうちに恋に落ちる、26歳子持ちの未亡人です。控えめで地味な役柄ながら、表情は豊かなレニーはとてもキュートで印象に残ります。胸に甘えたくなるような母性も存分にまとっていて、穏やかな野の花が咲いたような雰囲気が、映画を観終えた後も目を閉じると浮かんでくる、そんな低温やけどのような魅力が、この作品でのレニーにはあるように思います。アカデミー賞作品賞、主演男優賞などの受賞で注目されたこの作品への出演は、レニーの名を一躍世界に広めることになりました。

 

Jim Smeal/WireImage.com

1996年のレニーさん

『ブリジット・ジョーンズの日記』

 ハジけた役もどんと来いのレニー。『ベティ・サイズモア』(2000)や、ファレリー兄弟の『ふたりの男とひとりの女』(2000)などでは、キュートなコメディエンヌの才脳を存分に発揮しています。そしてそれは、2001年、役作りのためにドカンと体重を増やして主演に挑んだある映画で爆発し、レニー旋風を巻き起こすことに……! その映画とは、言わずと知れた大ヒット映画、『ブリジット・ジョーンズの日記』です。ヘレン・フィールディングの同名ベストセラー小説の映画化であるこの作品で、32歳、独身OL、飲んだくれのぽっちゃりヘビースモーカーを正に体当たりで演じたレニー。ボリューム感たっぷりの体がスクリーンの四辺をバウンドするかのような躍動感をたたえたレニーの演技は、鬱憤(うっぷん)だまりでエネルギッシュ、アッパーでハッピーな映画の雰囲気を1点に表わしているかのよう。レニーのチャームポイントでもある、大きなお尻がボヨヨ~ン大公開! という出血大サービスも、この映画の見どころの1つになっています……(?)。


 文字通り体を張ったかいがあったのか、この作品でアカデミー賞主演女優賞候補となったレニー。ところが、彼女の快進撃はそこで終わったりはしません。『ブリジット・ジョーンズの日記』はほんのステップに過ぎなかったのです。2002年にミュージカル映画『シカゴ』で再び主演女優賞にノミネートされた後、2003年、ついに『コールド・マウンテン』で助演女優賞を獲得と着実にキャリアを重ねてきた彼女は、今やすっかり押しも押されぬセレブリティに定着したのでした。

PAUL CHEDLOW_20/MIRAMAX/UNIVERSAL/The Kobal Collection/WireImage.com
『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)
『ミス・ポター』

 すっかり大物女優感の定着したレニー。そんな彼女の最新出演作が、いよいよ日本で公開されます。世界中で愛されているキャラクター、ピーターラビットの生みの親、ビアトリクス・ポターの、波乱万丈で愛に満ちた生涯を描く『ミス・ポター』。レニーは、時代が押し付ける制約に屈することなく、自らの信念を貫き成功を手に入れた強き女性、ポターを演じています。


 ポターが生きていた当時のイギリスでは、いまだヴィクトリア朝の封建的な空気が支配しており、上流階級の女性が仕事を持つことが許されない時代でした。そんな時代に生まれながら、ポターは大好きな動物たちを絵本にし、出版するというアーティストとしての道を突き進み、大きな成功を収めます。そして、一生に1度の大きな恋に出会いますが、そこに立ちはだかる試練は酷なものでした。しかしポターは前向きに新たな夢を見つけ、どこまでも前進し続けます。これまでも、たくましく生きる女性を演じることの多かったレニーですが、今回演じる女性はまた格別です。重みのある役柄ですが、現在のレニーの役者としての存在感に十分見合ったハマリ役。熟れきったレニーの今を、スクリーンでご堪能あれ!

(C) UK Film Council/Hopping Mad Distribution(IOM)Ltd 2006 All Rights Reserved.
『ミス・ポター』(2006)
文・構成:シネマトゥデイ編集部

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