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型破りシネマ塾

おバカ・コメディー編青春ラブコメ編

SFカルト映画を大特集

DVDスルーとなる予定だったが、ファンの熱い支持を集めて劇場公開された『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』。連日のにぎわいを見せていたのは喜ばしい限りだが、日本では基本的に不遇のコメディーは未公開&未上陸となってしまう作品も多い。そこで、コメディーならおまかせ! の当サイトでもおなじみのライター陣が、今観るべきおススメ作品と、これから注目すべき話題作をご紹介。こんな先行き不透明な時代の今だからこそ、日本人にもコメディーが必要だ!!

おバカ・コメディー編

ここ数年で変わりつつある、本当に笑えるおバカ事情

おバカ・コメディーといえば、一昔前なら『オースティン・パワーズ』シリーズのようにアホ・キャラものが主流だったが、ここ数年は事情が違ってきた。もはや他人のバカでは笑えない。自分の中にもいる等身大のバカこそが笑いのキモ。例えば、米国での人気沸騰から1年遅れで日本でもヒットした『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』。ここで描かれるバカ騒ぎや、前夜の記憶のないほどの酩酊(めいてい)ぶりに身に覚えのある人は決して少なくないはずだ。同作の監督トッド・フィリップスの前作『恋愛ルーキーズ』も今年ようやく日本でDVDリリースされたが、こちらもオススメの逸品。あこがれの女性に声すら掛けられない内気な青年が自分の殻を破ろうと、男らしい男を養成するセミナーに通い、何とか自信をつける。しかし恋敵は、なんとそのセミナーの講師だった……というお話。主演のジョン・ヘダーは『バス男』で注目を集めて以来のモダン・おバカ映画のキーパーソンだが、ここでのモジモジ演技もリアルで味がある。

すでにDVD化されている『ファンボーイズ』もリアルなオタク心をとらえた快作。『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』が観たくてたまらないSWファン4人組が、公開半年前にジョージ・ルーカスのスタジオに潜入しようとする物語はファン心理の極端なかたち。余命わずかの友人にだけでも、これを観せたいという友情の逸話にもグッとくる。『お願い!プレイメイト』になると、ある意味、状況はより切実だ。4年間の昏睡状態から目覚めたら最愛の恋人がプレイボーイ誌のヌードモデルになっていた!  という奇想天外な設定ながら、彼女にその理由を問いただそうとするダメ男の胸の内がイタくも切ない。

日本公開を切望する、ダメ男モノの未公開作2本

日本公開が決定していない作品に目を転じると、これまた近年のおバカ映画の重要人物ウィル・フェレル『ディパーテッド』のコワモテ刑事役も強烈だったマーク・ウォールバーグとダメ刑事コンビにふんした『ジ・アザー・ガイズ/THE OTHER GUYS』(原題)は、ヒーローになりたくてもなれない男たちの姿がペーソスを感じさせる要注目作。『2012』でダメ男の奮闘を演じて見せたジョン・キューザックが、1980年代の青春真っ盛りの時代にタイムスリップする奇想天外なドラマ『ホット・タブ・タイム・マシン/HOT TUB TIME MACHINE』(原題)もアラフォー世代には笑えてシミる作品なので、ぜひ日本公開してほしい。

イチオシのコメディー俳優……ジェイ・バルシェル

黙っていればイイ男だが、口を開けば幼さがあふれ出てしまう愛すべき俳優。『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』『ファンボーイズ』ではわき役としてイイ味を出していたが、主演作『シーズ・アウト・オブ・マイ・リーグ/SHE’S OUT OF MY LEAGUE』(原題)では童貞系役者の本領発揮!
(おバカ・コメディー編 セレクト・文/相馬学)

青春ラブコメ編

おススメ作品のキーワードは、「カミング・オブ・エイジ」

『グローイングアップ』シリーズで洗礼を受けたせいか、青春ラブコメに弱いわたし。クーガー世代となった今でも、脱チェリー・ボーイに向けて努力する若者がいばらの道(?)を歩む姿にググッと感動してしまいがち。『アメリカン・パイ』シリーズや『ウェイティング/WAITING…』(原題)、『ユーロトリップ』あたりは、童貞のためのバイブルに指定すべきではないかと思っているほど。童貞をこじらせた男の悲喜劇『40歳の童貞男』も反面教師として、併せて学校指定映画にしてはいかがだろうか?

なんて願望は置いといて、ハリウッドが量産するこの手の青春ラブコメでおススメしたい作品の魅力という本題に入りたい。一言でいうと、少年の心身の成長を描く“カミング・オブ・エイジ”要素が濃いということ。主役であるオタク少年やブサイク君が、疎外感やさまざまなトラブル、各種の困難に直面することで心身共に成長し、さらには仲間たちとの友情の大切さにも気付き、かなりかわいい女の子のハートまでゲットする。現実世界ではありえないとしても、ナードやギーク、もしくは超アベレージという少年たちの背中をそっと押してくれるパワーに感じ入ってしまう。

強力プッシュは、人気沸騰ジェイ・バルシェル主演の恋愛奮闘記

このような視点で選んだ青春ラブコメ最新作の中で強力プッシュしたいのは、『シーズ・アウト・オブ・マイ・リーグ/SHE'S OUT OF MY LEAGUE』(原題)だ。美人で性格もいい女性に恋した空港勤務の気弱な青年の物語。主人公を演じるのは『魔法使いの弟子』の物理学オタク役で注目のジェイ・バルシェルで、全身からモテないオーラが噴出されている。美女とうまくいきかけても腰がひけちゃう自信のなさが実にリアル。かっこいい友人に力説されて局部のヘアをそってセックスに臨む受け身っぷりも、びっくりを通り越していとおしいじゃないの。ヒロインがホットじゃないのはやや問題だが、自信過剰な似非(えせ)マッチョ、優しいデブ、心理をつくイケメンと友情シフトは完ぺきだ。

8月中旬に全米公開された『スコット・ピルグリムVS.ザ・ワールド/SCOTT PILGRIM VS .THE WORLD』(原題)も注目作。インディーズ・バンドのベーシストが、クールな女性のハートをゲットするために邪悪な元カレたちと戦うという青春ラブコメ。現実と空想の世界が交錯するビデオゲームのような展開が漫画みたいと思ったら、ブライアン・リー・オマリーのカルトコミックの映画化。マイケル・セラが、弱っちいくせに女子高生からあこがれられるモラトリアム青年をパーフェクトに演じていて、困難にぶつかるたびに戸惑う表情&心理演技に共感しまくりキーラン・カルキン演じるゲイ青年のこしゃくな洞察も的を射ていて、ステレオタイプなキャラを見事に操るエドガー・ライト監督のセンスが光る。双子俳優、斉藤祥太斉藤慶太も元カレ役で出演しているので、日本公開キボンヌ!

青春ラブコメの名作『スーパーバッド 童貞ウォーズ』で人気獲得したジョナ・ヒルが主人公を演じるのが、『サイラス/CYRUS』(原題)だ。離婚で傷心のジャーナリストが出会った女性には、嫉妬(しっと)深い20代の息子がいて……、という一風変わった青春ラブコメ。ジョナが演じるのは猟奇的なまでに母親に執着する息子で、今までのコメディー演技から一転、シリアス演技もいけると納得。笑っていても目が笑ってない演技は出色だ。もちろんセリフや演技の端々にユーモアがにじむのは否めないが、苦さと甘さの融合が奇妙な味わいとなっているのも確か。良質なインディーズ映画としても観逃せない1本である。映画業界では今まで、「コメディーとジャンルを分類したらお客を呼べない」が定説だったが、最近作のヒットがこの傾向に一矢報いてくれることを願うのみだ。

ニコケイも出演! 青春ラブコメマイ・ベスト3はコレ!

最後に、マイ・ベスト3青春ラブコメをご紹介。『アドベンチャーランドへようこそ』は、大学院進学前にヨーロッパ旅行を計画していた青年が地元の遊園地でバイトすることになるという最悪な夏を迎え、オタクと友情を培い、バイト仲間の美少女への思いをはぐくむ過程を描いた佳作。監督は『スーパーバッド 童貞ウォーズ』のグレッグ・モットーラ笑いと胸キュンを絶妙に配した演出、ちりばめられた80年代サブカルと青春ラブコメ好きのツボを押しまくる。2本目は、コミック好きのオタク少年が、YouTube効果で街のヒーローになる『キック・アス』。 主人公を演じるアーロン・ジョンソンが美形でオタク度が低いのはささいな問題。漫画ちっくな展開と脱童貞にうっとり! バットマン風コスプレをしたニコラス・ケイジの怪演、子役クロエ(・モレッツ)のアクションと萌えポイント多数の快作だ。そして、幼なじみのザック&ミリが、共同生活を送る中で生活費に困ってポルノ映画制作をスタートする『恋するポルノ・グラフィティ』。気の置けない親友だった男女がある出来事を機に恋に落ちるパターンはありがちだが、きっかけが実にケヴィン・スミス的。下ネタ満載なのに下品じゃなく、ダメ男ザックの胸の内が手に取るようにわかる脚本が絶品だ。

イチオシのコメディー俳優……ジェイ・バルシェル

ひょろり体形と風変わりな顔立ちからして、絶対に元いじめられっ子だったと思われるジェイ。『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』あたりから波に乗り、『ヒックとドラゴン』でメジャー俳優の仲間入り。セス・ローゲンと組む新作に期待大。
(青春ラブコメ編 セレクト・文/山縣みどり)

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