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ただ本作でやりたかったことは、彼らに対して安易な判断を下すのではなく「何がやりたいのか? どう1日を過ごしたいのか?」というようなことの問いかけなんだ。‐ジョナサン・ラヴィン監督‐~この人の話を聞きたい~ その26:1994年のニューヨークを舞台にした話題の映画『ザ・ワックネス』(原題)に出演しているオリヴィア・サールビー、ジョシュ・ペック、監督のジョナサン・ラヴィンに話を聞いた。
今年のサンダンス映画祭で話題となり、観客賞を受賞した映画『ザ・ワックネス』(原題)。本作は1994年の夏のニューヨークを舞台に、ルドルフ・ジュリアーニ市長の犯罪一掃プロジェクトを背景にした麻薬ディーラーと精神科医の不思議な関係を描いていく。近いようで遠い14年前のニューヨークの姿を懐かしく描き、好評を呼んだ作品だ。
オリヴィア・サールビー
オリヴィア・サールビーQ: このストーリーは14年前を舞台にしていますが、登場人物それぞれに今日の若者に通じる共通点があると思います。それは何だと思いますか?
 
(オリヴィア・サールビー)ちょうどあのころ、ヒップホップがアメリカ文化として認められ始めた時期で、白人の若者でさえも影響を受けていたでしょ? これって今も大して変わらないじゃない? そういった共感があるから、この映画は広く受け入れられたんだと思うわ。
 
Q:あなたのキャラクターは、ジョナサン・ラヴィン監督いわく「自分をフッた女の子たちにささげるキャラクターだ」ということですが、あなたはどう解釈しましたか?
 
(オリヴィア・サールビー)ジョナサン監督は自分を過小評価し過ぎで、謙遜(けんそん)しているだけよ。彼がそれほどモテなかったとは思えないわ。ただこの役はいろいろな顔を持ち、ダイナミックな女の子像であるのは確かね。それに10代の女の子の心理というのは、もともと複雑だわ。一言では言い表せないものだと思うし。
ジョシュ・ペック
ジョシュ・ペックQ:昔から多くのテレビ番組に出演していたあなたにとって、普通の学生が経験するようなことは経験されているのでしょうか?
 
(ジョシュ・ペック)演技については、このニューヨークにあるパフォーミング・アーツ・スクールに通って学び、学校で必要な学科は全部ホームスクールで済ませたんだ。だからほかの生徒とはまったく違った過ごし方をしたけれど、恋愛で失恋をしたことなんかは普通の10代たちと一緒だよね。ただほとんどの時間は仕事に集中していて、長期の休みが取れたとしても、夜通しクラブで遊ぶようなハリウッドセレブのような生活はしたことがないよ。
 
Q:あなたが演じたルークは、すぐに自分の感情を伝えてしまうタイプですが、あなた自身はどうなのでしょうか?
 
(ジョシュ・ペック)もちろんすぐに気持ちを伝えてしまうタイプだよ(笑)! ルークは本当に小心者なんだよ! まあ僕もそうだけど。そういう性格っていうのはどこから来るんだろうね? 僕の学生時代のときもそうだったけど、僕らの世代は結構シングルマザーっていうのが多くなった時期で、そういったところで女性的本能があふれ出てきてしまっているのかもしれないね(笑)。
 
Q:オリヴィア・サールビーとの共演について
 
(ジョシュ・ペック)僕は彼女が大好きだよ! この映画のほかにも、スペースシャトル事故を描いた作品でも共演しているんだ。彼女とは心地良い感じで演技ができたし、今回の彼女のキャラクターは経験豊富な女の子という設定だから、主導権はすべて彼女が握っているんだ! それに彼女の役柄に感情移入する才能は本当に素晴らしいね。自信にあふれていて、鋭い感覚を持ってもいるし、強い女性なんだ。
ジョナサン・ラヴィン監督
ジョナサン・ラヴィン監督Q:1990年代の音楽の選曲について聞かせください。
 
(ジョナサン・ラヴィン)少年時代にハマッた曲というのは、長い人生の中でよく振り返ったりして、何度も聴いたりするよね。本作のサウンドトラックは、まさに僕の成長期のサウンドトラックなんだ。このときに聴いていた曲と、同じような衝撃を現代の音楽に見つけるのは、たやすいことじゃないね。確かに僕が年を取ったり、少し頑固になったからかもしれないけど、これらの曲が単純に素晴らしいんだってことを信じているよ。
 
Q:観客に何を感じ取ってほしいですか?
 
(ジョナサン・ラヴィン)一人は麻薬を扱っていたり、もう一人は無駄に1日を過ごすようなキャラクターだったりと、一般的には好ましくない人々が登場する。ただ本作でやりたかったことは、彼らに対して安易な判断を下すのではなく「何がやりたいのか? どう1日を過ごしたいのか?」というようなことの問いかけなんだ。現実の人々だって、それぞれ日々をどう過ごしていくかの方法を知っているよね。このキャラクターを通して、今一度自分たちが過ごしていく日々について考えてほしいんだ。


本作は一時代の出来事を、ひと夏の恋とともに描いた作品で、肩に力を入れずに観られる。そして知らず知らずのうちに不思議なノスタルジーを感じてしまうのも確かだ。本作を生み出したスタッフ・キャストの今後の活躍に期待したい。
細木信宏 / Nobuhiro Hosoki プロフィール
海外での映画製作を決意する。渡米し、フィルム・スクールに通った後、テレビ東京ニューヨ−ク支社の番組モーニング・サテライトでアシスタントとして働く。しかし夢を追い続ける今は、ニューヨークに住み続け、批評家をしながら映画製作中である。
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