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『恋愛戯曲~私と恋におちてください。~』深田恭子 単独インタビュー

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『恋愛戯曲~私と恋におちてください。~』深田恭子 単独インタビュー

恋愛によって変わるのではなく、まずは自分自身が強くありたい

取材・文:斉藤由紀子 写真:尾藤能暢

一行も書けなくなってしまった女性脚本家と、ダメ社員のレッテルを張られたテレビ制作プロデューサーが、恋や仕事で奮闘する様子を描いた痛快なラブコメディー映画『恋愛戯曲~私と恋におちてください。~』。人気劇作家・鴻上尚史の大ヒット舞台を鴻上自らの手で映画化した本作で、仕事のために男性を振り回す人気脚本家と、彼女の脚本に登場する作家志望の主婦、そして、主婦が描くゴージャスなセレブ作家という一人3役に挑戦した深田恭子が、撮影のエピソードから自身の恋愛観まで、さまざまなテーマで語ってくれた。

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20代後半の悩めるヒロインを、共感しながら演じた作品

深田恭子

Q:3人の異なるキャラクターを、とても魅力的に演じ分けていましたね

今回は三つの役を楽しませてもらいました。セレブ作家のシーンは、華やかなドレスを着てノリで演じるのが楽しかったですし、主婦の役では、コテコテな衣装というか(笑)、ちょっと時代を感じさせる地味な衣装をコスプレ感覚で着たのが面白かったですね。基本はコメディーなんですけど、映画を観てくださる方がだんだん切なくなったり、熱い気持ちになってくれたらいいなと思いながら演じました。

Q:メインで演じた脚本家の谷山真由美は、ちょっとワガママで不機嫌な表情も多い女性。役づくりは難しかったのではないですか?

そうですね。谷山さんは20代後半のリアルな女性だったので、喜怒哀楽をナチュラルに表現するのが難しかったです。いつも、自然体で演じるというのが一番難しいと思っているんですよね。何がリアルなのか正解もわからないですし……。ただ、今回の役は年齢も近いですし、共感するところが多かったです。

Q:彼女のどんなところに一番共感を覚えたのでしょうか?

谷山さんは、30代という節目を迎えようとしている女性なんです。20代の前半は、何をしても笑って許してもらえていたのに、30代に近づいていくと、それだけでは通用しなくなってくる。ちゃんと中身のある大人に変わらなければいけないじゃないですか。その壁を乗り越えようとしている谷山さんに、同じ世代として重なる部分があると思いました。

恋をして気持ちが揺れると、芝居ができなくなってしまう!

深田恭子

Q:谷山は、恋をしていないと仕事ができない脚本家ですが、そういった部分にも共感できましたか?

わたしの場合は、「恋をしなければ何かができなくなる」ということはないですね。恋愛によって変わるのではなく、まずは自分自身が強くありたいんです。そうでないと、何もできないような気がするんですよね。お芝居をするときも、自分が冷静じゃないと役の感情を表現することができないと思うので、恋をしても気持ちが揺れないようにしていたいです。

Q:男性を振り回す谷山と、夫に尽くす主婦作家との対比も面白かったです。深田さんご自身は、どちらのタイプに近いと思いますか?

そうですねえ……尽くされたら尽くします(笑)。あまり借りを作りたくないんですよ。相手にやってもらってばかりだと、不満や文句が出るじゃないですか(笑)。きっと、「こんなに尽くしてあげたのに!」と考えるようになってしまうと思うので、何かをしてもらったらちゃんと返していった方が、お互いにもめないのではないですかね。

Q:なるほど、恋人とも対等でいたいタイプなんですね。

対等がいいですね。映画の中では、プロデューサーの向井さんが谷山さんに尽くしている感じですけど、あの二人だってずっとこのままの関係ではないと思うんです。本気で恋をしたら、対等になっていくと思うんですよね。もしもこのままだったとしたら、いつかケンカになりますよ。もちろん、ずっと尽くしてくれる男性がいたら最高なんですけど(笑)。

撮影の合間の楽しみは、椎名桔平を育てること!?

深田恭子

Q:プロデューサーの向井を演じた椎名桔平さんとは、会話のテンポが絶妙でした。撮影の合間もかなりコミュニケーションをとられたのでは?

最初はあまりお話ができなかったんですけど、ゲームがきっかけでお話をするようになりました。わたしが休憩中にやっていた「トモダチコレクション」(ニンテンドーDS用ゲーム)の中に、椎名さんのキャラクターを作らせてもらったんです。「お誕生日はいつですか?」とか、「性格はこうですか?」など、椎名さんに聞きながらキャラを作っていったので、なんだか本当に椎名さんを育てているような気持ちになっちゃいました(笑)。それからは現場に行くたびに、「昨日の椎名さんは、こんなものを食べました」とか、「うちのお母さんに告白をしました」とか、ゲームの進行状況を報告していたんです(笑)。

Q:椎名さんも、ご自分のキャラがどう育つのか楽しみだったのでしょうね(笑)。

すごく喜んでくれました(笑)。ゲームのお話をするようになってからは、椎名さんの面白い部分がどんどん見えてきて、撮影の合間も楽しく過ごさせてもらいました。

Q:そんな椎名さんから、役者として影響されたことはありますか?

椎名さんは、いろんな表情を持っている方なんです。完成した映画を観たとき、現場でご一緒していたときは気が付かなかったような、とても細かいお芝居をしていらっしゃったので、すごく勉強になりました。もっと現場でも勉強させてもらえばよかったと思いましたね。

この作品に出演して、脚本家の偉大さを改めて実感!

深田恭子

Q:今回、脚本家の役を演じたことで、お仕事に対する意識も変化したのでは?

脚本家の方が、自分の身を削って作品を作っていることを実感しました。わたしは、皆さんが作ってくださった脚本を演じさせていただいている立場なので、何もないところから脚本や曲を作る方々を本当に尊敬します。でも、クリエイティブなお仕事をしている方が、映画の谷山さんのようにスランプになってしまったら、本当につらいでしょうね。わたしには想像もつかないです。

Q:深田さんはお仕事でスランプに陥った経験がありますか?

今のところはないんですけど、このお仕事には満足するということがないと思うんです。だから、いつかスランプを味わう日が来るかもしれませんね。そのためにも、ずっと努力をしていたいです。努力さえしていれば、スランプになっても乗り越えられると思っているので。

Q:最後になりますが、谷山のように恋愛や仕事で行き詰まっている方に、メッセージをお願いします。

映画の中でわたしが演じた女性たちを観れば、「自分の方が幸せ」と思ってもらえるかもしれません(笑)。例えば、主婦の場合だと、家庭のことに時間をとられてしまって、自分の自由な時間が持てないじゃないですか。時間を自由に使えるのって、とても幸せなことですよね。この作品を観てくださった方に、少しでも幸せを感じてもらえたらうれしいです。


深田恭子

映画では感情の起伏が激しいヒロインを熱演した深田だが、素顔はとても穏やかで、独特の世界を持っている女性だ。そのおっとりとした雰囲気とキュートな笑顔に、魅了されない人はいないだろう。10代のころは「等身大」という言葉に抵抗があったという彼女が、あえて「等身大のお芝居ができた」と語った本作には、20代後半となった深田恭子の今が克明に焼き付けられている。映画を観るときは、主人公たちの恋愛模様はもちろん、人生停滞中の二人が繰り広げる敗者復活劇や、スリリングに描かれたテレビ業界の裏側にも注目しよう!

【衣裳協力】ワンピース、シャツジャケット:THE FIRST

(C) 2010「恋愛戯曲」製作委員会

映画『恋愛戯曲~私と恋におちてください。~』は9月25日より公開

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