シネマトゥデイ

私的映画宣言 サード・シーズン6月

筆者の近況報告

山縣みどり

ン10年ぶりに再会した男女が失踪(しっそう)したり、リストラ夫にへきえきの主婦・黒木瞳が恋したり……。ドラマ「同窓会~ラブ・アゲイン症候群~」を見て、7月に控える中学の同窓会が超楽しみに!?
・6月公開の私的オススメは、やはり『セックス・アンド・ザ・シティ2』(6月4日公開)でしょう。キャリーの「結婚しても恋したい」欲に怒らず、温かく見守ってあげてね。

高山亜紀

先月、何が起きても驚かないと書いたばかりの韓流ドラマ「IRIS -アイリス-」なのですが、イ・ビョンホンがなまはげにふんしたときはさすがに衝撃を受けました。「泣ぐコはいねがー」とは言わなかったですけどね。
・6月公開の私的オススメは『さんかく』(6月26日公開)。

小林真里

N.Y.で念願かなってコートニー・ラヴと対面し、会話ができて感激でした。6月には、いよいよヴィンチェンゾ・ナタリ監督の新作『SPLICE』(原題)が全米拡大公開。L.A.プレミアに参加してきます!
・6月公開の私的オススメは『マイ・ブラザー』(6月4日公開)と『サバイバル・オブ・ザ・デッド』(6月12日公開)。

前田かおり

伯父の告別式で故郷にとんぼ返り。90歳過ぎた人なので、いろいろなドラマもあったらしい。十数年ぶりで会う親族もいたりでにぎやかな集まりに。まさにネタの宝庫。喪の場なのに、ついライター根性が出て、あれこれ聞き耳を立てていた不心得者でした。
・6月公開の私的オススメは『サイタマノラッパー2 ~女子ラッパー☆傷だらけのライム~』(6月26日公開)。『SR サイタマノラッパー』も最高に面白いのだ!

今 祥枝

トニー賞シーズンが到来! 6月13日の授賞式は、「Hamlet」のジュード・ロウや「A Little Night Music」のキャサリン・ゼタ=ジョーンズほか豪華なメンツの出席が見込まれて楽しみ。そして6月は久々にブロードウェイでミュージカル三昧をもくろみ中
・6月公開の私的オススメは『クレイジー・ハート』(6月12日公開)。

孤高のメス


(C) 2010「孤高のメス」製作委員会

患者のたらい回しなど現代の医療問題に鋭く切り込む衝撃的な医療ドラマ。実際に医療に携わる大鐘稔彦の同名小説を基に、地方の市民病院に勤務する外科医が旧弊な医療現場で困難な手術に立ち向かうさまを描く。主人公の外科医を『クライマーズ・ハイ』堤真一が演じ、『フライ,ダディ,フライ』『ミッドナイト イーグル』成島出がメガホンを取る。ほかに、夏川結衣柄本明などが共演。リアルな医療現場に震撼(しんかん)させられるのはもちろん、鬼気迫るストーリー展開も見応え十分だ。

[出演] 堤真一、夏川結衣、吉沢悠
[監督] 成島出

山縣みどり

6点アメリカ仕込みのすご腕外科医が「患者を救う」という医師の本懐を全うする、ある種のヒーローもの。脳死移植が法制化される以前の物語であり、医療関係者や患者、その家族のジレンマが如実に伝わるきまじめな作り方がいい。わが身に起きるかもしれない出来事と考えさせてくれる。手術ミスや急患たらい回し事件などが頻発する日本の医学界に一石を投じるまではいかないが、医学生にはぜひとも観てもらいたい作品だ。堤真一演じる医師のような志を持った医師に診察してもらいたくなるのは間違いないよ。劇中、医学界にはびこる権威の象徴として悪者扱いされる京葉大学病院だが、慶○病院と聞き間違え る人が多そう……。

高山亜紀

7点「こんな先生が本当にいればいいのに」と思うしかない夢のようなカリスマ医師役でも堤真一が演じるとちゃんと説得力がある。この映画の魅力はそれに尽きる。堤真一のすてきさを堪能する2時間ちょい。脳死肝移植という難しいテーマを扱いながら、とてもわかりやすい内容に仕上がっていていい。けれど、ところどころに差し込まれるコミカルな場面がシリアスな内容とバランスが取れていない印象を受けた。その辺りも堤だけはうまいけど。

小林真里

6点そつのない映画で、最後まで飽きさせないストーリーテリングと力強い演出はお見事。なかなかハイ・クオリティーな邦画ではないでしょうか? リスクを覚悟で、自分の正義と信念を貫く医師の戦う姿は美しくもあったのだが、常人と違う浮世離れした部分も描かれていた点が良かった。ただ、先の展開が読めてしまうストレートな映画であり、全体的にかっちりし過ぎていた感もあり。すべてを見せきらない着地のテクニックにはうならされたが。役者陣では、柄本明の怪演ぎりぎりの大熱演ぶりに驚嘆!

前田かおり

6点いざというとき、こんな医者に診てもらいたい! と思うほど、デキる医者オーラが漂う堤真一の成り切りぶりは素晴らしい。そんな医者の鑑(かがみ)に出会って、使命感を再び燃やす看護師・夏川結衣の表情七変化も見ものだ。ただ原作ものとはいえ、なぜ今、20年前の「脳死肝移植」の話? 小さな田舎町で、むちゃくちゃ都合よく臓器提供の話がまとまるって、そんなのアリ? 手術シーンなどやけにリアリティーにこだわっているだけに、キレイにまとめようとした感じが鼻につく。感傷的なバックコーラスもいかにもお涙チョーダイ効果って感じでヤダなぁ。

今 祥枝

5点原作のコミックも小説も読んでおらず、「実際の医師が描く医療ドラマ」との予備知識から、リアルな医療現場を描く社会派ドラマなのかと思っていた。が、「感動のヒューマンドラマ」なる宣伝文句が正しいことが判明。確かに堤真一夏川結衣のほのかなロマンスなど魅力的なエピソードもあるが、現在も多大な問題を抱える臓器移植を扱った肝心の医療部分に激しく違和感。なぜ今、この話を映画で観る必要があるのか最後まで納得できなかった。

このページのトップへ

クレイジー・ハート


(C) 2009 Twentieth Century Fox

ジェフ・ブリッジスが破滅的な人生を送るシンガーを演じ、アカデミー賞主演男優賞を受賞した感動のヒューマンドラマ。かつて一世を風靡(ふうび)した伝説のシンガーソングライターの愛と再生を描く。監督は、本作がデビュー作となるスコット・クーパー。主人公と惹(ひ)かれ合うシングルマザーを『ダークナイト』マギー・ギレンホールが演じる。俳優人生の集大成ともいえるジェフの熱演と、物語を彩るアメリカンミュージックに注目だ。

[出演] ジェフ・ブリッジス、マギー・ギレンホール、ロバート・デュヴァル
[監督・製作・脚本] スコット・クーパー

山縣みどり

8点写真家やミュージシャンとしても評価の高い俳優ジェフ・ブリッジスがオスカーを手にした作品というだけでも映画ファンにはたまらない作品。酒で身を持ち崩した老ミュージシャンの再生自体は凡庸なテーマだが、カリスマ性のあるジェフの抑制の利いた心理演技は主人公が直面するターニングポイントすべてを際立たせる。「一を聞いて百を知る」という表現が似合う渋い演技だ。マギー・ギレンホール演じる記者との恋愛パートはノレなかったが、秘蔵っ子やバー経営の旧友とのきずなには男の世界をほうふつさせられてうっとり。コリン・ファレルの歌声にしびれたが、彼は脇でいい味出すな。

高山亜紀

9点酔いどれオッサンを演じさせたら右に出るものはいないジェフ・ブリッジスの名人芸を堪能。劇的にいいことが起きたりしない大人な展開も渋くて落ち着いて観られる。個人的にはコリン・ファレルのかっこよさにしびれた。キャラクターのせいもあるだろうが、この人、自分が主役だとイマイチなのに二番手だと主役よりも輝いちゃう。クリスチャン・ベイルと違う意味で二番手スターだと思った。ボーイゾーンに入りそうだっただけに声もいい。

小林真里

7点かつて栄光を手にした者が転落し再起をかける起死回生の感動ドラマ。というと『レスラー』と大いに共通するものがあるが、あの作品はミッキー・ロークの人生とのシンクロ度の高さから強烈なリアリズムを放っていた。本作がリアルなのはジェフ・ブリッジスの地獄をはいつくばる名演のみならず、心の琴線に触れる悲哀に満ちた歌声と楽曲のクオリティーの高さが挙げられる。コリン・ファレルとのバディー・ムービー的側面にも涙。ラストがきれい過ぎるのが難だが、カントリー・ミュージックに興味のない人こそ必見の佳作。

前田かおり

8点ジェフ・ブリッジスが酒で身を持ち崩したカントリー歌手を人間くさく、愛すべき人物として演じる。それこそが作品の魅力! 無精ひげでラフな姿にも色気が漂い、娘ほど年の差のあるシングルマザーとの恋バナも絵空事に思えない。人生半ばを過ぎた人間の再起を温かく描きながら、甘っちょろくまとめないのもいい。愛弟子役コリン・ファレルがわずかな出番なのに、得な役回り。そして名優ロバート・デュヴァルが男の友情を体現する。さらりとしているが、人生挫折しまくりの人間には心にじんわりと後から響くぞー。

今 祥枝

9点大陸的な大らかさと陽性気質、かつアートに造詣の深いジェフ・ブリッジスに、これ以上もってこいの役があるかというほどのハマり役。どうにもダメ男を演じながら、数々のパフォーマンスも味わい深く、いまだ女性には不自由しない魅力もばっちりで観ていて楽しかった。主人公バッド・ブレイクの生き方は褒められたものじゃないだろうが、50代後半でいまだ大人に成り切れず、息子との問題も解決しそうにない人生に、そんな半端なまま年を取り人生を終えても、別にいいのかなと思わされるのんきな空気に不思議と癒された。

このページのトップへ

アイアンマン2


Iron Man 2, the Movie: (C) 2010 MVL Film Finance LLC. Iron Man, the Character: TM & (C) 2010 Marvel Entertainment, LLC & subs. All Rights Reserved.

自ら発明したパワード・スーツで平和のために死闘を繰り広げる天才科学者兼経営者トニー・スタークを描き、大ヒットを記録したアクション大作『アイアンマン』の続編。アイアンマンであることを公表したトニーに、新たな敵が襲い掛かる。ロバート・ダウニー・Jrが引き続きアイアンマンを演じ、監督もジョン・ファヴローが続投。対する敵役には『レスラー』ミッキー・ローク『ブラック・ダリア』スカーレット・ヨハンソンなど実力派俳優たちがふんし、スリリングで迫力あるアクションが期待できる。

[出演] ロバート・ダウニー・Jr、グウィネス・パルトロー、スカーレット・ヨハンソン
[監督] ジョン・ファヴロー

山縣みどり

6点トニー・スタークの気取りと自己憐憫(れんびん)が鼻についた第2弾だが、新キャラの快演があるから無問題。スカーレット・ヨハンソンの体当たりアクションはかっちょいいし、役づくりに凝り過ぎたミッキー・ロークの悪役ぶりは、ほほ笑ましい。この二人以上に場面をさらうのが、トニーもどきの武器商人役で登場するサム・ロックウェルだ。小者オーラを全身から発散させ、発言も上っ調子だし、計略も浅はか。おバカな俗物ぶりがたまらなく魅力的だ。CGIやSFXなど映像面の見どころは多いが、ロバート・ダウニー・Jrのお株を完全に奪ったロックウェルの存在感は、控えめ出演ながらも強烈なインパクトを残すサミュエル・L・ジャクソンくらいに素晴らしい。

高山亜紀

10点前作よりさらに鼻持ちならないトニー・スタークさんだが、ロバート・ダウニー・Jrが演じると素晴らしくチャーミングに見えるから不思議。アメコミものでもキャラにこけおどしな人が一人もいないのがシリーズの魅力。ローディ役は困り顔が完ぺきなドン・チードルで正解だ。ウエストラインが超セクシーなスカヨハも美しい! AC/DCザ・クラッシュといったオヤジロック選曲も最高! 難は役者業に未練がありそうな監督の出番が増えたことぐらいか(笑)。

小林真里

6点大作感はさすがだが、どうもスカっとしない。続編なので前作との比較は避けられないが、アクション、ユーモア、ドラマともトーンダウン。脚本家が交代したことで、過剰に要素を詰め込み過ぎたプロットはまとまりに欠け、弱さが感じられた。しかし新キャラが続々登場ということで新たな魅力が作品に加味され、特にアクションのハイライトを担ったスカーレット・ヨハンソンと、ほどよくアクが強い名演を見せたサム・ロックウェルが光った。『アベンジャーズ』ないしは『アイアンマン3』へのブリッジとしては、立派な布石。

前田かおり

6点前作、洞穴の中でパワード・スーツを作ったのに続き、今回は敵役ミッキー・ロークもトンテンカンとロシアのボロアパートの一室で最強の武器を作る。ヒーローアクション大作ものなのに、このチマチマ感が個人的にはたまらなく好き! で、そのすんごい武器を手に出てくるミッキーが猛獣使いもどき。爆笑もんです。そんな彼をはじめ、今回はクセある役者がそろってる。ただみんなに気配りし過ぎて、個々の魅力が薄っ! ロバート・ダウニー・Jrも埋没気味。代わりにファブロー監督がやたらと出てつまんない小芝居してるけど、要らないから……。

今祥枝

7点おおむね楽しめたが、期待値が高かったせいで物足りなさを感じた。今思えば、前作はさほど期待していなかったおかげで楽しめたわけで。ミッキー・ロークが大暴れの冒頭は「おおっ」と思うも、以後はトニー・スタークの一人芝居のごとくテンションの高いロバート・ダウニー・Jrの演技に疲れた。グウィネス・パルトローはいいとこナシ。新顔サム・ロックウェルスカーレット・ヨハンソンの活躍には心躍った。ドン・チードルは華がなくスタークの相棒役には弱い。

このページのトップへ

筆者プロフィール

今 祥枝斉藤 博昭前田 かおり
中山 治美鴇田 崇相馬 学
高山 亜紀小林 真里山縣 みどり
[PR]

この記事を共有する

映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
スポンサード リンク
スポンサード リンク