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華麗なるヨーロピアン歴史映画のすすめ

日本の映画ファンの皆さん、いかがお過ごしですか? ロサンゼルスもだんだん春めいて暖かくなってきている今日このごろです。今回のハリウッド・コンフィデンシャルでは、気分も華やいでくる春にぴったりの華麗なるヨーロピアン歴史映画の世界をご紹介します!

おいしいクッキーとすてきなティーカップを用意して熱い紅茶を入れたら、ゆっくりとカウチに腰かけてヨーロピアン・タイム! 欧州の歴史にまったく興味のない方でも思い切り満喫できる、ハリコンお勧めの作品を時代を追ってご紹介しましょう!

入門編 映画『ブーリン家の姉妹』

誇り高き美しさでアンを演じたナタリー・ポートマン!

フィリッパ・グレゴリーというベストセラー作家の小説を映画化したこの作品は、フィクションですが実話に基づいた出来事を中心に描かれています。ここで知っておくと、ますます映画が面白くなるポイントは、この映画の主人公となるアン・ブーリンという女性が、女王エリザベス1世の母親であるということです。最高の女王とうたわれたエリザベス1世の母親アンは、いまだに売春婦(!)と呼ばれるようなスキャンダラスな女性だったという事実はまさに驚き!

主人公のアンを演じるナタリー・ポートマンと、その妹を演じるスカーレット・ヨハンソンの美しさに加えて、『ブーリン家の姉妹』でロケーションとなった実在の宮殿や寺院、そして登場人物たちの衣装のゴージャスさにはため息が出ます。

ストーリーの舞台になるのは16世紀のイギリス。当時のヨーロッパ宮廷社会では、旧日本の武家社会同様に、有権者の息女たちは家名を上げるために政略結婚のコマとして利用されていました。アンもいわばそのコマの一つだったわけですが、彼女のヘンリー8世を誘惑するための色仕掛けや正式の女王になるために野心を抱く姿は、ハタから見ていて爽快(そうかい)なくらいに激しく強固で、メロドラマのおぜん立てにはうってつけです。

アンは、イギリスの王妃になるという野望のもと、当時すでにキャサリンという妃(きさき)がいたイギリス国王のヘンリー8世を誘惑し続けます。単なる愛人になることを拒み続け、ヘンリーにキャサリンとの離婚を迫るアン。しかしカトリック教に支配されていたそのころのヨーロッパでは、離婚はまさにご法度。そこでアンに目のくらんだヘンリー8世は、イギリスをローマ教会から脱退させ、反カトリック派のイギリス国教会を設立するという当時では考えられなかったことをします。

ある意味で、アンはイギリス、そして世界の歴史を変えた女性……と言ってもいいかもしれません。彼女をきっかけにこんなメロドラマを経てイギリスの歴史は大きく変わり、その変革は現在のイギリスにも大きく反映されているわけです。ちなみに、このアンの行く末に何が待っているかは映画を観てからのお楽しみ……。

中級編 海外ドラマ「エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~」

大人のロマンスを演じたヘレン・ミレンとジェレミー・アイアンズ

本来ならケイト・ブランシェットが演じた映画『エリザベス』を推奨するところですが、そこがハリコンのコンフィデンシャル(マル秘)たるゆえん。みんなが知らないようなお宝作品を紹介するのが、このコーナーのおいしいところなのです!

「エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~」は、ヘレン・ミレンがエリザベス1世を演じるイギリスのミニ・シリーズ(日本でもDVDレンタル/発売中)で、前編と後編に別れています。『エリザベス』から7年後の2005年に製作・放映されゴールデン・グローブを受賞。知る人ぞ知る秀作となりました。強力なキャストに支えられたこの映画は、ストーリーに厚みがある上に、娯楽作品としても最高の仕上がりになっており、まさにお宝作品です。

ヒューのこの上目遣いにやられるのはエリザベスだけじゃない!?

ケイト演じるエリザベス1世が、25歳で女王になってからを舞台にしているのに対して、ヘレン演じるエリザベス1世は、王位に就いてしばらく経ってからの愛と苦悩を浮き彫りにしています。従姉でスコットランド女王であったメアリーの裏切りと処刑、エリザベス長年の愛人であったとうわさされるレスター伯ことロバート・ダドリーとのロマンス、そして後編ではロバートのイケメン養子で20歳近く年下のエセックス伯とのロマンスを描いており、まさにメロドラマの王道をいってます!

ちなみにレスター伯はジェレミー・アイアンズが演じているのですが、渋さ満点のカッコ良さが炸裂! そして、エセックス伯を演ずるヒュー・ダンシーの伯爵姿もクラクラするほどカッコ良く、女性ファンが増えること請け合いの2人です!

上級編 海外ドラマ「ザ・テューダーズ」(原題)

やりたい放題のヘンリー8世。目で殺します……

時代は前後しますが、こちらはエリザベス1世のお父さんにあたるヘンリー8世のストーリーを描いた作品で、タイトルのThe Tudorsとは、テューダー家という意味でのヘンリーの名字。イギリス版徳川家のようなもので、1485年から1603年のイギリス英国を治めた王家を指します。

「ザ・テューダーズ」(原題)はイギリス製作のテレビシリーズで、イケメンのイギリス人俳優ジョナサン・リス=マイヤーズがヘンリー8世を演じています。実はこのヘンリー8世という王様は、結婚と離婚を繰り返し、何と6人の妻がいた強者! そのうち2人を打ち首に処したというとんでもない気性の持ち主(なんてメロドラマにピッタリな性格……)。「ザ・テューダーズ」(原題)では、そのヘンリー8世をジョナサンが息をのむような迫力と美ぼう(!?)で演じ、かたや往年の名優ピーター・オトゥールが出演するなど、共演もガッチリ手堅い豪華キャストとなっています。

アメリカではケーブル局のShowtimeが大好評放映中で、シリーズ3が4月から間もなくスタートの予定! にもかかわらず……どういうわけか日本ではまだ未発表なんですっ!! 皆さんの盛り上がりで早く日本でも観られるようになるといいですね!

番外編 映画『ある公爵夫人の生涯』

アマンダ・フォアマン原作の伝記小説の映画化で、キーラ・ナイトレイが社交界のちょうとうたわれた、主人公ジョージアナ・スペンサー夫人を演じているのがこちら。

この映画では18世紀のイギリスにおける上流社会の、目を見張るようなきらびやかさとその裏で、17歳という若さで悲惨な政略結婚を強いられた上流婦人ジョージアナの悲しさと、それに耐え抜く女の強さが強烈なコントラストを醸し出していて、かなり濃厚なメロドラマに仕上がっています。

かいつまんでの歴史作品紹介でしたが、このほかにもローマ帝国のジュリアス・シーザーことカエサルから、クレオパトラ時代のギラギラとしたメロドラマを素晴らしい映像で描いたHBOのドラマシリーズ「ROME[ローマ]」や、スコットランドの歴史を垣間見ることができるメル・ギブソン主演の映画『ブレイブハート』ラッセル・クロウ主演の映画『グラディエイター』など、史実を基にしたワクワクするような映画がたくさんあります。

学校で勉強していたときはあんなに嫌いだった歴史が、こういった映画の形になって観てみると本当に楽しいんですよね。面白いものです!

それでは、また次回お会いするときまで……Happy Spring to you all!
取材・文 神津明美 / Addie・Akemi・Kohzu

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