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第8回 セレブ離婚の内側  婚前契約書と巨額な慰謝料の行方

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セレブ離婚の内側  婚前契約書と巨額な慰謝料の行方

皆さんお元気ですか? 今年もすでに11月! ロサンゼルスもかなり涼しくなって、秋めいた日が多くなってきました。でも、たまに気温が30度とかになったりするんですが……(笑)。

さて、秋というと何となく寂しくて別れのイメージがある季節なのですが、先月半ばに特大の別れが報道されましたよね。皆さんもすでにご存知かと思いますが、マドンナとガイ・リッチーの離婚です。前々からうわさはあったものの二人は否定し続けてきたのですが、やはり本当に離婚してしまいました。

というわけで、今日はマドンナをはじめとする、セレブたちのみにく~い離婚の内側レポートを皆さんにお届けしちゃいます。

マドンナ

まずは、マドンナたちの離婚騒動ですが、10月15日に正式発表があって以来、それにまつわるニュース、特にマスコミの注目が集まる彼女の資産分与についての報道内容の目まぐるしい変動ときたら、最近の株式相場も真っ青です! 日曜日には「ガイ・リッチーへの資産分配は6千万ドル(約60億円)!」と報道されたと思えば、月曜日には「いや、そのような事実はない」と報道され、火曜日になれば、「ガイ・リッチーには1,800万ドル(約18億円)で決着!」と発表されたりと、一体何が本当なのかわからない状況です。でも、結局ガイ・リッチーはマドンナ側の弁護士団から、公への黙秘契約をさせられているようで、詳細をマスコミに公表することはありえないようです。


さて、セレブの離婚は、マドンナたちの例を見てもおわかりのように、離婚そのものよりも離婚後の財産分与と養育権について焦点が集まります。それが離婚裁判で一番醜い争いの種になりうるからです。

まずは、離婚後に分配されることになる夫婦間の資産の問題なのですが、西欧諸国では往々にして、「夫婦間の資産は平等に二人のものである」という法律があり、最初に誰がいくら持参しようが、いったん結婚したら財産は二人のもので、離婚時はまん中で真っ二つに分けて分配しなければならないという法律があります。これは、子育てに専念し専業主婦をしてきた女性たちを離婚後の金銭不足から守るために作られた法律なのですが、最近ではマドンナのように女性の方が稼ぐ夫婦も多々で、ましてやセレブの稼ぎ出す収入といえば国家予算並みであるのは皆さんもご存知の通りです。


離婚時にゴッソリと財産を持っていかれないようにと、スターたちは往々にして結婚前にプリナプ(Prenuptial Agreement)という婚前契約書を交わします。これは、「万が一離婚になった場合、自分の持ってきた以外の財産は請求しません」という、何ともロマンのない書類です。ただ本当にロマンがないので、今回のマドンナとガイ・リッチーのようにプリナプを交わさないカップルもいるのですが、こういった場合は離婚後に資産分与でもめるといったケースも珍しくありません。でも、この二人は今の状況から見ると、ガイ・リッチーが紳士的なスタンスを保っているようなので、お金でもめるという事態は避けられるかもしれません(でも、ゴシップ誌によるとガイ・リッチーの本音は、『とにかくマドンナとかかわるのは、もうウンザリだから早く済ませたのさ!』とのこと。こ……ここまで嫌われたか、マドンナ!?)。

ポール・マッカートニー

さて、プリナプを交わさなかったばかりにツボにはまって、世にもエゲつない離婚調停に巻き込まれてしまったセレブがいます。それは、元ビートルズの、ポール・マッカートニーです。


ポールは、長く連れ添ったリンダ夫人をガンで失い、まだ傷心も癒えぬころにヘザー・ミルズという女性と知り合いました。元モデルだった彼女は事故で片足を失い、それ以来チャリティー活動をしていたところでポールと出会ったようです。ハンディーキャップを背負いながらも明るく生きる美しい彼女に惹(ひ)かれたのでしょうか。娘ほど歳の違うヘザーとのスピーディーな結婚に懸念を示す人々の心配もよそに、ポールはヘザーと結婚しました。しかし、このヘザーという女はやはりクセモノで、1年後に正体を現わしたのです。ポールとの間に子どもができた途端、何かとポールに難癖をつけ始め、あっという間に離婚。しかしそこで明らかになったのは、ポールは何と結婚前にプリナプを交わしていなかったという驚がくの事実!

ビートルズのヒット曲から現在も絶え間なく入るばく大な印税や、ソロになってからの印税などポールの資産は想像を絶するもの。プリナプがないのをいいことに、いよいよ強欲な正体を見せ始めたヘザーに堪忍袋の緒を切らしたポールは、ロンドンきっての離婚弁護士を雇いました。これが今回マドンナも雇ったといわれているシャックルトン女史です。彼女のおかげでヘザーは法廷でコテンパンにやられ、結局は推定4,860万ドル(約48億6千万円)の慰謝料しか手にできなかったといいます。これはポールにしてみれば完全なる勝訴。でも、正義が勝って良かったものの、2年以上かかったこの裁判の間、ポールはきっとヒヤヒヤし続けていたに違いありません。
キム・ベイシンガー&アレック・ボールドウィン
さて、離婚後にお金で争うのも醜いですが、子どものことで争うことほど哀しく醜いことはありません。最近アメリカで一番ニュースになったのは、女優のキム・ベイシンガーと男優のアレック・ボールドウィン間での養育権争いです。2002年に成立した離婚の後、娘のアイルランドちゃんをめぐっての養育権争いが激化したのです。それでも何とか2004年に二人で親権を分け合うことに同意したものの、アイルランドちゃんが父親のアレックに会いに行く日に姿を見せなかったり、彼からの電話を受けなかったりといったことが続いたようです。ある日、ついにキレたアレックは、キムの家にステイしていた娘のアイルランドちゃんに対して、留守録で悪口雑言を並べ立てるといった失態をしでかしました。おまけに、その留守録テープがマスコミに流れたからさぁ大変。まさに泥沼です。養育権が蒸し返され、アレックは深く謝罪したものの、父娘間のわだかまりはまだ深く残っているようです。

セレブの離婚騒動はスターである親の方にスポットライトがあたってしまいがちですが、その影には必ず心を痛めている子どもたちがいるというのを覚えておきたいものです。


あ、でもちなみに皆さん、ハリコン読んで結婚恐怖症になった……なんて言わないでくださいよ! 当方は、一切責任を負いません……(笑)。


では、また次回お会いするまで皆さんもステキな秋を楽しんでくださいね!
取材・文 神津明美 / Addie・Akemi・Kohzu

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