シネマトゥデイ

ジェイク・ギレンホール
『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』
自分自身であることが快適になってきた
『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』ジェイク・ギレンホール インタビュー

取材・文:山口ゆかり 写真:Chiaki Nozu

映画『フラッシュダンス』から『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズまで、ヒット作を世に送り続けてきたハリウッドの敏腕プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマーの待望の新作『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』。アクション・アドベンチャー大作である本作のヒーロー、ダスタンを務めるのは演技派ジェイク・ギレンホールだ。意外性を感じるキャスティングではあるが、アクション・スターとしても力量を発揮し、マイク・ニューウェル監督が驚嘆するほどの身体能力を見せた本人に話を聞いた。

■リサーチはゲームから!?

Q:新ヒーローの誕生ですね。

いやいや、ただのゲームキャラだよ(笑)。実際のところ、アクション・ヒーローをやれるなんて、子どものころの夢がかなったような気分さ。8歳の自分に、「大きくなったら、『インディ・ジョーンズ』みたいなアクション・ヒーローをやるんだよ」って教えてあげたいよ。聞いたら頭が爆発しちゃったかもしれないけど(笑)。

Q:共演者のベン・キングズレーが、「ありのままの姿が、いい演技につながっている」とあなたを評していますが?

アンソニー・ホプキンスもどこかで言っていたな。何もしないことがいいというような演技論をね。僕も、いい映画であれば役者は演技を抑えたほうがいいと思う。ベンはシェークスピア劇のバックグラウンドがあるから、世界観をくっきりと、劇的に表せるんだ。

Q:古代ペルシャが舞台ですが、リサーチはなさいましたか?

したとも、しなかったとも言えるね。僕のリサーチのメインは(映画の基となったオリジナル)ゲームだったから(笑)。それにジェリー(・ブラッカイマー)とマイク(・ニューウェル監督)が参考にした本があって、当時の絵とかがあるんだけど、それを渡されて、その世界をイメージすることはできたよ。

■俳優は役を獲得するもの

Q:ジェリー・ブラッカイマーは、あのジョニー・デップを『パイレーツ・オブ・カリビアン』に起用して大成功させました。 今回のあなたの起用は、高評価を得てきた映画『ドニー・ダーコ』『ゾディアック』『ブロークバック・マウンテン』などが認められてのことだと思いますか?

そうだったら、うれしいな。そういうふうに選ばれるべきだと思う。残念ながら、そうじゃないことが多いのも、もちろん知ってはいるけどね。大作に出演するために、小さい作品をこなさなくてはいけないという意味ではなくてね。俳優は、役を獲得していくものだと思う。オーディションでも、それまでやってきた仕事でも、行動してきたことからでもね。そういうことが重要だと思う。イギリスでの仕事は、「今はこの人!」みたいに、いきなり押し出すのではなく、若い俳優の才能を見つけて、育ててくれるようなところがある。それは残るものだし、自信にもなっていくよ。

Q:劇中ではイギリス風の英語を使っていますね。

最初から、イギリス英語でということだったんだ。イギリス人俳優がほとんどだし、イギリス英語は時代を感じさせるからね。イギリス風の発音はシェークスピア劇を連想させるし、そういう意味でも、王族の愛憎劇でもあるこの映画には合っていると思うよ。

■毎日がスポーツ大会!?

Q:観光客さえいないほど暑い時期に行われたモロッコでの撮影は、大丈夫でしたか?

うん、かなり暑かった。でも、カラッとしていてそこまでひどくはなかったし、楽しめたよ。砂漠は湿気がないから清潔なんだ。気持ちのいい、あたたかくて乾いた砂さ。

Q:そういえば、映画『ジャーヘッド』など、これまでの作品も砂漠での撮影が多かったですね。

そうだね。砂漠と何か縁があるのかな(笑)。

Q:今回はアクションものですが、楽しめましたか?

すごく楽しかった。わくわくしたよ。毎日がスポーツ大会に出掛けるみたいだった。チームのキャプテンみたいな。車で現場まで行くんだけど、5マイルも前から数千の車が並んでいるんだ。すごい規模の撮影クルーの車がね。そこに、細かいところまでよくできた大セットが組まれていて、たくさんのエキストラもいるんだ。出来上がりが想像できるようだったよ。CGも使われて、それ以上に大きなものになったけどね。毎日、子どもに返った気分だったよ。

Q:今まででベストの体形にしたのではありませんか?

ベストの意味にもよるよね。あれで、長距離は走れないし、脱いで見せるための体なら、もっと細い方がいいし。でもビルドアップという意味では、ほとんどあらゆるスポーツをしたよ。いろいろなことができるだけの柔軟性と体力はある。それが仕事の一部でもあるしね。

Q:ムキムキでいることは楽しめましたか?

そう聞こえた? でもそれは違うよ。これまでで自分を見るのが好きだったことはない。体ができていることでいいのは、とてもヘルシーだと感じられること。いつもそうありたいよ。

■良くないエネルギーも、良いことに転じていける

Q:11歳での俳優デビューですが、ほかの仕事に就きたいと考えたことはありますか?

「サッカーが僕の人生だ」なんて6歳ごろの日記には書いてあるよ(笑)。

Q:『パイレーツ・オブ・カリビアン』のように、本作もシリーズ化されるでのはないかと思いますが、いかがですか?

これだけの規模の作品になると、そういうこともあるかもしれない。もしそうなったら、うれしいよ。キャラクターも、世界観も大好きだから。

Q:まだ29歳とお若いですが、ハリウッド・スターであることに順応できていますか?

今は、以前より快適だよ。自分が何を大事に思っているか、何をしたいか、何者であるかがわかってきて、自分自身であることが快適になってきたから。笑い合うことが好きだし、楽しいことはたくさんある。こうやって好きな仕事ができるし、好きな人たちといることもできて、みんなと一緒にやっていこうと思える。ほかのこと、例えば、人目を引いてしまうといったことも仕事の一部として受け止めているよ。良くないエネルギーも、良いことに転じていけるんだ。

笑わせながらも真摯(しんし)な答えを返してくれるギレンホールは、若くして得た名声に流されないだけの地に足の着いたところも見せてくれた。それは、王に拾われ、孤児からプリンスとなるダスタンのキャラクターにも通じるもの。オリジナル・ゲームの製作者で、本作では製作総指揮も務めたダスタンの生みの親とも言えるジョーダン・メクナーも太鼓判を押した配役の理由がわかる気がした。演技派としての実力に加え、本作で開花させた新たな魅力でこれからますます注目を集めていくことになりそうなギレンホールだ。

(C) Disney Enterprises,Inc. and Jerry Bruckheimer,Inc.

『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』は5月28日より全国公開

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