
取材・文:シネマトゥデイ 写真:櫻井健司
発売当時、「涙でページがめくれない」と女性たちに共感を呼んだ、河原れんの同名小説を、映画『解夏』の磯村一路監督が映画化した衝撃の愛の物語『瞬 またたき』。恋人をバイク事故で亡くし、自分一人だけが生き残った苦しみと闘いながらも、恋人との最後の記憶を取り戻そうと真相をたどっていく主人公の泉美を演じるのは、卓越した演技力で注目を浴びている北川景子。最期まで泉美との愛を貫く恋人・淳一役を、岡田将生が演じている。恋人同士のピュアな愛情を繊細に表現した北川と岡田に話を聞いた。
■現場でも劇中でも、絶対に北川さんを支えてあげたい! Q:北川さんは、とても難しい役に挑戦されたと思いますが、泉美を演じた決め手は何だったのでしょうか? 北川:脚本を読んだときに、これまで挑戦したことのないシーンがたくさんありました。泉美の心情を表すのはすごく難しかったんですけど、演じ切ることで成長できると思いました。悲恋って普通は、最後に別れや死が描かれるものですよね。でもこの作品は、最初に死が訪れるんです。その設定が珍しいと思ったので、興味を持ちました。 Q:岡田さんはいかがですか? 岡田:僕が演じた淳一という役は、最期の瞬間まで北川さん演じる泉美を愛して支える役だったので、現場でも作品の中でも、北川さんを支えてあげたい! という気持ちでした。 Q:とても男らしいですね! 現場では実際に、支えることができましたか? 岡田:支え……られませんでした(笑)。 北川:どちらかというと、わたしが支えたかな(笑)! Q:そうだったんですね(笑)。共演される前のそれぞれの印象を聞かせてください。 岡田:北川さんは、ツンとした人だと思っていました(笑)。でも実際にお会いしたら、ふざけた僕を受け止めてくれる優しい方で、うれしかったです。 北川:わたしは、すごく無口でクールな方だと思っていたんです。落ち着いていて、堂に入った感じなのかなって思っていたんですけど……。 岡田:けど……? 北川:真逆でした(笑)。等身大の男の子で、ピュアで安心しました。 | ![]() |
![]() | ■淳一は、世の中の全女性の理想像!? Q:劇中の泉美と淳一の関係が、キラキラと輝いていましたね。恋人同士を演じられていかがでしたか? 北川:岡田さんはナチュラルな方なので、すごく楽でした。 岡田:僕は幸せでしたね。北川さんの恋人役を演じさせていただいて、北川さんのファンの皆様には申し訳ない気持ちでいっぱいです。 北川:こちらこそ、岡田さんのファンの皆様に申し訳ないです! 岡田:いえいえ……、僕なんて6人しかファン、いませんから……。 Q:ファン6人って……岡田さん、どういうことですか? 北川:バレンタインのチョコレートを6人からしかもらえなかったって、ずっと言っているんです(笑)。でも、もらえてうれしかったんだよね? 岡田:はい。うれしかったです……。 Q:お二人のやりとりを見ていると、北川さんはお姉さんのようですね。 北川:現場でもずっとこういう感じでしたね(笑)。楽しかったです! 岡田:僕もです! Q:淳一は、泉美にとってだけではなく、世の中の全女性があこがれるような、すてきな彼氏像でしたね。 北川:そうですね。でも、泉美と淳一がケンカして、淳一が急に何日かフラっとどこかへ行ってしまうようなところは、正直ひどいなって思いました(笑)。 岡田:僕は、すごく共感できましたね(笑)。 北川:急に、いなくなりたいようですね(笑)。 Q:それは……、最悪ですね! 岡田:あはは! 北川:連絡の一本くらいできるでしょって思いますよね。 岡田:そんな僕の突発的な行動にも、ついてきてくれる人がいいなって……。 北川:フラっといなくなるのは、男の人の理想なんですかね(笑)! 淳一も含めて、考え直してほしいですね(笑)。 |
■胸を打たれる演技 Q:事故のシーンは壮絶でした。撮影はどのように進んでいったのですか? 北川:あのシーンは一気に撮ったんです。前日は丸一日リハーサルにあてて、入念に準備をしました。リハーサルで準備がきちんとできた分、余裕を持って撮影に臨むことができました。 Q:泉美の感情の動きもとても激しかったですよね。 北川:はい。泣いたり叫んだりとても激しかったのですが、監督からは、本番だけ集中して頑張ってくれればいいからと言っていただいて。本番に懸けよう、出し切ろうという思いで頑張りました。 Q:泉美が必死になって淳一の命を救おうとする姿に、胸を打たれました。あの演技についてはいかがですか? 北川:基本的に出されていた指示は、動きだけだったんです。その動きをベースにして、感情は自分で作っていきました。でも本番になったら、自然に感情が込み上げてきたんです。 Q:淳一の最期も、とても印象的なシーンでした。 岡田:淳一のあの行動は、とても本能的なものだと思うんです。泉美のことが本当に好きだから、愛しているから取れる行動だったと思うし、男として淳一がうらやましいです。 Q:淳一の目には、強い意志を感じました。どんな気持ちで演じられたんですか? 岡田:泉美のことを、「必ず守る! 絶対、死なせない!」っていう気持ちでいっぱいでしたね。 Q:もし自分だったら、あの行動は取れると思いますか? 岡田:正直、わからないです……できません! 北川:も~、どっちなのよ(笑)。できないなら、最初から言ってください(笑)。 岡田:ごめんなさい! 僕にはできません。 | ![]() |
![]() | ■「もし自分だったら……」ということは、何度も考えた Q:もしお二人が実際に大切な誰かを失ったら、どうやって乗り越えると思いますか? 北川:この映画の撮影中に「もし自分だったら……」ということは、何度も考えました。しばらくは思い出ばかりが浮かんで、その中で生きたいと思う気がするんです。前に進むことが難しいかもしれないけど、亡くなった方からすれば悲しむわたしを見たくないと思うので、胸を張って生きていけるように頑張ろう! って思いたいですね。 岡田:僕もきっとそうだと思います。どん底のどん底まで落ちて、ちょっとずつ、自分を再生していくんじゃないかな。大切な人を失うって、誰でも簡単には受け止められないものだと思います。 Q:ラストシーンは、一縷(いちる)の希望を感じるシーンになっています。お二人はあのラストを、どう感じていらっしゃいますか? 北川:わたし自身も希望が持てるラストになりました。また、観てくださる方々にも希望を感じてほしいという思いがあったので、できる限り晴れやかな表情で終わらせたいと思っていました。 岡田:僕もすごく希望が持てました。あのラストシーンがあるからこそ共感してもらえる映画になったと思います。 Q:最後に、それぞれ見どころを教えてください! 岡田:とにかくすべてを観てほしいですね。泉美がゆっくり時間をかけて再生していく、強い姿を観ていただけたらうれしいです。 北川:わたしも全部です! 岡田さんが出てくるシーンは、すべてが見どころだと思います。淳一の性格をすごくよく表現しているんです。岡田さんの見た目も見どころです(笑)! 本当にきれいで、皆さんにも共感してもらえると思います(笑)! |
ちょっぴり天然な岡田の発言に、笑顔でツッコミを入れる北川は、恋人というよりも、まるでお姉さん。岡田もそんな北川に、すっかり心を許しているようで、息ぴったりの掛け合いを見せてくれた。そんな二人が演じた泉美と淳一だからこそ、淳一が生きていたころのシーンはとにかく楽しく、笑い声に満ちている。胸が締め付けられるような悲しみを乗り越えていく泉美に共感できるのも、二人だったからこそといえるだろう。実力派の二人が演じた衝撃の愛の物語で、大切な人への思いを改めて確認してみてほしい。 【岡田将生】ヘアメイク:FUJIU JIMI for SHINYA salon(PRIMAL)、スタイリスト:Yusuke Ooishi(DerGLANZ) (C) 2010「瞬」製作委員会 | ![]() |
映画『瞬 またたき』は6月19日より全国公開
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