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ミュージカル映画特集

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本当に面白い!ミュージカル映画特集

テレビ映画から始まった『ハイスクール・ミュージカル』シリーズから、ブロードウェイの人気舞台を映画化した『NINE』まで、ハリウッドではミュージカル映画が相変わらず大人気。ハリウッドスターが体を張った熱演を披露する一方で、本気のミュージカルファンには、特にダンスナンバーは物足りないと思うパフォーマンスも少なくない。そこでミュージカル映画通をもうならせるダンスナンバーが堪能できる珠玉の作品群を、当サイトでもおなじみの映画ライターがセレクト。ダンスの見どころと共に、見逃し厳禁のミュージカル映画の魅力をたっぷりとご紹介します!

【プロフィール】作品セレクト&文/斉藤博昭

ハリウッド作品を中心にアクションやコメディー、ミュージカルが大好き。プロダンサーをしていた1989年に3か月間、ニューヨークにダンスを勉強しに行き、ミュージカルもたっぷり観る。それ以来、機会があるごとにブロードウェイやロンドンで多くの作品を観劇。人生を変えたミュージカル作品を1本挙げるなら「コーラスライン」。

ダンスで見せる『踊る海賊』

ミュージカルの魅力といえば、もちろん歌とダンス。でもライブの舞台はともかく、映画の場合、歌のパートはいくらでも後から調整できてしまう。だから「ミュージカル映画」の醍醐味(だいごみ)と問われれば、永遠にスクリーンに焼き付けられた、ダンスナンバーの数々だと断言したい!

ダンスで“魅せる”という点で、現在ではほとんど皆無と言っていい「ミュージカル映画のスター」がいた。フレッド・アステアとジーン・ケリーだ。数ある二人の名作の中で、あえてダンスの魅力で選べば、ジーン・ケリーは『踊る海賊』(1948)。ここにはオリンピックの体操選手のように躍動する彼の超絶技巧が収められている。相手役ジュディ・ガーランドとのコミカルなダンスも、本物のプロの技だ。

そしてアステアの1本ということなら、映画史上の名コンビ、ジンジャー・ロジャースとの共演作はあえて外し、『バンド・ワゴン』(1953)。踊りのスタイルが違う若きダンサーと夜の公園で踊る「ダンシング・イン・ザ・ダーク」は、アステアの優雅で洗練された動きに、相手役シド・チャリシーのクラシック・バレエの動きが見事に調和。しかもアステアは、このとき53歳!

黄金期の名ダンスシーンは『掠奪された七人の花嫁』

ケリーとアステアが活躍したミュージカル映画の黄金期。その時代の名ダンスシーンなら『掠奪された七人の花嫁』(1954)にある。山男たちが、街の男たちを相手に女のコを取り合う「バーン・ダンス」では、ミュージカルとは思えないアクロバティックな動きも取り入れられ、今観ても斬新。この時代のダンスシーンはカット割りも少ないので、ダンサーたちの至芸をじっくりと鑑賞できるのがうれしい。

『バンド・ワゴン』と『掠奪された七人の花嫁』は、共に振り付けがマイケル・キッド。やはり名作ミュージカルには、名振付家あり、である。ジェローム・ロビンスがその一人で、彼が振り付けした『ウエスト・サイド物語』(1961)は、それまで夢を与える娯楽と考えられていたミュージカルの常識を変えてしまった。ニューヨークでの人種差別に、「ロミオとジュリエット」の悲劇というシビアなテーマを逆手にとって、主人公たちの怒りや悲しみまでをダンスに仕立てたのだ。しかもスクリーンから汗が飛び散るほどの激しさで! すべてのナンバーが圧巻だが、とくにオリジナルの舞台とは別のシーンに配された「クール」の切迫感は、何度観ても目がクギ付けになる。

ダンスを極めた振付師がボブ・フォッシー

ロビンスに対して、ショーとしてのダンスを極めた振付師がボブ・フォッシー。アカデミー賞作品賞を受賞し、「ミュージカル映画」のジャンルを復活させた『シカゴ』(2002)も、オリジナルの舞台を手掛けたのがフォッシーだ。映画はフォッシー亡き後に作られたのだが、彼のスタイルをなじみやすいダンスに変換したロブ・マーシャル監督(振り付けも担当)の仕事が秀逸。主人公の空想シーンがミュージカルになる発想も、突然歌って踊り出す違和感をなくし、ミュージカルファンでなくても素直に楽しめる。

そのボブ・フォッシーの人生を知るなら、彼自身が監督し、自伝的要素の濃い『オール・ザット・ジャズ』(1979)がある。これは純粋なミュージカルではないが、全編に歌とダンスが組み込まれ、フォッシーが作り出す人体の不思議なポーズの数々に見とれてしまう。本作の「テイク・オフ・ウィズ・アス」は、映画史上、最もセクシーなダンスかもしれない。洗練された振付師の作品とは一味違うが、圧倒的な迫力とパッションにあふれる。

マイケル・ジャクソンも出演した『ウィズ』

その魅力は『ジーザス・クライスト スーパースター』(1973)が教えてくれる。『オペラ座の怪人』などで知られる作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバーの初期の代表作だが、映画版では荒涼とした砂漠を背景に、狂おしいほどの群舞が繰り広げられる。他のどんなミュージカル映画とも違う、異様な時空間が体感できるはず。同じようなパターンが『ウィズ』(1978)で、魔女に押さえ付けられていた人々が立ち上がるシーンは、黒人ダンサー独特のしなやかな肉体の動きがドラマの躍動感と絶妙にリンク。『ウィズ』にはあのマイケル・ジャクソンも出演しており、「スリラー」以前の彼のダンスが観られるのも貴重だ。

そんなに難しいステップではなく、一緒に踊り出したくなってしまうという意味では『グリース』(1978)のとことん明るいノリも王道のミュージカル体験で、この路線は『ハイスクール・ミュージカル』へと引き継がれている。そして最後にダンサーたちへの拍手を贈る意味で『コーラスライン』のラストナンバー「ワン」を挙げたい。1985年の映画版もいいが、舞台裏を追った『ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢』(2008)の「ワン」は、ミュージカルのゴージャス感とダンサーの切実な苦闘をシンクロさせながら、観ているわれわれにも、踊る楽しさ、そして生きる喜びまでも伝えてくれる!

『踊る海賊』“The Pirate” 『バンド・ワゴン』“The Band Wagon” 『ウエスト・サイド物語』“West Side Story” 『シカゴ』“Chicago” 『ウィズ』“The Wiz”” 『グリース』“Grease”
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