シネマトゥデイ

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私的映画宣言 サード・シーズン12月

筆者の近況報告

中山治美

日比谷を通るとつい、帝国ホテルで開催中の「帝国ホテル120年の歴史展」(無料)をのぞいてしまう。その中に映画や文学の中に出てきた同ホテルのコーナーも。今や大女優・広末涼子主演『WASABI』もココを使っていたね(笑)。
●私的12月公開作のオススメは松江哲明監督『ライブテープ』(12月26日公開)。

高山亜紀

学校閉鎖で暇な姪(小5)と甥(小3)が『Disney'sクリスマス・キャロル』を観に行った(いいのか?)。劇場に着いた甥っ子から『かいじゅうたちのいるところ』顔ハメ看板の画像が届いた。あ、こんな身近にかいじゅうが。
●私的12月公開作のオススメは、『ミッシェル・ガン・エレファント “THEE MOVIE” -LAST HEAVEN 031011-』(12月19日公開)。

相馬学

出張時の機内でキャスリン・ビグロー監督の新作『The Hurt Locker』を鑑賞したが、これが面白い! 命懸けの爆弾処理と、無残に命を失う自爆テロの対比がヘビーだし、何より主人公のプロフェッショナルな様にグッとくる。アカデミー賞の呼び声も高いようだが、コレは応援したい。
●私的12月公開作のオススメは、『THE 4TH KIND フォース・カインド』(12月18日公開)。

前田かおり

今年もあんな人こんな人を取材したが、まさか1980’s POPシーンで活躍したa-haを取材するとは思わなかった。しかも、彼らは来年解散! 「Take On Me」のMTVが懐かしい。来年もオモロイ取材を切に願う!
●私的12月公開作のオススメは、『釣りバカ日誌20 ファイナル』(12月26日公開)。昭和の匂いのする人情喜劇の終焉(しゅうえん)。寂しいっす。

今祥枝

1980年代映画関連作の鑑賞続行中。オリジナルとは別物と思って観た『ウォー・ゲームズ:ザ・デッド・コード』はジョシュアの登場も旧作ファンには楽しい作り。『CLASH OF THE TITANS タイタンの戦い』が楽しみで久々に観た『タイタンの戦い』はやっぱり眠くなった(笑)。
●私的12月公開作のオススメは、ジル・ロマンがステキな『ベジャール、そしてバレエは続く』(12月19日公開)。

カールじいさんの空飛ぶ家


(C) WALT DISNEY PICTURES / PIXAR ANIMATION STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.

モンスターズ・インク』のピート・ドクターと『ファインディング・ニモ』の脚本家ボブ・ピーターソンが共同で監督を務める3Dアニメ。冒険家への夢をあきらめ切れずにいる78歳の老人に、驚きの出来事が巻き起こる冒険ロード・ムービー。カールじいさんの声を『アパッチ砦・ブロンクス』のエドワード・アズナーが、カールの相棒となる少年ラッセルの声を新人のジョーダン・ナガイが担当する。ピクサー初となる3Dデジタルでの作品に期待が高まる。

[声の出演] エドワード・アズナー、クリストファー・プラマー
[監督] ピート・ドクター

中山治美

10点愛妻が亡くなり、二人で夢見た地に旅をする。軸となるのはベタな話だけど、サイレントでまとめた妻との追憶の日々でウルッとさせた後、大量の風船で冒険の旅に出る大胆な展開が素晴らしい。こっちも一気にファンタジーの世界へGO! でも日本ではかつて、「風船おじさん」が実在したのをご存じ? 当時は無謀なことを……と思ったけど、本作を観ながらおじさんは幸せだったのでは? と思った。おじさんの夢が映画になりましたよ。

高山亜紀

7点前半に描かれる老夫婦の半生のステキなこと。その反動で、一人のこされ独居老人となったおじいさんの心がすさんでいく展開は身につまされる。意外なことに旅に出るまでが大人向けでかなりいい。後半は子どもが楽しめる冒険談および悪者退治に様変わり。これぞまさしく正真正銘の大人も子どもも楽しめるエンターテインメントといえそう。残念ながら2Dで観てしまったけど、3Dだったら空から下界をのぞくシーンなど相当に美しかったろうと思う。

相馬学

9点宣伝的にキーとなっている泣きの部分は最初の10分だけ。正直、そこだけで不覚にもジーンと来たが、やはり魅力的なのは冒険のパート。秘境で動物たちに絡まれるシークエンスは笑えるし、悪漢との対決もスリリング。そしてもちろん、家が飛び上がるシーンだけで十分にワクワクした。俯瞰(ふかん)からとらえた街のビジュアルは解放感にあふれ、自由を感じさせる。そういう意味では、死別の悲しみを湿っぽく描いた作品にあらず。生を謳歌(おうか)する映画と受け止めたい。

前田かおり

9点ウォルター・マッソーを彷彿(ほうふつ)とさせるデカ鼻のカールじいさんと最愛の妻との思い出の日々が描かれる、冒頭10分が素晴らしい。こんな素敵な思い出が詰まった家ならば、人生最後の旅の道連れにしたくなるのも当然と納得。もっとも、その後の展開は盛りだくさん過ぎてとっ散らかった感じもある。だが、80歳間近のじいさんが人生をリセットするには冒険好きだった昔を取り戻すに足る出来事が必要ってことか。少年ラッセルの声もハマっている。観るなら、字幕版が絶対お勧め!

今祥枝

7点アニメはピクサーといえども苦手なジャンル。上映前には「最初の20分で絶対泣けるんだってー」と浮ついた女子の会話が聞こえてイラっとするも、確かに泣けた(笑)。その後のお子ちゃまな展開とのギャップに多少違和感を覚えたが、美しい映像や老いを笑いにしたネタも楽しく最後まで楽しめた。終わってみれば「人生最大の冒険は日常の中にある、妻とのこれまでの人生こそが冒険だった」というメッセージにまたホロリ。

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パブリック・エネミーズ


(C) 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

大恐慌時代のアメリカに実在した伝説のアウトロー、ジョン・デリンジャーと彼の恋人との逃亡劇を描いたラブストーリー。無法者として生きる男とFBIの攻防を軸に、運命の恋人との純粋な愛もスクリーンに焼き付ける。主演は『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのジョニー・デップ。その恋人に『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』でアカデミー賞に輝いたマリオン・コティヤール。美男美女による愛の逸話と、手に汗握るアクションが同時に楽しめる。

[出演] ジョニー・デップ、クリスチャン・ベイル、マリオン・コティヤール
[監督・脚本・製作] マイケル・マン

中山治美

8点男vs.男の熱さとプライドがぶつかる、これぞマイケル・マン映画。手持ちカメラの銃撃戦といい、しびれるね! ただクリスチャン・ベイルは、『ダークナイト』のヒース・レジャー、『3時10分、決断のとき』のラッセル・クロウとの攻防戦の方が魅力的。作品的にどうしてもジョニー・デップ演じる銀行強盗に重きが置かれていて、追う側の捜査官(ベイル)の内面に踏み込んいないからだと思うが。もっと二人の心理戦が見たかった。それにしても、やっぱりジョニデはワルがお似合い。

高山亜紀

8点キワモノ続きのジョニデが久々に正統派二枚目に。どこを取っても決まっている主人公は実在? という気にならないでもないが、ジョニデが演るとやりすぎ感がないからすごい。ささやくセリフはいちいち嬌声(きょうせい)を上げたくなるほどかっこいいし、しぐさの一つ一つはぞわぞわっとくるほど色っぽい。特に女性にコートを羽織らせるシーンなどは超絶色男っぷり。これまで特にジョニデをかっこいいと思ったことはなかったけど、本作にはグっときた。

相馬学

6点頑固一徹にドキュメンタリー・タッチを貫いた点はストイックで硬派と評価できなくもない。でも2時間半も淡々と話を進められるのは、しんどいものがある。デップもクリスチャンも、それぞれドライなキャラに徹して頑張ってはいるが、エモーションがついてこないからアツくなれない。ラブストーリーの部分も説得力に乏しいなあ。デジタルカメラを使うようになって以来、マイケル・マンの演出はスタイリッシュな「だけ」になっているような気がする。

前田かおり

8点ダンディーなジョニー・デップが銀行を襲う。あまりにカッコ良すぎるし、大体、ほれた女に「オレの好きなものは野球と映画と(略)……君だ、ほかに何が知りたい」と口説くセリフなんてジョニデだからこそキマる。ギャング映画としては淡々として物足りないし、ちょっとダレる。でも、男の美学にこだわるマイケル・マンの映画と思うと、男たちが粋で色気がある。特に、ラストで恋人ビリーと会うFBI捜査官が心憎いことをする。FBI捜査官にふんしたスティーヴン・ラングがまた渋い。おおステキなオヤジ俳優発見!

今祥枝

6点アウトロー好きのジョニー・デップが希代の銀行強盗を演じる。監督はマイケル・マン。とくれば、派手な銃撃戦も交えて硬派な男のドラマを楽しませてくれるに違いないと期待したが、イマイチ期待外れ。無駄をそぎ落としてシンプルかつ淡々と描いている……というよりは盛り上がりに欠け、アクションシーンもさっぱりわくわくしない。デップの熱演はもちろんのこと、クリスチャン・ベイルほか共演陣も等しく好演しているだけに残念な一作。

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キャピタリズム~マネーは踊る~


(C) 2009 Paramount Vantage, a division of Paramount Pictures Corporation and Overture Films, LLC.

ボウリング・フォー・コロンバイン』のマイケル・ムーア監督が、キャピタリズム(資本主義)支配下の経済問題に迫るドキュメンタリー。巨大企業が利益を追求すると、世界にどのような影響が出るのかを検証する。デビュー作『ロジャー&ミー』で元GM(ゼネラル・モーターズ)会長に突撃取材を敢行したムーア監督が、GMが破綻した20年後の今、生活を支配する経済をテーマに選択。原点に立ち返ったムーア監督の覚悟と怒りが熱く伝わる。

[出演] マイケル・ムーア
[監督] マイケル・ムーア

中山治美

6点社会問題となっている、リーマン・ブラザーズの経営破綻から始まった一連の金融危機の流れを知るには最適。常に反体制的な姿勢を保ち続ける彼の志も好きだ。でもいい加減、自分の言い分を正当化するために憲法や事件、資料映像を引用する手法は疑問に思う。お約束となった、アポなしのパフォーマンスも今回は白々しさが鼻につく。そもそも住宅ローンを返せなくなった人にも原因はないのか? 観賞後も釈然とせず、今もモヤモヤ。

高山亜紀

5点マイケル・ムーア作品を観るたびに「アメリカって強烈」「アメリカ人って大変」とショックを受け続けてきた。が、この作品を観て持った感想は「日本とそんなに変わらない」。ローンを払えず家を追い出される人、派遣切り……作品自体より、日々、アメリカ化の進む日本の現状を連想させられたことがひどく衝撃だ。映画自体はいつもよりこじつけがひどく、かといって笑いも少ない。こんな調子ではいつか狼少年扱いになるのではと心配。

相馬学

8点経済格差の広がりが語られれば語られるほど、強欲な金持ちに怒りが沸き起こるのは自分のような下層市民の性。そんなうっぷんを晴らす娯楽作として評価したい。ドキュメンタリーと呼ぶには視線が偏り過ぎているが、ムーア作品ではいつものこと。ジワっと泣かせたり、クスッと笑わせたり、痛快な気持ちにさせたりなどの、その範疇(はんちゅう)に縛られないエンタメ精神が魅力。何より、行動を起こす勇気を与えてくれる点がイイ。下層には下層の意地があるのだ。

前田かおり

5点マイケル・ムーア版「サルでもわかる世界同時不況の原因」って感じか。わかりやすくキャピタリズム(資本主義)を解説しながら、おなじみの体制批判。それにしても毎度デカい相手にもひるまず挑むマイケルのパワーはすごい。ただウォール街に街宣車を乗り付けて税金を返せと騒ぐシーンなど、いかにもなパフォーマンスにはもう飽きた。それより、いざとなったら団結し、互いに支援し合うアメリカ国民に感心することしきり。

今祥枝

8点常に賛否両論あるマイケル・ムーア。確かに『シッコ』あたりは感傷的に過ぎたと思うが、今回はかなり骨太な印象だ。リーマン・ブラザーズの経営破綻が引き金となった金融危機の舞台裏を明かしていくくだりは、下手なハリウッド大作よりよほどスリリング! ラストではムーアのポジティブなメッセージに素直に共感&感動した。売名行為などと揶揄(やゆ)されることもあるが、何と言われようと作品を作り続けるムーアのバイタリティーに敬服。

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筆者プロフィール

今 祥枝斉藤 博昭前田 かおり
中山 治美鴇田 崇相馬 学
高山 亜紀小林 真里山縣 みどり
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