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今週のクローズアップ /『アラトリステ』ヴィゴ・モーテンセン

今週末公開されるスペイン映画『アラトリステ』で主演を務めるのは、年々ダンディーな色気が増していくヴィゴ・モーテンセン。ハンサムかつ演技派で、知的な印象のあるヴィゴですが、そんな彼の経歴は一体どのようなものか、チェックしてみましょう。
俳優を目指す映画少年

 1958年、ニューヨークでデンマーク人の父親とアメリカ人の母親の間に生まれ、2つの国籍を持つヴィゴ・モーテンセン。幼少期を父親の仕事の関係で移住した南米で過ごし、父親の母国であるデンマークへ度々帰省していた彼は、現在英語のほかにスペイン語、デンマーク語、フランス語、イタリア語……などを自由に操れるという国際派です。両親の離婚に伴いニューヨークへ戻ったヴィゴは、内気な少年時代を過ごしました。高校時代は、水泳にテニスとスポーツもたしなみながら写真や語学などにも精を出していました。


 少年時代は、母親に連れられ映画館に出入りすることが多かったヴィゴが演技に興味を持ち始めたのは高校入学後。大学に進学した彼は脚本を書く友人の家に入り浸っていたそうです。大学卒業後にヨーロッパに渡り、さまざまなジャンルの映画に触れたヴィゴは、帰国後、本格的に演技の勉強をスタート。そして1982年に舞台デビューを果たし、テレビ出演を経てスクリーンデビューへの道を歩みます。実質的な映画デビューは1985年の映画『刑事ジョン・ブック/目撃者』ですが、実はウディ・アレンの映画『カイロの紫のバラ』の撮影にも参加していたとのこと。編集で出番がカットされて日の目を見ることがなかったというのは、かなり残念な話です。

 

こんなおちゃめな表情も見せちゃいます
Ron Galella / wireimage.com

『ロード・オブ・ザ・リング』への出演

 私生活では1987年に結婚し、翌年1児の父親となるも、結婚5年目に別居するという状況の中、地道に俳優活動を続けていたヴィゴ。1990年に出演したイギリス映画『柔らかい殻』では、耽美的な映像の中でひときわ色気を放っています。1991年にショーン・ペンの監督作品、映画『インディアン・ランナー』でトラウマを負ったベトナム帰還兵を演じ、その演技が高く評価されたことで注目の的に。その後、大作には恵まれなかったものの、ハンサムな演技派としての出演をこなしていきます。


 地道な活動にいそしんでいたヴィゴですが、2001年から公開され大人気となったピーター・ジャクソン監督の映画『ロード・オブ・ザ・リング』3部作への出演が、キャリアに変化をもたらします。近年、同じ俳優を続けて起用しないことで有名なデヴィッド・クローネンバーグ監督の作品に立て続けに出演しているヴィゴですが、そもそものきっかけは『ロード・オブ・ザ・リング』の宣伝でカンヌ国際映画祭へ出席した際にクローネンバーグ監督と出会ったことにはじまります。知名度が飛躍的に上がったり、映画史に名を刻むような作品へ出演し、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされるきっかけとなった『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズへの出演は、まさに俳優としての大きな転機だったのです。

 

『オーシャン・オブ・ファイヤー』での来日時
Michael Ochs Archives/ゲッティイメージズ

『イースタン・プロミス』EASTERN PROMISES(2007年 / イギリス・カナダ・アメリカ / デヴィッド・クローネンバーグ監督)

 クリスマス前のロンドンで、ローティーンの少女が出産後死亡した。赤ん坊が里子に出され、生涯身元不明になることをふびんに思った助産婦のアンナ(ナオミ・ワッツ)は、少女の遺したロシア語の日記を手がかりに身元を探し当てようと、日記から彼女にゆかりがあるらしいとわかったロシア料理店を尋ねた。しかし店主は何も知らないという。ロシア人の伯父の力を借りて日記の翻訳が進むと、少女がロシアン・マフィアに囲われていたことが判明する。店はロシアン・マフィアの巣くつで、店主はロンドンの裏社会を牛耳る組織のボスだったのだ。気付いたときには遅く、アンナの勤める病院に店主が訪ねて来る。赤ん坊の身元の情報と引き換えに日記を組織に渡すよう迫られたアンナは、店主の息子の運転手であるニコライ(ヴィゴ)という男を介して組織に日記を渡す。しかし、それでアンナと家族、そして赤ん坊の身の安全が守られたわけではなかった……。


 映画『ヒストリー・オブ・バイオレンス』に続くデヴィッド・クローネンバーグ監督の作品への出演となる本作でヴィゴが演じるのは、ロシアン・マフィアのボスのドラ息子専属のダンディーな運転手。完ぺきに作り込まれた一挙手一投足からにおい立つ色気には、誰しも思わず息を飲むはずです。映画全体の雰囲気をも決定しかねないほどに印象深いヴィゴの演技は、俳優としての到達点と言っても過言ではありません。

ん~、爽やか!
写真:高野広美

『アラトリステ』ALATRISTE(2006年 / スペイン / アグスティン・ディアス・ヤネス監督)

 舞台は17世紀のスペイン。マドリード最強の剣客として名をはせていたディエゴ・アラトリステ(ヴィゴ)は、あるとき友人のグアダルメディーナ伯爵(エドゥアルド・ノリエガ)の命を救う。1年後、イギリス皇太子を抹殺する策略に荷担させられそうになり、すんでのところで手を引いたアラトリステは、それが発端となり殺し屋につけ狙われることになるが……。


 スペイン映画史上最高の巨費、約40億円を費やし完成させたという本作。6巻にわたる人気冒険小説を、映画『ウェルカム!ヘヴン』のアグスティン・ディアス・ヤネス監督が緻密(ちみつ)に映像化した本作。幼少期を南米で過ごした経験がある彼が、全編スペイン語で百戦錬磨の剣士アラトリステを演じています。人間関係や恋愛といったドラマが綿密に描かれているだけでなく、本格的な剣術指導のもとに撮影された戦いのシーンも壮観です。年齢を重ねるにつれ、いよいよ不動の地位を築きつつあるヴィゴの勇姿をお見逃しなく!

『アラトリステ』
(C) Estudidos Picasso / Origen PC / NBC Universal Global Networks Espana 2006

文・構成:シネマトゥデイ編集部

イースタン・プロミス アラトリステ アグスティン・ディアス・ヤネス
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