シネマトゥデイ

伊藤英明、加藤あい
『THE LAST MESSAGE 海猿』
自分にとって本当に大切なシリーズになりました
映画『THE LAST MESSAGE 海猿』伊藤英明、加藤あい 単独インタビュー

取材・文:鴇田崇 写真:尾藤能暢

自らの命を賭して人命救助に向かう海上保安庁の潜水士たちの苦難や成長を描く『海猿』シリーズの劇場版第3弾となる映画『THE LAST MESSAGE 海猿』が完成! 巨大天然ガスプラントで発生したシリーズ史上最大規模の大災害が人々を襲う中、主人公・仙崎大輔と、その妻・環菜にも過去最大級の試練が訪れる。本作での取材としては初の2ショットインタビューになるという伊藤英明、加藤あいの二人に、完結編を撮り終えた現在の心境や、撮影秘話、ファンに「ラスト・メッセージ」を届けられることの感慨などを聞いた。

■『海猿』のDVDを引っ張り出しました

Q:劇場版第2弾の前作から4年、この期間を経てファンの皆さんに最新作を届ける今の心境は?

伊藤:振り返ってみれば早かったですね。4年間という期間は、お客さんの気持ちが薄れているかもしれないという不安と共に過ごしていました。でも撮影が始まったらロケ先にたくさんのファンの皆さんが来てくれたので、心配は要らなかったと思いました。

加藤:わたしも4年間というのはすごく早かったように思いますね。でも4年ぶりに同じ役を演じるということで、どんな感じのテンションだったのか、撮影前に『海猿』のDVDを引っ張り出してきて、劇場版もドラマ版も1度観たんです。なんとなくではなくて、ちゃんと思い出したかったので。

伊藤:ちゃんと観たんだ(笑)。確かに、例えばここに船が沈んでいる体で、みたいな感覚に頼る演技が多い現場ですからね。でも僕は観返さなかったです。僕らはお芝居というよりも、実践のみ! みたいな撮影ばかりで、頭の中で映像をイメージしていることが多いので、実際に本番になってみないとわからないことがあるんです。それに4年ぶりでしたが、羽住(英一郎)監督も(佐藤)隆太とも割と会っていたので、個人的には久しぶりに帰ってきたという感覚ではなかった。スタッフともすぐに元の感覚を取り戻して、すっと入っていけた気がします。

■『海猿』は本当に自分たちで何でもやるんです

Q:大輔と環菜が結ばれ、子宝にも恵まれているというファンには見逃せない展開になっていましたね。

伊藤:結婚式のシーンはファンの方々の声があって撮ることになったんです。

加藤:最初の予定ではなかったんですよね。

伊藤:結婚式をぜひ見たい! というファンの方々の声が多かったんですよ。

加藤:最初は写真だけ撮ると言われていて、ファンの方々の声で本当に結婚式のシーンを撮影することになって(笑)。

伊藤:ようやくこの二人が結婚することになったんだという感じがしました(笑)。

加藤:そうそう。二人が初めて出会った日から思い返すと、ここまでたどり着くのに何年かかったんだろうって。

伊藤:僕には仙崎家のセットでの撮影はなかったんですが、実はセットを見に行ったんです。この部屋で環菜と生活して、息子の大洋が生まれて、この男は他人を救うために戦っているのかと思ったら、グッときてしまって。

Q:環菜が病院の待合室で大輔君じゃないとダメ! と叫ぶシーンに心を打たれました。

伊藤:そこは映画を観た皆さんが、グッとくると言われるシーンの一つですね。

加藤:あのセリフは、言葉通りの気持ちを込めて言いました。わたしには子どもがいないのですが、自分に置き換えてみたら、すごく理解できたんです。単に好きなだけではなく、子どもという守るものができた分、強さが生まれたことと同じくらい、守らなければいけないものができたからこその怖さ、不安があったと思うんですよね。母としての強さと女性としての弱さですよね。わたしでも本当にそう思うんだろうなと思いますね。

Q:また、サプライズが大好きな大輔は伊藤さんの素顔のイメージとも重なるような気がします。

伊藤:そうですね。サプライズすることは好きですね。

加藤:されたことないんですけど(笑)。どうしてかな?

伊藤:実は、くす玉の3周年記念の文字や環菜の似顔絵を僕も書いたんです(笑)。

加藤:えー!? 手作りのCDジャケットも伊藤君が描いたの?

伊藤:そうそう、全部僕が作ったんだよ。切り抜いてはいないけど、配置などは自分で決めてね。でも、環菜の絵も大洋の絵も油まみれになって大変な中で描いたのに、実際には使われてはいなかったんです(笑)。

加藤:……。今の今までそのことを知らなかったです(笑)。

伊藤:「お前にチェックイン!」というセリフも、撮影で3日間ぐらい寝ていない日に、カラオケ店に行って、映像付きで撮ったんですよ。確か10回ぐらいとり直したと思う。もっとテンション上げて! と言われながらね。声がガラガラになりましたよ(笑)。

加藤:そうなんだー! 確かに声が枯れていたような気がする!

伊藤:『海猿』は本当に自分たちで何でもやるんです。例えば潜水道具。これは1作目からそうなんですけど、新人だろうが大御所俳優だろうが、自分の装備は自分で管理して自分で装備・装着するんです。通常はスタイリストさんがやってくれることでも、『海猿』ではリアリティーを出すために、全部自分でやる。絵を描く、字を書く、レイアウトまでね。おかげで役に入りやすくなるんです。

■今の自分があるのは『海猿』シリーズのおかげです

Q:ところで、長期間にわたってかかわってきた『海猿』シリーズは、お二人にとってどんな位置付けになりましたか?

伊藤:自分にとって本当に大切なシリーズになりました。仕事に対する責任感を学び、改めて楽しさも知り、うれしさも、すべてこの作品、シリーズから教えてもらった気がしています。何よりこれだけファンの皆さんに愛される作品というのが、自分にとってものすごく大きなものになりましたね。この仕事をしていて、一生に一度、出会えるか出会えないかの出来事だと思います。

加藤:ちょっと大げさに聞こえてしまうのかもしれないのですが、自分の一部のような気がしています。ここまで長い年月をかけてかかわらせていただいて作り上げた作品ですからね。いまだに『海猿』が好きです、観てました! と、行く先々で声を掛けられる機会が多いので、そう考えて振り返ると、自分の一部のような気がしています。逆に『海猿』がなかったことがちょっと想像できないというか、このシリーズがあったからこそ、今の自分があるような気がしているんです。そういう意味でも心から感謝していますね。

Q:そんな思いが詰まった『海猿』最新作を、ファンの皆さんに届けられる喜びは大きそうですね。

伊藤:本当に、素直にうれしく思っていますが、完成直前までは不安もありました。実は撮影自体泣けるほど頑張ったのに、実際に映画を観て僕が泣けなかったんです。公開を控え、ファンの皆さんの声を聞くまではプレッシャーが大きくて。でも今は自信を持って送り出せる気がします。

加藤:わたしからは、あえてここを観てください! と言うことはしないで、とにかく観に行っていただいて、それぞれにいろいろなことを考えて、感じてほしいですね。純粋に男性の立場、女性の立場など、いろいろな視点で観られる映画だと思います。映像の迫力やストーリーなど、まずは先入観を持たないで観ていただいて、それぞれの感想を持っていただければなと思います。

二人の楽しそうな掛け合いは、劇中の大輔と環菜のようで、シリーズを愛してやまないのはほかならぬこの二人であることがよくわかる取材となった。2Dと3Dが同時公開されるなど、格段に進歩した映像技術による大迫力のスペクタクル映像が話題だが、『海猿』の最大の魅力は大輔と環菜をはじめ、人と人とのきずなを描いて、その意味を問い直すということにある。劇場版第3弾『THE LAST MESSAGE 海猿』は、そんなアナログで温もりを感じさせるテーマに満ちているので、ぜひ映画館でメッセージを受け取ってほしい。

【伊藤英明】スタイリスト:櫻井賢之 ヘアメイク:佐藤陵
【加藤あい】スタイリスト:栗田泰臣 ヘアメイク:面下伸一

映画『THE LAST MESSAGE 海猿』は9月18日より全国公開

[PR]

この記事を共有する

映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
スポンサード リンク
スポンサード リンク