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伊藤英明
『252 生存者あり』
もし自分に娘ができたら、心配し過ぎてほかのことが手に付かなくなるかも……
『252 生存者あり』伊藤英明 単独インタビュー

取材・文:古川祐子 写真:高野広美

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地震、台風、津波、火山……。さまざまな自然の脅威にさらされている、災害大国日本。その中心地・東京を史上最大の巨大台風が直撃する様を迫力満点の映像で描く、パニック超大作映画『252 生存者あり』。見慣れた都会の風景が壊滅状態となる中、救出する側とされる側の、それぞれ濃密な人間ドラマが展開する。地下に閉じ込められ、仲間を励ましながら地上に向かって「2、5、2」の生存メッセージを送り続ける元ハイパーレスキュー隊員を演じたのは伊藤英明。本作で初の父親役にもチャレンジした伊藤に、さまざまな話を聞いた。

■自分を想定して書いてくれたのがうれしい

Q:本作が制作されることになった経緯は?

『海猿 ウミザル』の原案者でもある小森陽一さんが、『LIMIT OF LOVE 海猿』の撮影現場にいらしたとき、お土産として原稿用紙10枚ほどの『252 生存者あり』のプロットを書いて持って来てくれました。小森さんのリアルに人間ドラマを描きだす手腕を尊敬していたので、自分を想定して書いてくれたというのが、とにかくうれしかったのを覚えています。この『252』というタイトルは、一見シンプルですが、その中にいろいろな重みが含まれているところにも惹(ひ)かれました。それから『252 生存者あり』のプロジェクトが進んでいったわけです。

Q:とても過酷な撮影現場だったそうですね。

寒い時期で、スタジオの中は年中ほこりっぽかったけど、あまり苦労したという感覚はないですね。とにかくセットがリアルだったので、入るだけで気持ちも役に入り込めました。むしろこういう大がかりなセットの中で演技ができることに充実感でいっぱいだったし、毎日興奮状態でした(笑)。

Q:完成作をご覧になっての感想は?

見慣れた新橋の風景がひどい状態になっているのを見て、改めて怖いと思いました。今の時代は、原作ありきで作品が作られることが多いと思うんですけど、この映画のように、一からスタートしたものがここまでの大作に仕上がったのを見て、夢みたいだとも感じています。

■ハイパーレスキューは崇高な職場

Q:元ハイパーレスキュー隊員を演じるにあたって、どのような役作りをしましたか?

現場に実際のハイパーレスキュー隊員の方が付いてくださってお話をうかがったり、訓練を受けたりしました。キャラクターに説得力を持たせるよう、危険に対する察知能力が高く、けが人の扱いに熟知している彼らに近づこうと努力しましたね。

Q:現役レスキューの方たちと接して、特に印象に残っている思い出は?

レスキュー隊の方々は、要救助者を救うことによって自分の存在意義があると考えていらっしゃる方が多い。だから救うことができなかったとき、後で自分のやり方が違っていたらとか、自分の親兄弟だったら助けたんじゃないか、などといろいろ悩むそうなんです。そういったトラウマや葛藤(かっとう)の中でお仕事をされていると聞いて、改めてすごいところで戦っている人たちがいるんだと実感しましたね。誰かを救うために日々体を鍛えて、何百種類という機材の使い方を覚えて、何か起こったときに自分の判断で救助していく彼らに接して、(共演の)内野(聖陽)さんの言葉を借りれば、崇高な職場だと思いました。

■初の父親役はとても難しかった

Q:本作で初の父親を演じましたが

あまり猫かわいがりをしても、親子の関係って出るものでもないと思うし、父親役というのは難しいと思いました。でも幸いなことに、撮影現場で付き添っていた子役の大森絢音ちゃんのお父さんが僕と同い年の方だったんです。ご本人といろいろお話をしたり、ちょっとしたしぐさを観察したり、役につなげる努力をしていました。あと、絢音ちゃんの存在感に助けられたところもありますね。

Q:将来、絢音ちゃんのような娘さんが欲しいですか?

はい、欲しいです(笑)。

Q:実際に娘さんができたら、どんな父親になると思いますか?

今は想像つかないですけど……。毎日心配していそうで嫌だなあ(笑)。心配し過ぎて、ほかのことが手に付かない状態になってるんじゃないかって思いますね。

Q:お兄さん役の内野さんと共演していかがでしたか?

内野さんは、僕の中で大河ドラマの人というイメージがありました。怖くてとっつきにくい方なのかと思って最初は緊張していたんです。顔合わせを兼ねての訓練で初めてお会いしたときに、あの低い声で「弟よ!」と言って近づいてきて(笑)。それから一気に打ち解けることができました。内野さんは、役に対していろいろなアイデアを持っていて、なおかつ現場を引っ張っていく力を持っていてすごいと感じましたね。

Q:現場で木村祐一さんの手料理を楽しまれたそうですが。

そうですね。木村さんとの共演が決まったとき、料理を作ってもらえると真っ先に思いましたよ(笑)。鳥を丸ごと煮て、塩だけで味を付けた鍋と、鳥団子を作ってくれて。木村さんが撮影の合間に鍋の様子を見に行ってたり(笑)。実際に作っている姿を見て感動しました。うまかったし(笑)。

■映画のテーマはそれぞれのきずな

Q:映画を観ると、改めて日本人としてこういった自然災害の危険にさらされていることを実感すると同時に、どんなに過酷な状況にあってもあきらめてはいけないという、ストレートなメッセージを感じました。作品を通して、どんなことを感じてもらいたいですか?

まずは迫力あるエンターテインメント作品ですから、ぜひ映画館で観てもらいたいですね。さらにこういった極限状況の中で、兄弟、親子、夫婦、レスキュー隊員同士それぞれのきずながきちんと描かれている。自分はきずながこの映画のテーマだと思っています。最初はお互い反発しながらも、生還するたびにきずなを深め合っていくという人間ドラマの部分も感じてもらいたいです。

Q:『海猿 ウミザル』以来、伊藤さんご自身がいつも身をていして他者を助けようとするカッコいい男の人というイメージがありますけれども、今後やってみたい役などはありますか?

ありがとうございます(笑)。うーん……。とにかくいろいろな役をやっていきたいし、いろいろなことに挑戦していきたいと思っています。

まっすぐにこちらの目を見つめながら丁寧に質問に答え、写真撮影ではさまざまなポーズの注文に照れながらも快く応じてくれた伊藤。その姿からは本人がスクリーンで演じる、さわやかで実直なキャラクターそのもののような印象を受けた。本作はそんな伊藤の持ち味を存分に堪能できると同時に、このような災害に襲われたときにわたしたちはどうあるべきか、さまざまなヒントを与えてくれる作品といえるだろう。

スタイリング:櫻井賢之 ヘアメイク:中田晋 メイク:佐藤陵

『252 生存者あり』は12月6日よりサロンパス ルーブル丸の内ほかにて全国公開

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