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今週のクローズアップ /夢と現実のはざまで悩む人々

レオナルド・ディカプリオケイト・ウィンスレットが映画『タイタニック』以来11年ぶりの共演を果たした映画『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』(1月24日公開)。本作の核となる“夢と現実の板挟み”。いつの時代もそれで悩む人は多いわけで……。偽って生きるか、夢を追うか、現実を受け入れるか、あなたならどうする?
Case study1『ブロークバック・マウンテン』 背負う物が重過ぎて……正直に生きられなかった

 若い男子二人が時間を共有する間に愛情が芽生え、その後20年間、人目を避けて関係を続けてきた……切なさ120パーセントの映画『ブロークバック・マウンテン』。


 二人にとってひと夏の過ちだったわけではないけれど、時代や環境が同性の恋愛を許すわけがなく、イニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)は互いに家庭を持ちます。イニスは貧しいながらも妻子を養う日々、ロデオに明け暮れていたジャックは逆玉の輿婚。しかし、4年ぶりの再会で二人は燃え上がり、その関係を知ってしまったイニスの奥さんは、何ごともなかったかのように耐える日々が始まるのです。


 イニスとジャックの心のズレ。それは牧場経営をして一緒に暮らそうと夢見るジャックと家庭を壊したくないと同時に、この関係が絶対バレてはならないというトラウマを抱えるイニス。年に数回、会うだけの月日。結局、イニスは離婚をしてもジャックと暮らすことを拒み、「この20年間は何だったのか!」と怒り爆発のジャック。20年は長いですよ。


 変えられたかもしれない過去と、何一つ変えることができなかった現実。それで良しとするかどうかは本人次第だけれど、本作を観て「自分はこのままでいいのかなぁ」と感じる部分があるかもしれません。それにしても二人の奥さんは彼らの関係に薄々気付きつつも、冷静を装っているのは時代が時代だからなのでしょうか?

 

 Forever ヒース!
 (C) Jeff Vinnick / Getty Images

Case study2『イントゥ・ザ・ワイルド』 一人旅の果てに悟った“生きる”ということ

 人生とは何ぞや? と何もかも断ち切って放浪の旅に出た青年クリスの実話を基にした映画『イントゥ・ザ・ワイルド』。


 恵まれた家庭で育ち、優秀な成績で大学を卒業したクリス(エミール・ハーシュ)。モノにあふれ、必要・不必要な情報も勝手に入ってくる社会、そして仮面夫婦の両親。決して特別な悩みごとではないけれど、それらをうまくやり過ごすことができなかった彼は、家族に黙ってアラスカを目指すことに。大自然の中で他人を頼らず自給自足の生活、そして孤独を知ることで“生きること”を悟れるのだと思っていたのかも。他人に言わせればクリスの行動は逃げていると言わるかもしれませんが、本人にとっては前向きな行動だったに違いありません。


 旅の途中に出会う人々には偽名を使い、お金が必要なときはパートタイムをします。親に連絡することを勧める人や、養子にまでしたいと申し出る老人など、人の温かさに触れながらも彼は北の大地を目指すのです。一人旅でのピンチを乗り越えてきた青年には、一つ一つが大きな自信となり、一方でそれが肝心なところで判断も鈍らせるのでした。


 クリスがアラスカの大地で最期に悟ったことは“他人と時間を共有し合うことで、人は幸せを感じられる”ということ。やっぱり人は一人では生きていけない生き物なのでしょうか?

 

映画の中ではガリッガリに痩せてます
(C) シネマトゥデイ / 秋山泰彦

Case study3『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』 二兎を追う者は一兎をも得ず? 結婚生活に必要なことは……

 経済的にも子どもにも恵まれた夫婦の、見えない闇を描いた映画『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』。


 サラリーマンのフランク(レオナルド・ディカプリオ)と女優志望だったエイプリル(ケイト・ウィンスレット)。女優として芽が出なかったエイプリルは、今では専業主婦。新興住宅地に暮らし、何不自由なく見える夫婦。しかし、自分の思い描いていた未来と現実にズレが生じ、本当にこれがわたしの人生なの? と強く思い始めるエイプリル。ヒステリックで、たびたび夫婦ゲンカをしても、次の日には彼女のことを思いやる言葉を投げかけるフランク。はた目からは、こんな面倒くさい女と別れてしまえばいいのに! と思いかねないのですが。


 望んでサラリーマン生活を送っているわけではない夫を見て、ある日「パリに移住しましょう」と言うエイプリル。でも、それは自分がほかの人と同じ専業主婦ではなく、スペシャルな人生を送るため。最初は戸惑うフランクもパリ移住の決意をすることに。周りのドン引き具合もお構いなしに、夢と希望に胸を躍らせる日々の二人。


 そんな胸躍る日々も長くは続かず……またしても挫折を覚えるエイプリル。まさしく彼女の人生は、二兎(にと)を追う者は一兎をも得ずなのです。彼女の身勝手さにイライラするか、わかるわかると共感し涙するかは劇場で確かめてみてはいかがでしょう。


  • 『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』特集
  • 『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』レオナルド・ディカプリオ&ケイト・ウィンスレット 単独インタビュー
  • 夫婦に必要なのは会話でしょう?
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    文・構成:シネマトゥデイ編集部

    『三本木農業高校、馬術部 ~盲目の馬と少女の実話~』(2008年 佐々部清監督)
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