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『屋根裏のポムネンカ』貫地谷しほり 単独インタビュー

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『屋根裏のポムネンカ』貫地谷しほり 単独インタビュー

アニメ大好き! 理想のデートは漫画喫茶に行くことです

取材・文:斉藤由紀子 写真:高野広美

チェコ人形アニメ最後の巨匠と呼ばれるイジー・バルタ監督が、24年ぶりとなる長編作品を完成させた。屋根裏のガラクタたちが救出劇を繰り広げる映画『屋根裏のポムネンカ』は、芸術の国チェコならではの独創的なアニメーションで、若手実力派女優の貫地谷しほりと、ベテラン俳優・佐野史郎が日本語吹き替えを担当したことでも話題となっている。ヒロイン・ポムネンカの役で声優に初挑戦した貫地谷が、チェコ人形アニメの魅力や念願のアフレコ体験についてなど、等身大の気持ちを語ってくれた。

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佐野史郎が熱くチェコ人形アニメについてレクチャー!

貫地谷しほり

Q:本作で声優デビューをされましたが、最初にお話を聞いたときはどう思いましたか?

飛び跳ねるくらいうれしかったんですけど、チェコ人形アニメがどういうものかよく知らなかったんです。そうしたら、今回共演した佐野史郎さんからご連絡をいただいて、イジー・バルタ監督がどんなにすごい方なのか教えてくださったんです。「こんな素晴らしい作品で声優デビューできるなんて、すごくラッキーなんだよ!」って、熱く語っていらっしゃいました(笑)。

Q:佐野さんは以前からチェコ人形アニメがお好きだったんですか?

佐野さんはバルタ監督だけでなく、いろんな監督の作品を観ていらっしゃるんです。チェコ人形アニメにとても詳しくて、この作品に出演できて本当にうれしいとおっしゃっていました。

Q:ガラクタの人形たちが個性的で、独特の世界観を持っている作品ですね。

一つ一つのキャラが本当に魅力的ですよね! ワンシーンを撮るのに10日もかかるそうですが、手作り感があふれていて、心が温かくなります。わたしは、身体がバラバラになっても自力で再生する粘土のシュブルトが好きです。ポムネンカは一生懸命さがカワイイですね。悪役のフラヴァは、佐野さんの声でいやらしさが増していました(笑)。

Q:シーツの波やクッションの雲など、イマジネーションの豊かさも感動的でした。

バルタ監督が来日したときにうかがったのですが、「もしも屋根裏のガラクタたちが動いていたら」という発想でこの作品を作ったそうです。だから、屋根裏にあるものですべてが表現されているんです。今はゲームやアニメがたくさんありますけど、昔は人形遊びとか、想像力を使う遊びをしていたんですよね。手作りの良さがある『屋根裏のポムネンカ』は、今のデジタルな作品が多くなっている時代に改めて楽しめるアニメーションだと思います。

初めて挑んだアフレコは、歌うような感覚だった!

貫地谷しほり

Q:初めてのアフレコ体験はいかがでしたか?

最初は、声が出なくて苦労しました。どうしたらいいのかわからない! という状況に陥りましたね。わたしは人前で恥ずかしくて歌えないんですけど、まさにそういう感覚でした。自分を人前で解放することが難しいんです。アフレコとお芝居はアプローチが違うので、とにかく慣れるまでが大変でした。お芝居も最初は恥ずかしくてできなかったので、それと一緒ですね。本当はわたしなりにイメージしたポムネンカの声があったんですけど、緊張して思うように表現できなかったんです。でも、ディレクターの方から声を作ろうとしなくていいと言っていただいたので、自然にやらせてもらいました。

Q:声優には昔からあこがれがあったんですか?

ありました! アニメがすごく好きで、「クレヨンしんちゃん」、「名探偵コナン」、「ドラえもん」、「サザエさん」、ジブリもディズニーもとにかく好きで、いつか声優をやってみたいと思っていたんです。ずっとチャンスをいただけたらと思っていたのですが、こんなに素晴らしい機会をいただけて本当にうれしいです。

Q:コミックもお好きだそうですね?

大好きです。少女漫画も青年漫画も、何でも読みます。特に完全版として発売されている名作は絶対に面白いので、完全版から読んでいきますね。最近は忙しくて行っていませんが、時間があったら漫画喫茶にも行きます。漫画はわたしにとって、息抜きというよりも日常にあるものなんです。

Q:理想のデートも、漫画喫茶に行くことだとうかがいましたが?

確かに理想のデートではありますけど、あまりにもデートをする機会がなくて、よくわからなくなってきました。理想って何だったっけ? みたいな感じです(笑)。

何かをしたいという衝動について

貫地谷しほり

Q:ポムネンカは料理や家事が得意ですが、貫地谷さんはいかがですか?

得意じゃないです(笑)。料理も気が向いたら作るくらいですし。お裁縫や洗濯は特に苦にはならないですけど、好きとはまた違いますね。昔はお裁縫が好きで、自分で何か作ることも多かったんですけど、最近は作りたいという衝動がなかなかわかないんです。

Q:女優のお仕事が充実しているからでは?

そうなんですかね? 例えば、夏にしたいことは? と聞かれても、何もないんです。以前は海に行きたいとかいろいろあったんですけど、最近、何かをしたいという衝動が本当になくて、マズイと思います(笑)。

Q:演技派として知られる貫地谷さんですが、昔から女優になりたいと思っていたんですか?

考えたことがなかった世界でした。興味がなかったのではなくて、女優になろうという発想がなかったんです。でも、ほかに目指しているものもなかったですね。高校時代に大学入学を目指している友だちもいましたけど、わたしは何も考えていませんでした。小学校2年生くらいまでは、自分のことをセーラームーンだと信じていたので、「いつかわたしの涙が幻の銀水晶に変わるんだ!」って思っていました(笑)。以前は、あこがれの女優像があったんですけど……今は、どんなことでも楽しめる人になりたいです。

Q:最後に、これから本作を観る方に、見どころを伝えてください。

本当に、手作業で時間をかけて撮った作品です。人形遊びをしていた昔を懐かしむこともできるし、人形遊びにあまり興味がない方が観たら、逆に新しく感じるかもしれません。どんな方にも、何かを感じてもらえると思います。


貫地谷しほり

おっとりしているのかと思いきや、実にサバけた性格の貫地谷。どんな質問に対しても、飾ることのない素直な思いを明かしてくれた。佐野とはドラマで共演して以来、親しくしてもらっているそうだが、年上の人にかわいがられるのもナットクの利発な女の子だ。『屋根裏のポムネンカ』は、貫地谷の「今の時代に必要なアニメーション」という表現がピッタリな、手作りの温もりを感じる人形ファンタジー。デジタル全盛の今だからこそ、多くの人に観てもらいたい作品だ。

ヘアメイク:松田美穂(ROND.)
スタイリスト:mick

『屋根裏のポムネンカ』は8月1日よりユーロスペースほかにて全国公開

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