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渡辺謙
『アース』
素晴らしい地球を感じることで、その先に見えてくるものがある
『アース』渡辺謙 単独インタビュー

取材・文:シネマトゥデイ 写真:鈴木徹

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世界中で大ヒットした『ディープ・ブルー』のスタッフたちが、再び集結し、これまで見たことがないような地球の神秘を撮影した『アース』。各国で著名人がナレーションを担当している本作。日本代表として観客を“アースの旅”に案内するコンダクターを務めるのは、『SAYURI』『硫黄島からの手紙』など、ハリウッドで最も活躍している日本人俳優の渡辺謙。現在はロサンゼルスに在住、日米で活動している彼に、『アース』について、そして本作が描く“テーマ”について語ってもらった。

■子どもたちと一緒に、とにかく圧倒された

Q:作品をご覧になった感想を聞かせてください。

とにかくもう圧倒されましたね。隣でワーッとかオーッとか息子が言っている横で、こっちも叫びながら、あっという間に観てしまいましたね。もともと自然に興味があって、アメリカのケーブルテレビで有名なディスカバリーチャンネルは、うちの子どもが結構好きなので一緒に観ていました。

Q:作品の“主演”である“地球”はいかがでしたか?

仕事上、いろんなところに連れて行ってもらっているんですが、この作品ではこれまで見たこともない風景や動物の生態、行ったこともないような場所の映像を見せてもらいました。

Q:今回担当された、“コンダクター”という役割について教えてください。

単純に地球っていうだけではなくて、この星の中にこんなに素晴らしい瞬間がたくさん詰まっているということを、交響曲のように奏でている映画なんです。だからそれを僕が、タクトを振らせてもらって、ご覧になっていただいた方と一緒に共鳴していく。それが僕の役目です。地球や動物自体は何も語らないんですが、とてもたくさんのことを教えてもらえる気がしました。

Q:ナレーションをしていく中で、特に気を付けたことはありますか?

この映画は感情移入してしまうシーンがたくさんあるんです。過酷なシーンだったり、すごくユーモラスだったり、切ないシーンだったり、母性愛、慈愛だったり……。だから僕は、僕が感じたものを、そのままストレートにぶつけていこうと思ってやらせていただきました。

■ホッキョクグマとの出会い

Q:北極圏に行かれたことがあるそうですが、ホッキョクグマをご覧になったことはありますか?

あります! 子グマ2頭と遭遇したんですけど、やっぱり子どもとはいえどう猛な動物なので、一定の距離以上には近づかないようにしました。彼らを見て思ったんですが、えさを獲るのが大変なんですよ。彼らのえさであるアザラシがあがってくる時期を待つのも大変だし、長い距離を移動もしなきゃいけないし、もちろん寒いし。寒いと言っても、僕らとはずいぶん違う感覚だとは思うんですけどね。

Q:一番印象的だったことは何ですか?

エンジントラブルだったりとか、エンジンを引っ張るロープが切れたりとかが毎回あったんです。そのたびに助けを呼ばなきゃいけなくて、誰かがもう一度港まで戻ると、6時間かかるわけですよ。もしかしたら、このうちの誰か1人が犠牲にならなきゃいけないのかって、誰かが死ぬかもしれないってまじめに思ったのは初めてでした。でも、ホッキョクグマたちは毎日そういう思いをしているんですよね。だからそれは人ごとではないというか、“クマごとではない”と思いました。

■日常レベルで感じる、環境への危機感

Q:現在地球では、異常気象が増えています。実際の生活をしていく上で、昔と比べて気候の変化を感じるのはどういったときでしょうか?

やっぱり夏はちょっと異常ですよね。こんな時期にこんな嵐は来ないよねっていうこともあるし、異常な暑さだったりとか、変な時期に台風が来たりとか……。日常のレベルで地球に対して危機感を感じます。

Q:いろいろな国へ行かれている渡辺さんですが、エコへの取り組み方で興味深かった国はありましたか?

特に、アメリカにいる時間が長くなっているんですけど、ギャップがすごいんですよ。いまだにゴミも分別していないところもあるし、缶もリサイクルというよりは、とりあえず燃えないゴミだけはこっちみたいなところもあります。国土が広いとか、多種多様な人種がいるとか、いろんな問題があると思うんですよ。街をちょっと外れると砂漠もあるし、草も生えていないようなところもあるし、水もそんなに潤沢にあるわけではないしっていう意味で言うと、本当はもっと切迫している国だと思うんです。そう思うと、日本はエコに対する意識が高い国だと思いますね。

Q:これから映画をご覧になる方に、見どころを教えてください。

環境問題とは何だとかそういうことを1回取っ払って、とにかく観てほしい。その中で、まずこの素晴らしい地球を感じてください。そうしたら必ずその先に見えてくるものはあると思います、とにかくまず、そのスケールを感じてほしいと思います。

現在、家族とともに外国で暮らしている渡辺は、いつも冷静に物事を観察している。自分が住んでいるアメリカに関しても、「アメリカに来て、ネクラなアメリカ人もいるんだなっていうことを知りました(笑)」と意外な印象を話してくれた。ハリウッドでも、セレブたちが集まるパーティーには顔を出すこともせず、穏やかに暮らしているという渡辺は、いつでも謙虚だ。“謙虚に穏やかに、自分たちの生活を通して地球を慈しんでいきたい”と感じたという渡辺が案内する『アース』を観て、少しずつ地球を慈しむようになってもらいたい。

『アース』は1月12日より全国公開

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