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『シャッター アイランド』レオナルド・ディカプリオ インタビュー

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『シャッター アイランド』レオナルド・ディカプリオ インタビュー

とてもダークな映画だと言っておこう!

取材・文:シネマトゥデイ 撮影:坂本利幸

映画『ミスティック・リバー』で脚光を浴びた作家デニス・ルヘインによる「シャッター アイランド」を、マーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオによるコンビで映画化。不可解な事件が起きた孤島を舞台に、謎解きを展開する本格ミステリー大作で、連邦保安官テディ・ダニエルズを演じたレオナルド・ディカプリオが、作品から自身のことまでたっぷり語ってくれた。

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ほとんどの時間、大人げない

レオナルド・ディカプリオ

Q:シャッター アイランド』は4日間の物語ですが、冒頭から後半にかけてあなたのキャラクターは大きく変わっていきますね?

僕のキャラクターは、島を取り巻く陰謀にまつわる任務に出掛ける。任務遂行のため、彼は島中を動き回ることになる。最後に何が起こるのかに触れないように注意しなきゃいけないんだけど、その過程で得た情報のせいで、エンディング近くで、彼はずいぶんと変わってしまう。マーティン・スコセッシ監督の映画はほとんどそうだけど、初めて観たときには、微妙な変化の進行に気付かないと思う。少なくともこの映画は2回観た方がいいよ!

Q:若いころと比べて、役を選ぶ基準などの変化はありますか?

全然変わっていないと思う。ロバート・デ・ニーロやエレン・バーキンと共演する機会に恵まれた『ボーイズ・ライフ』で、自分のやりたい役はこういったものだ、なりたい役者はこういうタイプだって思った。その理想を達成するための努力を重ねてきたけど、人生にはいろいろある。でも今も昔も方向性は変わってない。いつも影のある人物をやりたいと思っているから。

Q:どんなときに大人になったことを嫌だなと思いますか?

僕がいかに大人らしくないか、知ったらみんな驚くよ! ほとんどの時間、僕は大人げないからね。仕事をしているときは、大人のお面を着けているから、何とかそれらしくちゃんとやれていればいいなと思うけど。少しリラックスして、本当に大事なことだけはちゃんと押さえて。そしてあまりシリアスに受け取らないようにしているんだ。もちろん仕事は一生懸命やっているよ!

この業界は孤独がとても大きな問題

レオナルド・ディカプリオ

Q:原作者デニス・ルヘインは、この本はブロンテ姉妹の小説と古典ホラー映画『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』を合わせたものだと言っていましたが……。

原作は明らかに映画化されるべき小説の一つだと思ったよ。すごく深いキャラクターだし、たくさんのことが同時に起こる。観客もしくは読者は、本当は何が起きているのかわからないまま、物語の面白さに引き込まれてしまうんだ。

Q:どのあたりがブロンテ姉妹で、どこが『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』だと思いますか?

想像だけど、テディをさいなむ悪夢的な要素のせいじゃないのかな? それにスコセッシ監督が、アルフレッド・ヒッチコック監督風の映画を作ったんだから、ひとひねりあるだろうと期待するのは当然だね。僕がこの映画についてインタビューを受けることを知った製作陣たちは、口をそろえて「ネタバレに気を付けて! 知らないで観た方が絶対に面白いんだから!」と言っていた。この作品は、知らないことが多いほど楽しめると思う。とてもダークな映画だと言っておこう!

Q:あなたのキャラクターは悪魔に駆り立てられてしまいますが、現実のあなたの中にある悪魔は何ですか?

この業界は孤独がとても大きな問題だと思う。撮影に入ると、長い間ロケ地に行かなければならないし、知らない人たちと一緒だ。特に遠い場所では、家族や友達、恋人から完全に切り離されてしまう。

Q:そういった状況にどう対応していますか?

いろんな方法で(笑)。ほとんどの場合、仕事に集中することで乗り越える。映画制作中はそれだけに集中しなければいけないから、ほかのことは急ブレーキで停止したようになってしまうんだ。現実世界が消滅してしまうわけじゃないけど、僕の心は映画の現場にある。ロケ地が遠いほど、その感じが強いね。でも今年ロサンゼルスで撮影があるんだけど、毎晩家に帰れるんだ! アフリカのホテルとかじゃなくてね(笑)。

貪欲(どんよく)に研究し尽くした上で撮影に臨む

レオナルド・ディカプリオ

Q:まだ先の話ですが、40代になったときはどんなことに挑戦していたいですか?

40歳のことを考えないといけないわけ? やってみたい役はたくさんあるよ。ハワード・ヒューズはスコセッシ監督とやったし、今はこれという人物はいないかもね。今はいろいろな脚本を読んでいる最中で、今この人っていうのは思い浮かばないけれど、いずれ出てくるだろうね。

Q:そのうち、誰かがあなたを演じる可能性だってありますよ!

冗談だろう!?

Q:タイトルは『レオナルド・ディカプリオ物語』とかで(笑)

ゴミみたいなテレビ向け映画かな、きっと(笑)。

Q:ハワード・ヒューズの話ですが、『アビエイター』ではどういった役づくりを?

ヒューズのドキュメンタリーを観たり、それからヒューズを知っている人たちを訪ねて歩いた。ヒューズ関連の本も結構あるから、20冊以上は読んだね。『アビエイター』はリサーチに時間を費やした作品といえるだろうね!

Q:リサーチは好きですか?

リサーチはいい映画を作るにあたって、一番正当に評価されていない作業だと思うけど、好きだよ。スコセッシ監督のような人と組んだ場合は特に映画の対象を徹底的に研究する必要がある。自分が演じるのがどんな人物か、どんな反応をするか、すべて貪欲(どんよく)に研究し尽くした上で撮影に臨まなければならない。演じる人物になりきってしまわなければ、現場で対応できないことだってある。

スコセッシ監督とのパートナーシップ

レオナルド・ディカプリオ

Q:スコセッシ監督との関係について教えてください。今回で4回目になりますね?

皆それを言うんだよ~! でも考えてみれば、確かに監督と僕はずいぶん長いこと一緒に仕事をしてきた。ほかにもいくつか興味を持っている作品があるけど、監督はどうするか決めていないみたいなんだ。『ギャング・オブ・ニューヨーク』から今まで、スコセッシ監督は僕が期待に沿った演技をすると信じてくれている。『アビエイター』では僕があの役をできると信じてくれて、監督を引き受けてくれた。僕らの関係は、パートナーシップと言ってもいいだろうね!

Q:それは父親と息子の関係? スコセッシ監督は父親的存在なんですか?

スコセッシ監督も僕の父親と同じイタリア系で、祖先の出身地も近いし、同じ年だ(笑)。でもスコセッシ監督とは親子じゃなくて、パートナーシップさ。スコセッシ監督は「キャラクター中心の作品」だけを作っていく人。多彩なジャンル、スタイルの映画を作れるけれど、どの作品においても、登場人物の人間像、その人物にとっての現実とはどんなものか、ということが焦点になっている。それを観客に伝えるのには役者の協力が必要になる。だから役者をとても大事にしてくれて、自信を与えてくれる。僕たちを信頼してくれるから、演じる役柄を完全に自分のものにして、思ったように表現することができた。

Q:映画の話に戻りますが、今回の原作はとても映画にしにくいものだと思いました。特にラストをどう処理するのか……。どこに興味を持ったのですか?

あらゆる意味でサイコ・スリラーと言えるね。僕が演じるテディ・ダニエルズが、とある患者を見つけるために相棒のチャックとシャッター アイランドという島にやってくる。警備の極めて厳重な刑務所でもあり、精神病院でもあるその施設を抜け出した者がいる。それは一体誰なのかを捜し出すのが任務なんだ。そして明かされるテディの暗い過去。そして彼がその島を訪れたもう一つの理由も……。また、彼は何かに操られているようにも見える。この映画の脚本のすごさは、すべてのレベルにおいて注意が払われていること。話すことはもちろんできないけれど、映画化するのに最適な小説だったとスタッフ全員が納得しているよ!


レオナルド・ディカプリオ

公開延期などのニュースでファンをヤキモキさせた本作だが、ふたを開けてみればアメリカでは興収2週連続1位の大ヒットを記録。そしてディカプリオの来日イベントも大成功で、ついに日本公開となる。スコセッシ監督とディカプリオの4度目となるコンビネーションは、まるでロバート・デ・ニーロとスコセッシ監督のゴールデンコンビのような力強いオーラを放つ。役者としても人間としても成長したディカプリオの姿を劇場で目撃してほしい。

(C) 2009 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

映画『シャッター アイランド』は4月9日より全国公開

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