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『ロビン・フッド』ラッセル・クロウ 単独インタビュー

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『ロビン・フッド』ラッセル・クロウ 単独インタビュー

ロビン・フッドは、自分にとってヒーローだった

取材・文:シネマトゥデイ 写真:吉岡希鼓斗

映画『グラディエーター』『アメリカン・ギャングスター』などで、たぐいまれなる演技力を余すところなく発揮してきたオスカー俳優ラッセル・クロウが今回挑戦したのは、世界中の人々に愛されてきたヒーロー、ロビン・フッド。疾走する馬上から矢を放ち、スクリーンで縦横無尽に活躍する英雄を、ラッセルは見事なアクションで演じてみせた。ハードなトレーニングをこなし、弓矢の腕前はプロ並みにまでなったというラッセルが、長年タッグを組んできたリドリー・スコット監督と共に作り上げた本作の魅力を語った。

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歴史的な流れにロビンを置きたかった

ラッセル・クロウ

Q:ロビン・フッドの物語は幾度となく映像化されています。ほかの作品とどのように差別化したのでしょう?

子どものころからロビン・フッドの話が大好きだったけど、今までの映像作品で納得いくものは一つもなかった。歴史的な観点から、ロビンがどうしてレジスタンスの英雄になったのかを描いている作品はなかったからね。彼は悪がはびこる世の中で、民衆のために立ち上がるヒーローではあったけど、自分としてはさらに進んで、歴史的な流れに彼を置いて描きたかった。それをしっかりと表現できるのはリドリーしかいないと思ったんだ。

Q:ロビンほどの英雄を演じるにあたって、緊張やプレッシャーはありませんでしたか?

もちろん、プレッシャーはあったよ。でも、俳優にとって、まったく新しい役に挑戦するというのは、すごく面白いことだと思ったんだ。それに、何といってもロビン・フッドは、子どものころからあこがれていたヒーローだったから、絶対に成功させる自信があったんだよ。

Q:最初に読んだ脚本には、納得がいかなかったらしいですね

そうだね。ちょうど『アメリカン・ギャングスター』の撮影中に製作者のブライアン・グレイザーがこの話を持ってきて、そこで最初の脚本を読んだけど、物語の伝え方に興味が持てなかったんだ。その脚本家たちに敬意を払わないとは言わないがね。そこでブライアンに「素晴らしい話だね、この脚本ではやりたくないが、ロビン・フッドはやってみたいよ」と伝えたんだ。物語はみんなと一緒に煮詰めていけばいいからね。そうなると、次は監督だ。実は、ブライアンが「自分で監督する気はないか?」と聞いてきたんだけど、僕はできればリドリーがいいと言ったんだ。

130頭の馬と、1,500人の兵隊すべてが本物!

ラッセル・クロウ

Q:リドリー監督はあなたのことを「長年連れ添った夫婦みたいだ」と言っていました

それって、僕らの関係がパーフェクトだということだよね。お互いにためらいのない、不必要な言葉を交わす必要がない仲ということだと思う。自分にとって、リドリーは画家のような存在なんだ。自分は彼に絵の具を渡す特権を与えられている存在。例えば、彼が「青が欲しい」と言えば、できるだけ彼のイメージに近い青を渡すといったふうにね。観客としてリドリー・スコット作品を観ることも大好きだから、彼と仕事をできることにとても感謝しているし、希代のアーティストとして尊敬しているんだよ。

Q:10年前に、映画『グラディエーター』を撮ったときからの仲ですものね。あの作品は、やはりあなたの人生に大きな影響を与えたのですか?

そうだね。『グラディエーター』の撮影は、とてつもなく大きな体験だった。あの作品が僕たち二人を、一生結び付けたんだよ。心がなえそうな、あれほどの挑戦に真正面からぶつかっていったんだからね。撮影は3か国で行われ、膨大なディテールが求められているのに、撮影を開始したときにはまだ脚本が完成していなかった。あれほど骨の折れる状況下であんな大作を作るなんて、もう二度と実現できないと思う。だからこそ僕とリドリーのきずながこんなにも強く結ばれたんだろうね。

Q:合戦シーンはリドリー監督ならではの迫力でしたが、兵士たちや馬がCGではないというのは本当ですか?

本当だよ! 130頭の馬と、1,500人の兵隊すべてが本物なんだ。最近の映画で、あれだけ壮大なスケールでの戦闘シーンを撮影できるのは本当に珍しいことだと思う。すごく楽しかったし、興奮したよ。ウェールズにある美しいペンブロークシャーの海岸線を、130頭もの馬が全速力で疾走するんだ。彼らのとてつもない走りを前に、僕もアドレナリンがほとばしって最高の気分だったよ。

運命の出会いは絶対にあると思っている

ラッセル・クロウ

Q:前回あなたが来日したときはまだ独身でしたが、この8年の間に結婚され、二人のお子さんが生まれました。息子さんたちも、この映画をご覧になったのですか?

もちろん観に行ったよ。この作品は、一番息子たちを連れて観に行きやすい映画だった。『グラディエーター』は、結構血も出てくるし、剣で人を刺し殺すような、なかなかエグい場面がたくさんあったからね。でも今回は、そういうシーンはないし、小さい子でも安心して観ることができる映画になっていると思う。小さいころから慣れ親しんだストーリーだから、子どもがわかりづらいと感じるところも、親が意味を教えてあげられるんじゃないかな。僕の子どもたちも、気に入ってくれていたよ。

Q:父親になって変わったことはありますか?

(子どもを持ったことは)人生において、一番すてきな出来事だったと思う。今6歳と4歳の息子がいるんだけど、6歳の息子はハネムーンのときに授かったんだ。彼らが僕と同じ仕事に就くのを希望するかって質問をよくされるけど、それについては特に気にしていないよ。日々、二つの素晴らしい肉体と頭脳を持った子どもたちと共に過ごし、充実した生活を送れていることに感謝したいね。

Q:ロビン・フッドとマリアンが運命の恋に落ちたように、あなたも運命を信じますか?

もちろんだよ。妻とは友人関係からスタートし、結ばれたんだ。でも結局こうなる運命だったんだと思う。彼女とは2003年に結婚したんだけど、出会ったのは1999年だった。彼女と出会った日、僕を彼女に紹介した友達に電話したのを覚えているよ。そのとき「おまえは、おれの人生をややこしくてくれたよ。だって、今日おまえが紹介してくれた女性は、将来おれが結婚する人なんだから」ってそいつに言ったんだ。だから、運命の出会いというものは、絶対にあると思っているよ。


ラッセル・クロウ

たびたび起こす暴力ざたや、テレビのインタビュアー相手に怒り狂い、放送禁止用語を吐いたりといったようなゴシップから、実生活では短気で粗暴な人物であるといわれることが多いラッセルだが、宣伝スタッフたちに、自分がオーナーを務めるラグビーチームのキャップを静かに配るその姿は、まさに「寡黙なナイスガイ」。一つの質問に対しても細かく丁寧に答えるラッセルの姿からは、彼がどれだけ真剣に役柄に取り組んでいるかが伝わってきた。普段は寡黙で温厚だが、自分のこだわりを侮辱されると真っ向から怒り、家族を心から愛する男……。真のタフガイ、ラッセル・クロウが見せる無骨なヒーロー像に注目したい。

映画『ロビン・フッド』は12月10日から全国公開予定

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