『ドラゴン・キングダム』ジャッキー・チェン単独インタビュー

アクションシーンに関して口出しはしない

Q：ジェット・リーさんとのファイト・シーンは素晴らしかったです。アクションシーンについてお二人で相談されたことはありますか？

今回はまったくなかったね。アクション監督のユエン・ウーピンにすべてを任せていたんだ。というのはユエン・ウーピンが僕とジェット・リーが共演するということでかなりプレッシャーを抱えていた。僕が口を出せばジェット･リーも口を出す。そうなると収拾がつかなくなってしまう。僕が口を出さなければ、ジェット･リーも口出しをしない……。僕としてはユエン・ウーピンにあまり大きなプレッシャーを与えたくなかったんだよ。普段なら6割は口を出していたね（笑）。まあ少なくとも半分は口出しをしていたよ（笑）。

Q：ジェット・リーさんと共演した感想を聞かせてください。

今回の共演はすごくうれしかった。彼とは知り合って20数年になるけれど、香港が中国に返還されてなかったころは、ジェット・リーが香港に来てもいつも内緒にしていたんだよ。僕が車で迎えに行って、一緒に食事したり買い物に行ったりしていたんだけれどね。普通の友だちが親友になり、この映画を撮り終えた今ではすっかり兄弟のようになったね。

Q：あなたは酔拳の達人の役でしたが、ジェット・リーがふんしていた孫悟空の役でも良かったのでは？

そうかな……。ジェット・リーの方が、僕は合っていると思うよ。

ジャッキーの今後の予定

Q：冒頭で老人にふんしていますが、最初はあなただとわかりませんでした。

エヘヘ……（照れ笑い）。ありがとう。朝5時に起きて9時間かけて（特殊）メークしたんだよ。とにかく暑くて、顔中がノリだらけで、毎日頭の中がすごくかゆいんだ。ちょっとかゆいなと思うと、ドンドンかゆくなっていくんだ（笑）。暑いから扇風機をあててはくれるんだけれど、中までは届かないからね……。メークを落とすのにも2時間かかったんだ。アルコールを使って落とすからニオイも強烈で、手にものりを塗っていたし、本当にものすごく大変だったよ（苦笑）。

Q：あなたと共演したい人はたくさんいますが、あなたが今後共演したい人はいますか？

う～ん、そうだな。ロバート・デ・ニーロ、ダスティン・ホフマン、アル･パチーノだね。たくさんいるよ。ジョディ･フォスターとも一緒に仕事をしたいね。

Q：アクション以外で、あなたの切ないラブ・ストーリーも観てみたいのですが、今後はわたしたちにどんな姿を見せてくれますか？

脚本次第だね。僕もいろいろ考えているし……。オリンピックが終われば、警察の物語を撮って、その後自分で監督する作品を撮って……。いろんなプロジェクトがたくさんあるんだ。（日本語で）アタマイタイ（笑）。早くリタイヤしようと思ってはいるんだが、プロジェクトが次々に入ってきてしまうんだよ（苦笑）。

家族みんなで楽しめる最高の作品

Q：映画人として長いキャリアのあなたですが、緊張するときはありますか？

ここ数年、まったく緊張したことはないなあ。う～ん、大統領に会っても緊張しないし……ほんとに緊張することってないねえ。

Q：最後にこの映画の見どころとファンへのメッセージをお願いします。

ジェット・リーと僕が初共演したということ、すごく面白いファンタジー映画でもあるということ、エンターテインメント的な部分以外にも教育的なメッセージが含まれているところが見どころだよ。日曜日に家族みんなで観に行って楽しめる映画に仕上がったと思う。あと、映画の中で少年がカンフーを学ぶ場面があるけれど、ほぼ僕自身が子どものころに学んでいたものなんだ。とても厳しいものだったから、今の子どもたちがこんな風にカンフーを学ぶことはないだろうな。