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宮崎あおい、大竹しのぶ
『オカンの嫁入り』
お母さんと自分の関係がどうなのかを、
考えてもらえたらいいなと思います
『オカンの嫁入り』宮崎あおい、大竹しのぶ 単独インタビュー

取材・文:鴇田崇 写真:高野広美

国民的女優の宮崎あおいと大竹しのぶが初共演した映画『オカンの嫁入り』がついに完成。第3回日本ラブストーリー大賞、ニフティ/ココログ賞を受賞した咲乃月音の小説を映画『酒井家のしあわせ』の呉美保監督が映像化した本作は、母と娘二人で暮らしてきた親子が、突然の母の再婚を機に、互いが知らない思いをぶつけ合い、きずなを深めていく感動作だ。母娘を演じた二人が、初共演のエピソードや、女優として新たに発見したことなどについて語ってくれた。

■いい映画にしたくて、全員で話し合いを重ねた充実の撮影現場

Q:監督とディスカッションする場が多かったそうですね。何が一番課題に感じられたのでしょうか?

宮崎あおい(以下、宮崎、※宮崎の「崎」は「たつさき」):現場に入ってから、よく話し合いをしていましたね。テストでワンシーンごとに動くときに、監督の指示と、自分の考えが一致しなかったりすることがあったので、話し合いを重ねて、その修正をしていく。そういうことをたくさんしていましたね。

大竹しのぶ(以下、大竹):そうですね。疑問に思ったことは、いつでも何でもぶつけられるような現場だったので、みんなで「ここはこう思うんだけど、どうしたらいいのかな」とか、よく話し合いをしていたと思います。あおいちゃんとわたしも「このシーンは、こうしよう」とか相談をしていたこともありました。純粋にいい映画にしたくして、こだわってみんなで話していました。

Q:そういうことを踏まえて、演じるにあたって特に大事にしたこと、演じる上で軸にしたものは?

大竹:わたしの場合は(桐谷健太演じる)研ちゃんのことが大好きだけれど、それよりも娘の月子が、かわいくて、かわいくて、仕方がないというのが、軸としてありましたね。

宮崎:わたしが演じた月子は、お母さんのことをすごく好きだということが大前提としてあったので、観ている方にちゃんと伝えなきゃいけないと思っていました。母娘の仲がいいことを象徴するシーンが、一つもない状況からストーリーが始まるので、月子が、お母さんのことを大好きだからこそ怒ってしまうんだということが、ちゃんと伝わるのかな? という不安が結構ありました。母親への思いやりから来る怒りなんだということが、ちゃんと伝わるようにしなきゃなあと思いながら演じていました。

■ちまたに流れている、ウワサ通りのイメージにお互いが感激!

Q:お二人は本作で初共演を果たされましたが、それまでイメージしていた宮崎さん像、大竹さん像に違いはありましたか?

宮崎:今までお会いしたことがなかったのですが、大竹さんはちまたのウワサでかわいらしい人だということを聞いていました。実際にお会いして、ちまたのウワサはウソじゃないなと思ったのが最初の感想で(笑)。わたしが男の子だったら絶対に好きになるだろうなって思いました! 同性でもドキドキするのに、異性だったら「そばにいたい!」と思う気がするので、大先輩で失礼にあたることを言っているのかもしれないですが、本当にかわいいなと思っていました。

大竹:全然! ウソですよ~(笑)。

Q:大竹さんはいかがでしたか?

大竹:わたしも、あおいちゃんがかわいくて良い子だっていうことを、ちまたのうわさで聞いていましたよ(笑)。撮影中も、自分のお菓子バッグからチョコくれたり……。かわいいし、しっかりしていて、とってもいいお母さんになるなあと思いましたね。

宮崎:ありがとうございます(笑)。

大竹:桐谷健太くんと3人で、一緒に車で移動していたとき、「健ちゃん! ここはこうだよ!」とか彼に対する指示の出し方がすごくスムーズで、ああ、だんなさんはこうやられているんだろうなあというのが、すごく浮かんできました(笑)。そのときに、しっかり者のかわいいお母さんに将来的になるんだろうなという気がしましたね。

■考えて演じる芝居、映画作りの基本を痛感した、発見が多い作品

Q:改めてこの作品を経て、女優というお仕事について考えたことや、実感したことはありますか?

宮崎:わたしは今回、考えて、考えてお芝居をするということを初めて経験したので、芝居の難しさを改めて実感しました。でも難しいからこそ面白いですし、もっとちゃんとお芝居ができるようになりたい、もっとしっかりちゃんとした女優さんになりたいとも思いました。そういう発見があった作品だと思います。

大竹:こうしてあおいちゃんと知り合うことができたり、一緒に映画を作るためにスタッフ全員が団結したことはとても楽しかったですし、刺激的でしたね。監督を中心に映画を作っていく基本を改めて知った気がしますね。それこそワンカット、ワンカット、納得がいくまでみんなで話し合いながら作っていったということは、わたしにとっては久々のことだったので、とても楽しかったですね。

Q:そんな発見を踏まえて、この先、女優としてどう変わっていこうと考えることはありますか?

大竹:関西弁が上手になりたいですね(笑)。それから、映画をちゃんと愛していきたいなと思いますね。改めて思うことじゃないですが、やっぱり映画っていいなあって思うんです。映画の中の世界に、本当にいるような感じにできたらいいなあと思うんですよね。そう思い続けて頑張っていきたいと思います。

宮崎:わたしは、シンプルになりたいなと、改めて思いましたね。今までは深く掘り下げずに現場に入って、その場の空気を取り入れてやっていた気がするんですけど、現場に入ってから相手の俳優さんと向き合ったときに生まれてくる感情やいろんなことを、素直に大事にしていきたいなと改めて思ったんですよね。特に今回は毎日毎日いっぱい考えていたので、お芝居って難しいなと思いましたが(笑)、そういうことを経験したからこそ、改めてカメラの前にシンプルに、ちゃんと立てることの大切さを感じたような気がしています。

■自分の人生を生きること、そしてお母さんのことをもっと知ってほしい

Q:この映画が一番に伝えたいこと、もしくは、お二人が受け取ったメッセージは何でしょうか?

大竹:この映画を観てくださった方々に、それぞれ感じていただくことが一番いいことだとは思うのですが、やっぱり陽子のように自分のために人生を生きてほしいと思います。人生は、ほかの誰かのためではなく、自分の喜びのためにあると思っています。自分の力で自立して、ちゃんと立って、人に依存しないで、自分の人生を切り開いていってほしいと思いますね。

宮崎:お母さんと自分の関係がどうなのかを、考えてもらえたらいいなと思いますね。わたしは自分の母のことを考えたときに、母の好きな食べ物のことをあまり知らないと思ったんです。ご飯をつくってくれるときも、食べに行くときも、全部子どもたちの好物に合わせてくれるので、だから知らないんだと思いました。母と一緒にいられる時間を大切にしたいと思いましたし、観ていただく方にも、その時間を大切にしてほしいですね。

撮影を経た二人は、今はまるで本当の母娘のように仲むつまじく、仕事のことからプライベートのことまで何でも言い合える関係になっているように見えた。これまで数々の作品で印象的な演技を残してきた名女優たちにとっても、さまざまな発見や映画の醍醐味(だいごみ)に気付かされることが多い作品になったという本作。すべての女性たちに観てほしい作品であることはもちろん、今まで垣間見ることがなかった彼女たちの新しい魅力に触れることができる一作といえそうだ。

『オカンの嫁入り』は9月4日より角川シネマ新宿ほか全国公開

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