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サードシーズン2011年2月

私的映画宣言

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私的映画宣言 サード・シーズン2月

筆者の近況報告

斉藤博昭

アカデミー賞に絡みそうな作品を立て続けて観て、名演技の数々、甲乙つけがたし。なかでも強烈だったのは、『ザ・ファイター』クリスチャン・ベイル『マシニスト』を超え、完全に目がヤバかった。何かにとりつかれていた!
●2月の私的オススメ映画は、『男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW』(2月19日公開)。

中山治美

寒過ぎて、体の中から温めようと辛モノ好きに拍車が掛かる。遂に「ココイチ(CoCo壱番屋)」のカレーは5辛に到達。このまま寒波が続くと、胃がおかしくなりそうだ。
●2月の私的オススメ映画は、『平成ジレンマ』(2月5日公開)。世の中、ジレンマだらけ。

高山亜紀

今年、初めて観た映画は『ネスト』でした。早くも、2011年はものすごい珍作に出会えそうな予感がぷんぷんして大興奮しております。『ジーン・ワルツ』とか。ああ、あの試写を観たのは去年だった……。
●2月の私的オススメ映画は、『ティーンエイジ・パパラッチ』(2月5日公開)。

鴇田崇

完全受注生産商品のため、悩み抜いた末に「NIAGARA CD BOOK I」を予約。最新リマスタリング音源、初CD化の「デビュー」など、購入を正当化する要素をいくつも頭に思い浮かべながら店頭予約に行ったものの、しばらくして店頭に引き取りに来なかったら、そのまま店頭に並ぶと言われ、ちょっと複雑な気分に。
●2月の私的オススメ映画は、『ザ・タウン』(2月5日公開)。

前田かおり

昨年後半から、ボクシングを始めました。というわけで『あしたのジョー』を完全、萌え目線で観ていました。2人の絞りまくった体の素晴らしいこと……。ああ、うらやましい……しかし、わたしの場合、減量にはつながらない。何しろ、トレーニング後のビールがうま過ぎるもんで(笑)。
●2月の私的オススメ映画は、『英国王のスピーチ』(2月26日公開)。

あしたのジョー


© 2011 高森朝雄・ちばてつや / 「あしたのジョー」製作委員会

昭和40年代に社会現象を巻き起こし、戦後最大のヒット作に数えられるボクシング漫画「あしたのジョー」を実写映画化。『ピンポン』でスポーツ漫画とCGの融合を評価された曽利文彦が監督を務め、主人公・矢吹丈が運命のライバル・力石徹と出会い、やがてリング上で雌雄を決するまでを最新CG技術も駆使して活写する。ジョーを山下智久が演じるほか、力石徹を伊勢谷友介が熱演。徹底的な役づくりで生まれた究極の肉体美も見逃せない。

[出演] 山下智久、伊勢谷友介ほか
[監督] 曽利文彦

斉藤博昭

7点コミックの映画化は原作キャラに似せることを意識して失敗することも多いけど、本作の山P伊勢谷のアプローチは大正解! ジョーと力石に成りきるより、シンプルにボクサーを目指した役づくりが、実写としてのリアル感を生み出した。その意味で段平は、やり過ぎ!? 残念なのは、最も興奮させたのが前半の少年院でのファイトシーンだったこと。パンチが入った瞬間などを「静止画」でカッコ良く見せる監督の大胆な挑戦は、ボクシングのスピードや重さ、痛みを失わせた気が……。

中山治美

7点役者の肉体を堪能する映画だね。東京・山谷のドヤ街育ちのわりには山Pの顔がキレイ過ぎるとか、筆者が好きな少年院時代のエピソードが少ないとかの不満はあるが、原作への敬意を最大限に払った役者たちの成りきりぶりはお見事。最大の心配事だった香川照之の丹下段平すら、全く違和感ナシ。役得は力石役の伊勢谷友介。“自由人”伊勢谷を野放しにせず、セリフ少なめ&オーバーアクション封印で魅力UP。素直に、かっちょえぇ~。

高山亜紀

8点正直、観る前は山Pのジョーはないと思ったし、香川照之の丹下段平メークもやり過ぎて邪魔になるんじゃと危惧(きぐ)していた。が、みるみるその世界観に引き込まれてしまった。作り込まれたセットに、鍛え上げられた体……。「ここまでやった!」というスタッフ&キャストの揺るぎない自信のせいだろうか。作品にブレを感じさせない。それにしても山Pと伊勢谷くんの肉体美は、そこだけでも観る価値あり。原作に思い入れがない分、フラットに楽しめた。

鴇田崇

7点原作を筆頭に、ボクシング自体に興味がないので、何をモチベーションに観るべきか? オレ的に頭を悩ますシリーズになったが、映像的な迫力には、とにかく驚かされた。試合のシーンはさることながら、広大なオープンセットで再現された昭和のドヤ街など、上へ向いたエネルギーが充満する時代の空気が流れ出しているようで、満腹っす。この映画の正しい観方ではないと思うが、原作者が絶賛しているそうなので、私的映画としてはアリ!

前田かおり

5点昭和のニオイ漂うドヤ街のセットを作るなど、原作の世界観を頑張って再現。山P伊勢谷の減量した体からは本気度ありありだし、丹下段平役の香川照之も、大河ドラマ「龍馬伝」の岩崎弥太郎並みに成りきり、瞬く間に懐かしのアニメの世界に引き込んでくれる。でも、翻っていえば、原作をどれだけ忠実になぞれるかに終始した感が強く、人物描写に深みが足りない。ジョーと力石の死闘も意外とサラリ。ためがほしいなーと。結局、どれだけ実写化できるかで燃え尽きたか、曽利監督。ついでにいうと、ラストに流れる宇多田ヒカルの曲。『あしたのジョー』のラストには合わないっしょ。

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ヒア アフター


© 2010 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

クリント・イーストウッドがメガホンを取り、スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務めた死と生をめぐる感動的なストーリーをつづるヒューマン・ドラマ。死を身近で体験した3人の登場人物が悩み苦しみ、生と向き合う姿を真摯(しんし)に描いていく。主演は、『インビクタス/負けざる者たち』でイーストウッド監督作品にも出演したマット・デイモン。ほかに、『シスタースマイル ドミニクの歌』のベルギー人女優セシル・ドゥ・フランスや映画初出演のジョージ、フランキー・マクラレン兄弟が共演。彼らが見いだす生きることの素晴らしさが、ズシリと心に響く。

[出演] マット・デイモン、セシル・ドゥ・フランスほか
[監督] クリント・イーストウッド

斉藤博昭

9点死者と対話できる能力を持つ役柄のマット・デイモンはイタコの口寄せのようだし、津波での臨死体験には三途(さんず)の川を連想。『硫黄島からの手紙』でもそうだったが、クリント・イーストウッド監督には日本人的感覚が宿ってるのか? それはともかく、双子の兄を失った少年も含め、主人公3人の痛々しい思いを、今回も名人芸といえる端正な映像美と繊細な音楽でつづり、しっかり感動させる。そんな予想通りの感動を上回って、最も心をわしづかみにしたのは、オープニングの大地震と津波の映像。観ながら本気で息苦しくなったもん!

中山治美

5点丹波哲郎もあの世でむせび泣き!? イーストウッド版『大霊界』だ。同時に思い出したのが、朝日新聞に掲載された東北地方の巫女(みこ)イタコ減少の記事。しかし死者を呼び寄せられる彼女たちは自殺者遺族の癒やしになっているおり、効果について調査が始まっているとか。本作は、テロや災害など不慮の事故で愛する人を突然失うような世知辛い今を、イーストウッドなりに切り取っている。ただ、そこに男女の愛を絡ませたのは強引。陳腐になっちゃった。

高山亜紀

7点死後の世界はどうなっているんだろう。それをイーストウッド監督で? と予告編を観て、楽しみにしていたのだが、結局、「誰にもわからないのに、死後の世界のことを語る人を差別しちゃいけない」調な道徳的な内容で、監督らしいとは思ったが、泣く気満々だったこっちは何だか肩透かし。ただし、津波のシーンはそこまでする必要があるのかと思うほどの迫力で、『TSUNAMI-ツナミ-』なんかよりよっぽどリアルで恐ろしい。さすがハリウッド。

鴇田崇

7点今までと違うイーストウッドなどと言われているみたいだけど、実は「そろそろ死ぬ準備をしますんで!」みたいな、死へ向かった作品が増えていて、本作はまさに三途(さんず)の川の渡りかけの心情が出ちゃっている映画だと思う。達観したようで、迷いも見え隠れしている弱さがイーストウッド作品に共感が持てるゆえんだが、しょせん80代が見ている景色など年下の人間にはわかるはずもないというのが正直な感想で、やや長尺に感じた。何かヒントを得たのか、次回作のフーバー長官の伝記映画で巨匠が何をしでかすのかが見ものだ。

前田かおり

8点冒頭の大津波のシーンで、思わず韓国映画『TSUNAMI-ツナミ-』を想起。でも名匠イーストウッドだけにトンデモな作品にはならない。あくまでも真摯(しんし)だ。死をあまりに身近に感じたために周囲から孤立した人にフォーカスしながら、彼らが生きる希望を見いだすまでを描く。霊能者としての力を封印して、静かに暮らす男を演じたマット・デイモンの繊細な演技からは心の傷が見える。うまいなー。結末はとっぴにも見えるけど、80歳のイーストウッドが人の世に託す希望の物語。シンプルなメロディーとの相乗効果で、わたしは心が温かくなりました。

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ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島


©2010 Twentieth Century Fox Film Corporation and Walden Media, LLC. All Rights Reserved.

C・S・ルイスの児童文学を映画化したファンタジー・アドベンチャー、『ナルニア国物語』シリーズの第3章。親せきの家に預けられたペベンシー兄妹が帆船の絵の中に吸い込まれ、再びナルニア国へと冒険に出る。『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』のマイケル・アプテッドが監督を務め、前作に登場したカスピアン王子役のベン・バーンズが続投。魔法使いやクリーチャーたちと遭遇しながら、運命に立ち向かう兄妹の成長劇が見もの。

[出演] ベン・バーンズ、ゲイリー・スウィートほか
[監督] マイケル・アプテッド

私的映画宣言 『ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛』
私的映画宣言 『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』

斉藤博昭

6点壁の絵がナルニア国への入口になるのは、第1章と似て、異空間に入るドキドキ感がよみがえる。原作でも最も派手な大海原と島の冒険だが、前半はスペクタクル感がやや控えめ。そのうっぷんを晴らすのがクライマックスの大決戦で、これ、ファミリー向けファンタジーの常識を完全に超えているでしょ! キャラクターに関しては、新登場のユースチスが悪ガキでイイ味なのに対し、エドマンド&ルーシーは妙に大人のフェロモン過剰。第2章の売りだったカスピアン王子も印象が薄かったかな。

中山治美

7点毎度のことながら超親しみわく庶民派顔のペベンシー兄妹たちを観ながら、大作なのにこんなに華のない主役たちも珍しいと毎回、感心。そこを補うのが脇なのだが、またも味のある役者を投入してきた。第1章のジェームズ・マカヴォイ、第2章のベン・バーンズ、そして第3章は『リトル・ランボーズ』ウィル・ポールター。この子のおかげで飽きずに観られた。キャスティング能力が高いね。ウィルも今後、いろんな映画で重宝されそうだ。

高山亜紀

6点2Dで観てしまったが、3Dなら相当に楽しいと思う。次々とイベントが起き、遊園地のアトラクションのようなハラハラドキドキが味わえるはず。とはいえ、キャラの魅力が章ごとに弱まっている感は否めない。第2章のときにも書いた気がするが、どんだけ華がないんだ、ペベンシー兄妹。今回は新登場のいとこユースチスがいいキャラで救われたが、彼が変身した途端、間が持たず。もし、次回作があるなら彼が主人公のはずだが、果たしてどうなるのやら。

鴇田崇

6点『ハリポタ』でさえ食傷気味の筆者としては、何を頼りに鑑賞しようか迷った揚げ句、監督のマイケル・アプテッドに着目。『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』は、オープニングのボートアクションがシリーズでも出色の出来で、アクション演出への才能がある人だと思った。本作はというと、アクションが多めで、スリリングな冒険モノとして一応、楽しい。どこかで観たような海洋スペクタクルと、ナルニア国への誘いが突然過ぎる導入を除けば、子ブタちゃん顔の子役の健闘など、返りも少なくない。個人的には、音楽担当がデイヴィッド・アーノルド(映画『007』シリーズを数多く手掛けている)だったので、最近の『007』映画のようにテンションが上がる音楽が心地良く、それだけで5点あげます!

前田かおり

5点子どもの心をつかんでおきながら、大人の都合でやめちゃうよりはマシだけど、華々しかった第1章は遠い昔、完結編なのに地味。それでも、壁の絵が入口になって、ナルニア国の海へ……というところはワクワクさせられるし、前作でも登場したネズミの騎士が出てくるなどの楽しみもある。性格の悪いいとこ役で、『リトル・ランボーズ』ウィル・ポールターくん、いいねー。筆者は2Dで観たが、3Dで観れば波しぶきやアクションシーンで迫力を感じるのかも。まぁ、製作会社が変更になったりといろいろあったから仕方ないけど、終わったという感慨が薄い完結編だ。

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筆者プロフィール

今 祥枝斉藤 博昭前田 かおり
中山 治美鴇田 崇相馬 学
高山 亜紀小林 真里山縣 みどり
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