シネマトゥデイ

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『スピード・レーサー』
ウォシャウスキー兄弟が、初めて日本のアニメを観たとき衝撃を受けたんだ
『スピード・レーサー』製作発表inベルリン

取材・文:シネマトゥデイ

映画『マトリックス』シリーズの大ヒットで、その名を全世界の人々の記憶に刻んだアンディ・ウォシャウスキーとラリー・ウォシャウスキー(以下、ウォシャウスキー兄弟)。彼らが『マトリックス』シリーズの次に選んだ作品は、なんと日本のアニメ「マッハGoGoGo」を実写化した『スピード・レーサー』だった。日本での公開が7月5日と迫ってきた今、日本の真田広之を含むメインキャストのすべてと、プロデューサーのジョエル・シルヴァーがコメントしたベルリンでの製作発表の様子を改めて公開する。

■ウォシャウスキー兄弟が初めて観た日本のアニメは「マッハGoGoGo」

Q:なぜウォシャウスキー兄弟は『マトリックス』シリーズの後の監督作として、この題材を選んだのでしょう?

ジョエル・シルヴァー:彼らは昔からテレビアニメ「スピード・レーサー」(以下、テレビアニメの場合、テレビアニメ「マッハGoGoGo」と同じ意味)の大ファンだった。二人が子どものときに初めて見た日本のアニメは「スピード・レーサー」で、それによって世界にはこんなにもアメリカのアニメとは違うスタイルのものがあるということを知り衝撃を受けたんだ。それまで彼らはフリンストーンのアニメや「ヨギ・ベアー」(邦題「クマゴロー」)を観て育っていたからね。それともう一つの理由として、これまで彼らは万人向けのビッグ・ファミリー映画というのものを作ったことがなかった。だから今回、念願のテレビアニメ「スピード・レーサー」を映画化するとともにフレッシュなアイディアによるファミリー映画を作ろう思ったんだ。

Q:あなたはずいぶん前からこの企画に携わっていると思いますが、ファミリー映画という以外に、ウォシャウスキー兄弟にはどんなアイディアがあったのでしょうか。

ジョエル・シルヴァー:映画作りというのはとても時間がかかるものだ。僕らはこれを実現するのに11年かかったけど、それはなかなか最良の方法が見つからなかったからなんだ。ウォシャウスキー兄弟が僕のオフィスに来て、「これまでやられたことがないような方法で映画化したい」と言ったとき、僕はすでに彼らとさまざまなやり方で仕事をしていたから、すぐに「やろう」と答えたんだ。ウォシャウスキー兄弟は素晴らしい脚本家でもある。とてもパワフルでエモーショナルな素晴らしい本が書ける。だからこの作品もユニークでフレッシュな面白いものになると思うし、同時に、オリジナルのテレビアニメ「スピード・レーサー」のエッセンスもキープできると思う。なぜこの作品がそれほど面白いのかという点を彼らは知り尽くしているからね。

■主演のエミールは6歳のときに「スピード・レーサー」と出会う

Q:主演のエミール・ハシュさんにうかがいます。テレビアニメ「スピード・レーサー」との出会いはいつでしたか? またウォシャウスキー兄弟との仕事はいかがでしたか?

エミール・ハシュ:僕は6才のときに「スピード・レーサー」のアニメを観たんだ。実際その年に俳優に成りたいと思って父親に「俳優になりたいんだ」って言った。だから僕にとってその当時の思い出には常にテレビアニメ「スピード・レーサー」がある。ウォシャウスキー兄弟はとてもスマートだよ。二人が常に向き合っていて、まるでマトリックスのネオとエージェント・スミスのように、お互いの考えていることがわかってしまうんだ。だから僕にとってこうした、2つの素晴らしいマインドと一緒に仕事をすることは、とてつもないコラボレーションであり、やりがいのあることだった。

Q:クリスティーナ・リッチさんにうかがいます。この映画への出演はどのようにして決まったのですか?

クリスティーナ・リッチ:わたしはオーディションを受けたわ。トップシークレットの脚本が送られてきて、わたしはウォシャウスキー兄弟の大ファンだったから、とても興奮した。以前に「スピード・レーサー」のアニメを目にしたことはあったけど、あまり詳しいことは知らなかったの。だからまずアニメをもっと観て勉強したわ(笑)。この役を演じることになったとき、すでにエミールが決まっていて、彼はとても親切だった。この作品にかかわっているみんながとてもよくしてくれているわ。ウォシャウスキー兄弟と話すのは、すごくエキサイティングだった。彼らは先見性のある独創的な人たちよ。『マトリックス』があのジャンルに革命をもたらしたように、今回もファミリー映画というものに革命をもたらしてくれるんじゃないかと期待しているの。それにかかわれることはエキサイティングだわ。

■「日本人として光栄」と語る真田広之

Q:真田広之さん、このアニメはアメリカでもドイツでも放送されています。あなたは多分、日本で放送されていたのを観ながら成長されたと思いますが、ほかのアニメと比べてどんな点がスペシャルだと思われますか。

真田広之:そうですね。僕はまさにテレビアニメ「スピード・レーサー」(前述のとおり「マッハGoGoGo」のことです)を観て育った世代なんです。スピードは僕のヒーローでした。ですから、今ここにいることにとてもエキサイトしています。当時は毎週テレビ放映があるのを楽しみにしていました。もちろん素晴らしいレーシング・シーンやアクション・シーンがあるのが楽しみでしたし、それだけでなくスピード・レーサーから多くのことを学びました。栄光や正義について、ときには愛や友情のために戦わなければならないということ。それはとてもユニバーサルなメッセージだと思います。ですからこうしたアニメーションが今再び、インターナショナルなキャストでリメイクされるのはとても喜ばしいことです。日本人として、このような日本のカルチャーが世界に紹介されることはとても素晴らしいと思いますし、この企画に俳優として参加できることを光栄に思います。

Q:真田さん、あなたが演じるのはどんな役柄なのでしょうか。また、ウォシャウスキー兄弟と最初に会った印象を教えてください。

真田広之:僕は“ムシャ”という男を演じます。エンジンの会社を経営している男で、ミステリアスでファニーな変わった男で、スピードの家族とは申し分けないことにちょっと敵対的な関係にあります。ウォシャウスキー兄弟とは3、4年前に一度会う機会がありました。その後今回のプロジェクトの脚本をもらって、とても心を動かされました。というのも、スピード・レーサーの神髄がすべて詰まった素晴らしい本だったので、とてもエキサイティングしたのです。

■チョン・ジフン出演の理由はスーザン・サランドンのファンだから?

Q:チョン・ジフン(Rain)さん、あなたはほかのハリウッド映画へのオファーもあったように思いますが、なぜその中でこの作品を選んだのですか。またあなたは歌手としても有名ですが、俳優としての展望を聞かせてください。

チョン・ジフン:この作品を選んだのはタイミングの問題が大きかったと思います。ウォシャウスキー兄弟に会ったとき、彼らはプリプロダクションの最中で、わたしはその規模に圧倒されました。これは期待を超える作品になることは間違いないと思いました。だからこの作品を選びましたし、ジョエル・シルヴァーとウォシャウスキー兄弟にはとても感謝しています。またほかのキャストに関してですが、僕は以前からスーザン・サランドンのファンでしたし(※スーザン・サランドン、驚いてジフンを振り返る。その反応に一同笑い)、インターナショナルな素晴らしいキャストばかりで、その中に参加できることをとても光栄に思っています。

Q:マシュー・フォックスさんはテレビを観ないで育ったそうですが、この映画のためにどれぐらいオリジナルのアニメシリーズを見たのですか。

マシュー・フォックス:とりあえず参加することになってすぐに、すべてのDVDを買いに走りましたが、ウォシャウスキー兄弟と会って話をして、この映画の全ぼうが見えてくるにつれ、ノスタルジックな意味合い以外でオリジナルを観ることが役作りの助けになるのかどうかはわからなくなってきたんです(笑)。いずれにしろ兄弟がオリジナルを愛してそのスピリットを継承しようとしているのは明らかですから。でも、いつか時間があるときに観るつもりではいますよ。

全世界のマスコミが集まったこの会見で、通訳を付けずに記者の質問を聞きとり、堂々と英語で自分の気持ちを英語でスピーチしていた真田広之の姿は日本人としても、誇らしかった。また、会見に欠席したウォシャウスキー兄弟の代わりにプロデューサーのジョエル・シルヴァーが映画の製作内容について語ってくれ、その代役を果たしてくれたがやはり、ウォシャウスキー兄弟の姿を見られなかったのは残念だった。しかし、彼らの作りだす新たな世界が、どんな言葉で語るよりも雄弁に映像で語ってくれるに違いない。

(C) 2008 Warner Bros.Ent. All Rights Reserved.

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