シネマトゥデイ

江口洋介、蒼井優
『洋菓子店コアンドル』
宝石を見ているような幸せな気持ちになれる
『洋菓子店コアンドル』江口洋介、蒼井優 単独インタビュー

取材・文:シネマトゥデイ 写真:吉岡希鼓斗

『60歳のラブレター』の深川栄洋監督が、恋人を追って上京した女の子が洋菓子店でケーキ作りのアルバイトをしながら、パティシエとして成長していく姿を描いた映画『洋菓子店コアンドル』。近年『闇の子供たち』などでさまざまな役柄に挑戦している実力派の江口洋介が暗い過去を持つ伝説のパティシエ・十村を、真っすぐに突き進むヒロインなつめを若手実力派筆頭ともいえる蒼井優が演じている。ケーキと笑顔に囲まれた現場の様子、そして作品の魅力を江口と蒼井が語った。

■ ケーキ尽くしの幸せな撮影現場

Q:映画を見終わったあと、すぐにケーキが食べたくなりました!

江口洋介(以下、江口):やっぱり!?

蒼井優(以下、蒼井): 映画に出てくるケーキを見ているだけで、幸せになれますよね。

江口:蒼井さんの笑顔が映画全体を優しく包み込んでいて、甘くておいしいものを食べたときの幸せが、こちらまで伝わってくる。作品を見終わったら、ぜひ自分へのご褒美としてケーキを食べてほしいですね。

Q:食べるシーンもたくさんありましたね! 演じていながらも、幸せでしたか?

江口:おいしくて幸せではあるんですが、僕は結構苦労したんですよ。上等なケーキは一番下の生地が硬くて! ぜんぜんうまく切れなくて何テイクも重ねました。ナイフとフォークを使ってケーキを食べることって、あんまりないじゃないですか。フォークだけでパクパク食べるのがおいしいんです。僕が演じた十村は、味を分析しながら食べるので丁寧なんですけど、慣れていないから大変でした。

蒼井:わたしは、ケーキを作るシーンだけじゃなく、食べるシーンもたくさんあったのでうれしかったです。江口さんと違って、わたしはコアンドルにいることが多かったんですけど、ショーケースの中のケーキを週に何回か持って帰っていい日があったんです。撮影で食べ、おうちに帰ってもケーキを食べていたので、幸せでした! 太るとか考えちゃダメですよね。

■ エネルギー全開! ヒロイン・なつめについて

Q:十村がなつめに出会うシーンが印象的でした。

江口:「海くん海くん!」って追っかけてきた彼氏の名前ばかりを連発するなつめとの出会いは、やっぱり強烈ですよね。好奇心旺盛ななつみを最初は煙たがっているんですけど、感じたことがないエネルギーを放っているから、彼にとっては異星人なんです。でも、なつめと接していくうちに、十村自身もどんどん変わっていくシーンは、演じていても楽しかったです。

蒼井:なつめは小学校低学年の男の子が、そのまま大人になっちゃったような子なんです。テンションが高いので、早朝からなつめのテンションに持っていくのは大変だったのですが、とても真っすぐな女の子の役だったので、楽しみながら演じました。

Q:蒼井さんは、なつめのテンションに持っていくために音楽を聴いてから撮影に入っていたそうですね。

蒼井:普段も冬の朝は苦手で、ローからゆっくりエンジンがかかっていく感じなんです。でも撮影ではそうはいっていられないので、音楽をかけてテンションを上げていました。支度をするときに毎日聴いていたのは、neco眠るさんと二階堂和美さんの「猫がニャ~て、犬がワンッ!」。メイク室で聴くこともありましたね。歌詞もテンポもなつめちゃんにぴったりな音楽だったので、毎日聴いていました。

Q:江口さんご自身は、なつめのような女の子をどう思いますか?

江口:すごいパワーだよね、ほんとに! 自分が持っているパワー全開で立ち向かってくるから、自分はというより、男はみんな、なつめちゃんに太刀打ちできないと思いますよ。

■ 江口も絶賛!? なつめVS彼氏、なつめVS先輩の対決シーン

Q:なつめの彼氏への猛烈な恋心も、観ていて面白かったです!

江口:ああいう強引なアタックってなかなかできないよね。彼氏の海くんが一生懸命「おれは変わったんだ!」って訴えているのを、「海くんができる訳ないって~!」だもんね。両者のエネルギーが行き違っている感じがおかしくって、結構笑いましたね。

蒼井:なつめはすっごく精神年齢が低いのに、海くんに対してはなぜか上から目線なんですよね。最初はこのシーン、キツいなって正直思いました。相手を傷つけることも、平気でズバズバ言っちゃうし。観ている人たちはどう思うんだろうって不安だったんです。でもこのシーンは撮影も後半だったので、意外にスッとやれちゃいました!

Q:蒼井さんと江口のりこさん演じる、女性の先輩パティシエとのバトルはかなり激しかったですよね。

江口:彼女の存在が、なつめにとっての“東京の壁”だったと思うんだよね。でもああいう人って、きっとどこにでもいると思うなあ。狭い環境で、女性2人がぶつかり合っているのを近くで見るのは、怖かった(笑)。また、パティシエという特殊な職業だからこそというのもあって、先輩にはプライドがあるんだよね。だからこそ、なつめが許せないんだろうけど、2人のリアクションがかなり面白かった! 

蒼井:演じているときは、何て嫌な先輩なんだ! という気持ちでしたね。なつめは鹿児島で、おばあちゃんとゆったり生活していたと思うんです。あんなに露骨に嫌われることがなかったから、きっと対処しようとか受け流そうって気持ちがないんですよね。訳がわからないから、気持ちを全部口に出しちゃって、さらにややこしくなる。

■ 蒼井が明かした、江口の意外な一面!

Q:一緒に現場を過ごして、蒼井優という女性はどんな女性でしたか?

江口:多分いろいろな面がいっぱいある方なんだと思います。蒼井さんは仕事にすごくまじめだから、現場では集中していました。でも会話をしていると、ふと「そういう一面があるんだ」って気付かされることが多かったので、そのギャップが面白かったです。

蒼井:江口さんはすっごく完ぺきなんですけど、ちょっと話を聞かない(?)ところがありますよね。話をしていても、途中で興味がなくなる瞬間があるんです!

江口:多分、次の話を考えちゃっているんだよね。蒼井さんはそれを客観的に見ていたらしくて、いきなり指摘されたんです。でも、思い当たるところもあったので、ちょっと反省しちゃいました。

蒼井:観察しているのがすごく楽しかったです!

江口:だったら「質問するなよ!」って、遠くから突っ込んでたんでしょ。

蒼井:いえいえ、見守っていました!

Q:最後に観客の皆さんへ、メッセージをお願いします!

江口:一つ一つのケーキがアートのようにきれいに撮れていて、宝石を見ているような幸福な気持ちになれると思います。その奥に、宝石を作っている人たちの過去、そしてこれからみたいなものが描かれています。そこに自分を重ねてもらいながら2時間を共有して、幸せな気持ちになっていただけたらなと思っています。ぜひ劇場でご覧になってください。

蒼井:『洋菓子店コアンドル』はおいしそうなケーキがたくさん出てくる映画ではあるのですが、そこに人間模様や関係性から生まれるもの、一瞬のキラっとした輝きも描かれています。ポスターにあるように「甘くない人生に、ときどきスイーツ。きっと幸せになれる」作品です。この映画を味わったあとは、本当のケーキを食べながらお茶をして、楽しい時間を過ごしてください!

対立しながらも、お互いの人生を変えていく十村となつめの関係を演じながら、江口と蒼井の自然な距離感は生まれたのだろう。蒼井に意外な一面を暴露されてしまった江口が、楽しそうに笑う姿がとても印象的だった。人生でふと立ち止まったとき、ホロ苦い気持ちを味わったときに、心がほっと温まる本作を楽しんでほしい。

【江口洋介】スタイリスト:山本康一郎 ヘアメイク:勇見 勝彦(THYMON)
【蒼井優】スタイリスト:山本マナ ヘアメイク:赤松絵利(esper.)

(C) 2010『洋菓子店コアンドル』製作委員会

映画『洋菓子店コアンドル』は2月11日より全国公開

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