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ユアン・マクレガー
『天使と悪魔』
日本に行けるといいな……昔からずっと行きたいと思っていた
『天使と悪魔』ユアン・マクレガー インタビュー

取材・文:シネマトゥデイ

ロン・ハワード監督、トム・ハンクス主演の大ヒット作、『ダ・ヴィンチ・コード』の続編となる歴史犯罪ミステリー『天使と悪魔』が5月15日に全世界で同時公開される。本作のキーパーソンでもある司祭のカメルレンゴを演じたユアン・マクレガーがイタリア、ローマにて、日本について感じていることや、本作撮影の裏話を自身の宗教観などを織り交ぜながら語ってくれた。

■演技はなるべく簡単に

Q:これまで、さまざまな役を演じてきたあなたですが、今回は神に仕えるという繊細(せんさい)で難しい役だと思われます。演じる上でいままでとの違いはありましたか?

どの役もそれぞれ違うんだ。それぞれが違った熟考やリサーチを要するからね。僕は、リサーチに関しては苦手というか、怠け者なんだ。何かのやり方を覚えるといった、技術的なリサーチは得意だけどね。聖職者を演じるのに必要なのは、熟考することだけだった。今回の場合は、教会の中で育った信仰心の厚い人間、クレイジーな決断をするほど教会に対して信頼と愛情を抱いている人間について思いをめぐらせることだった。彼は狂信的なんだ。それについては考えたけれど、実際に聖職者としてトレーニングをしたりはしなかった。ヴァチカンに関するドキュメンタリーをいくつか観ようとしたんだけれど、とんでもなく退屈な代物だったので、あまり観られなかったよ。

Q:聖職者を演じる上で一番のチャレンジは何でしたか?

僕は演技をなるべく簡単にしようと思っている。複雑なことや難しいことをしようとは思っていないんだ。映画で役を演じる上でのチャレンジは、映画自体の性質からくるチャレンジなんだ。舞台で演じるときには別のチャレンジがある。でも、舞台の方が役柄に入り込むのは楽だ。一つの流れになっているからね。映画では、何時間も待ち時間があって、それでも(ユアン、指を鳴らす)演じなければならない。

Q:あなたのキャラクターは、このストーリーの道徳的なシンボルだと思いますか?

一番重要なキャラクターであることは確かだね……冗談だよ(笑)。非常に複雑だけど……。カメルレンゴ自身は、きっと自分が重要な人物だと思っているだろうね。彼は、科学や、科学の探求が世界を誤った方向に導いていると思っている。教会だけが、人間が生きてゆくための真実の道だと思っている。そういう意味では、かなり右寄りの人間だ。彼は、教会がリベラルになり過ぎていると感じているんだ。

■信仰心はない、科学的な考えもしない

Q:あなたは直情的な人だといううわさがありますが、実生活で最後に誰かとけんかしたのはいつですか?

一度もけんかはしたことないんだ。学生時代も体を張ったけんかはしたことがないよ。

Q:では、さまざまなトラブルにどう対処するのですか?

どうやってトラブルに対処するか? 誰かとけんかをしないことだよ。いい解決法だと思わない? 今も殴り合いのけんかをしたことがあるか、思い出そうとしているけど……ないよ。

Q:あなたの人生において宗教はどんな役割を果たしていますか?

どんな役割も果たしていないよ。信仰心はないんだ。

Q:信仰心はないとおっしゃいましたが、科学と宗教、"神の粒子"についてはどう思いますか?

僕は宗教心もないし、科学的な考えをする人間でもないから……妻は科学雑誌とかを読むんだけど、僕はそれほど科学に関心がないんだ。その二つの世界の中間にいる感じだ。中間にいるから、神を信じるということも想像できるし、科学が神の世界を探求しているものだということも想像できる。その二つはうまく両立するものだとも思う。神が世界を創造し、科学がその世界を探求するためのものであれば、なぜそこに対立が生じなければならないのか僕には理解できない。でも作品の中では科学と宗教は確かに対立するし、僕のキャラクターもそう思っている。反物質を作ることが天地創造の説明だということや、それを"神の粒子"と呼ぶ人たちがいることを、彼は容認できないと思っている。神という言葉が神の仕事以外のものに使われるべきでないと思っているんだ。僕には宗教心はないけれど、世界を見て不思議には思う。木を見て美しい、すごいと感じるし、季節が変化することや嵐が起きて海が荒れるのを見て、不思議に思う。人類がまったく関わっていないことだからね。人類が作ったものではない。まぁもしかしたら地球温暖化が、僕が考えているより影響を及ぼしているのかもしれないけれど。宇宙が無限で驚くべきところだというのはわかる。でも聖書に書かれているような神を信じるといった宗教心はないんだ。

■日本に行きたいと思う

Q:あなたは今まで日本にいらしたことはないですよね。大勢のファンが待っています。

この作品(のプロモーション活動)で行きたいと思っているんだ。

Q:この作品でですか?

もしかしたらだけどね。行きたいと思っている。5月にね(残念ながら5月の来日は実現しなかった)、行けるといいな。昔から日本にはずっと行きたいと思っていたけど、スケジュールの関係で行けなかった。僕は仕事(撮影)をするのが好きだから、映画の宣伝のときには仕事の予定を入れてしまって行けないことが多い。正直に言うと……僕にとってそれは悪いことじゃないんだけどね。宣伝活動をしなくてすむから、いつも仕事(撮影)をしているのが好きなんだ。でも、日本には行きたいと思っている……いつかね。5月に行けるといいけど。

Q:映画の話からすこしハズれますが、バイクで長距離を旅されましたが、バイクの魅力を教えていただけますか。

車でなく、バイクで旅することの面白さは、周りの人たちの接し方が違うことだ。モンゴルの地方を走っているとき……モンゴルの田舎ではみんな大きくて丸い、ゲルというテントに住んでいるんだ。到着すると大歓迎してくれた。彼らは馬に乗るから、寒いときは寒い思いをして、雨が降っているときは濡れることがわかっている。つまり、天候の影響をじかに受けるということをね。また、バイクだと彼らと会うために車から降りる必要がない。バイクに乗っているときからすでに彼らのスペースにいるんだ。モンゴルの人たちはとてもフレンドリーだった。ただ受け入れてくれて。車のときとはちょっと違って、バイクに乗っているときは、周りの環境と本当の意味でつながっているという感じがあるんだ。転倒すれば痛いし、チャレンジがある。コーナーを回るのも好きだし、車を運転するよりも楽しい。一体感があるんだ。車に乗っているときには、何かにぶつけるんじゃないかと思うけど、バイクのときはそんなことは思わない。車に乗っているときもぶつけないけどね。

■オビ=ワン・ケノービ後のキャリア

Q:あなたの演じた『スター・ウォーズ』のオビ=ワン・ケノービはとても印象に残る役でしたが、その後あなたの役者としてのキャリアに影響はありましたか?

まったくないよ。それ以来、いろいろな作品に携わってきたからね。それにオビ=ワン・ケノービを演じたことで役柄が固定されることもないよ。というのも、オビ=ワン・ケノービは彼しかいないし、ほかに似た役はないからね。ちなみに、あれ以来、スペースものの作品のオファーは受けていないんだ。

率直な人……これがインタビューを終えてみての彼の印象だ。宗教心がないことや、宣伝活動があまり好きでないことなど、言いにくそうなそぶりも見せず、スパッと明快に答える。意外に人なつっこいその表情は即座に人を引き付ける魅力を醸し出していた。私生活で養女を迎えたことについて質問したときに、「そのことについては話さないことにしているんだ。申し訳ない……」とスパッと断る表情もまったく嫌味がない。日本に興味があると言ってくれたことは、わたしたち日本人にとってはリップサービスだとしてもうれしいものだ。5月の来日はかなわなかったが、いつか彼が日本に来てくれる日を待ちたい。

写真 (C) Fotos International / Getty Images Entertainment

『天使と悪魔』は5月15日より全世界同時公開

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