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『ビルと動物園』坂井真紀 単独インタビュー

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『ビルと動物園』坂井真紀 単独インタビュー

年下男子もいいって思いました。やっぱりかわいいです!

取材・文:内田涼 写真:秋山泰彦

日常に行き詰まりを感じるOLと、将来に漠然とした不安を抱える音大生の甘く切ない恋愛模様を描いた『ビルと動物園』。本作で年下男子との出会いを通して、自らを見つめ直す三十路(みそじ)間近のヒロイン・香子を自然体で演じた坂井真紀。今年だけですでに3本の出演作が公開され、今ノリに乗っている彼女が役作りや作品への思いを語ってくれた。

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少しじれったかったヒロイン像

坂井真紀

Q:出来上がった作品をご覧になった感想を教えてください。

自分自身で「こういう恋愛ドラマが観てみたかった」と思える作品でしたね。時間が静かに流れている感じも気に入っていますし、やっぱりオリジナル作品ですからね。出演できてうれしいです。

Q:恋愛ドラマというだけでは言い尽くせない部分もありますね。

そうですね。人が一歩を進むことがテーマになっている作品でもありますね。

Q:坂井さん演じる香子というヒロインの第一印象は? 劇中では少し恋愛に対して憶病な印象も受けましたが。

脚本を読みながら、じれったかったです(笑)。思わずポンと背中を押してあげたかったです。仮に「わたしだったらどうする?」って考えた場合、香子とは違うって部分は多々ありましたね。

Q:それでは演じるのは難しかったですか?

そこは監督といろいろ話し合いをして、香子という女性を想像しながら役柄を作っていきました。やっぱり物事に正解はないじゃないですか。だから香子の選択が正しいとか正しくないとかは言えないです。自分が香子の年齢だったころを振り返ると……香子の気持ち、わからなくはないですね。

Q:ちなみに劇中では「テン(イタチ科の小動物)に似ている」と言われるシーンがありますが、ご自分ではどう思われましたか?

テンって言われても一瞬思いつかないですよね。で、現場にあった動物図鑑を見たら、かわいくて「これならうれしい」って思いました。普段は人からサルみたいって言われることがあります。正直「何で?」って思いますけど(笑)。

新鮮だった年の差カップル

坂井真紀

Q:香子に一目ぼれしてしまう年下の音大生、慎を演じる小林且弥さんとの共演はいかがでしたか?

最初にお会いしたときは、まず「わぁ、背が高いなぁ」って思いましたね。すごくおだやかで、実際慎くんみたいな方でした。それに人との出会いで変わっていける感覚ってあるじゃないですか。そういうものを体感できたので、演技もしやすくて、すごく楽しかったです。

Q:ズバリ、年下男子との恋愛を演じてみた感想は?

年下もいいって思いましたね。やっぱりかわいいです! 物事へのリアクションも初々しいし、見ていると「毎日が楽しいんだ」と思いますね。自分の過ぎ去った何かが思い出されて新鮮でした。

Q:香子と慎くんが動物園でデートするシーンがとても印象深かったです。

動物園に2人で行って、柵の前に並んで動物を見ているって状況だけで、とても甘酸っぱいじゃないですか。そんなことをしたのは久し振りだったので、普通に興奮していましたね(笑)。

Q:物語は慎くんの一目ぼれで始まりますが、一目ぼれという言葉にどんなイメージがありますか?

やっぱり、イコール恋に落ちるみたいなイメージですよね。わたし自身、割と一目ぼれ人生なんで(笑)。

女性の背中をちょんと押してあげられる映画

坂井真紀

Q:先ほども話題に上がりましたが、慎くんとの恋愛を通して、香子は少しずつ前に進んでいますよね。

確かに慎くんの空気みたいなものが、香子の心をジワジワっと開いていく感じがありますね。

Q:具体的に、香子という女性にどんな変化や前進があったと思いますか?

それまでの香子は、窓を閉め切った密室にいるような状態だったと思います。無意識のうちに窓を開けることを避けていた部分もあったかもしれません。そこに慎くんという新鮮な空気が、パーッと部屋に入ってきたという感覚ですね。

Q:最後にメッセージをお願いします。

この映画は恋愛ストーリーといえば、そうなんですけど……すごく人生の話だったり、生きるに近いテーマだったりを描いているんですね。わたしも女性だから、香子みたいに立ち止まりたくなったこともあったので、応援するという意味で、たくさんの女性の背中をちょんと押してあげられる映画だったらいいって。観ればきっと心が温かくなる映画だと思います。


坂井真紀

インタビュー終了後、「映画いかがでしたか?」とまさかの逆質問。何でも男性目線の感想にとても関心があるそうで「普段は見えない女性の気持ちが感じ取れました」と伝えるとうれしそうにほほ笑んでくれた。多くの女性が共感必至のヒューマン・ラブストーリー『ビルと動物園』は、男性にとっても、時に不可解な女性の内面に触れることができる作品なので、女性だけでなく、女心を学びたい男性も必見だ。

(C) 2007「ビルと動物園」製作委員会

『ビルと動物園』は全国公開中

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